海杉ブログ 木材を中心に書き残したいことを投稿します

日々、気づいた事、エクステリアウッドのテクニックを書き綴ります。やりたい時、書きたい時だけ、疲れるので笑笑

屋外木材講座11 木製ベンチ

2016年05月04日 07時17分29秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座11 木製ベンチ




木材は腐ります。




写真は日向市の片隅に設置している木製ベンチです。朽ち果てています。私は直接、関わることができませんでしたが、日向木の芽会の仕事でした。(この事案には、私の意見は、はずされました)(笑)




当時、日向市駅舎周辺のベンチを見たぷらっとバス担当の方が、バスの停留所にも「ベンチを置きたい」との相談でできたベンチです。少ない予算で10基ほど製作したと思います。




もちろん、私の製作した日向市周辺のベンチは、今でも腐っていません。




悔やまれるのは、もう少し、この件に関して踏ん張っておけば、このようなことにならなかったかもしれないと言うことです。行政やお客様からすると「少ない予算で効率的に数を多く設置したい」と思うのは、当然です。




そこで、知恵を絞るのが、私たちプロの役目ですし、的確なアドバイスや経験したことを隠さず伝えることも大切です。




素人とプロの違いは、経験だけでしょうか?




木材関係の方で「木は腐る」当然のように話をします。これは、結構なことだと思います。ただ、腐るとどのような支障が起こるのか。腐る前に何をすべきか?腐ったらどうすべきか?は、最低、話しておかなければならないことだと思うのです。




「木は腐るのだから、また、同じように換えればいい」




という意見もあります。私もそう思うのですが、これは、こちら側の意見でお客様や行政の管理者からすれば、「とても、承服できない」と言われても仕方がないこととも、認識しておかなければなりません。




現代の社会では、数年後に腐って使えなくなったら、また「新しいもの(同じもの)を買え!」という習慣は、少なくなってきています。少しでも、メンテナンスを少なくして、初期の性能を長く維持できるものを求めるようになります。木材には過酷ですが・・・。




腐ったバス停のベンチの件は、要するにアマチュアの仕事だったんです。




予算に合わせてただ、「木材を置いた」に過ぎなかったのです。木材のプロではありますが、屋外に木材を使うプロではなかったのです。




当時、材を大きくすればそう簡単に腐らないだろうという誤った認識があったと思います。これは、明らかに間違いです。写真を見ていただければ分かるように「座」の部分の大きな材の方が朽ちています。大きな材は、乾燥が十分ではなく、増して、半分に切った部分は中央は、腐れ易いのです。木材は乾燥させると腐れや虫食いが、極端に減ります。






木材の中にある「リグニン」と呼ばれる成分が、固着化することによって腐れや虫食いを防ぐ効果が発揮されるのです。




まだまだ、伝えたいことがたくさんあります。

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