紀伊浦神駅に車を置いて、浦神峠を経て歩いた大辺路は約1時間で山を越えることが出来ました。降りてきた所は庄というのんびりとした集落、下山途中に庄池という池もあり、降りてくれば小さいですが庄川という川も流れていました。
庄をのんびりとした集落と書きましたが、どの辺りにせよここらの集落は皆のんびりとしています。でもこういう標柱が捨てられている姿は無残さを感じますし、あまり気分のいいものではありません。
集落まではまだ少し距離があり、このような道を10分以上歩きます。
歩いていると広い家、何か商いをしているのかと思いきや、『かぶと虫の家』と看板が上がっていました。誰か居てるような気配も無く、夏になればカブトムシがやって来るのかも知れません。
遠足でしょうか、子供たちが何かして遊んでいました。通行止めの看板のところで話した人を最後にここまで1時間15分、誰にも出合いませんでした。だいたい大辺路を歩いていて、山の中で誰かに出会うと言うような場面は今のところ一切ありません。この子どもたちはザリガニ釣りをしているのでした。置いてあった車を見ると串本町の小学校の送迎用のものでした。何もここまで来なくても、町内にもザリガニ釣りが出来る所はあるでしょうに。
田んぼがある所まで来ると道が分かれています。すかさず道標がありましたが、何か掲示板のようなものがあるので道標に従わずにわざわざ行ってみると、獣害用のバッテリーでした。歩いていると私よりずっと若い女の人に何処から来たのかと尋ねられたので「浦神から」と答えると、通れたの?と聞かれましたが、大辺路を歩いてきたとは言わず「来れました」とだけ答えました。
この辺りでも田んぼを続ける人が少なくなったのか、放置されている田んぼがた所々見受けられます。
私が目指しているのは大泰寺、そのお寺が何処にあるのかさっぱり分かりません。さっきの女の人に聞けば良かったと思ったのですが、もう付近には誰も居ません。この民家の庭、真ん中に煙突のようにつっ立っている木が不思議でしょ。あんなまっすぐな幹に枝が無く、葉がびっしり生えているなんて、どんな木なのでしょう?
左手の小山に長い階段が見え、あの階段を登るとお寺が有るのではと思ったのですが、何度も地図と見比べると大泰寺は現在地より右手に有る筈なのです。山を降りて平地になってからここまで30分以上歩いてきました。