テルミンとJAZZ
テルミンやマトリョミンの話。私、こちろうこと相田康一郎のプロフィールは左メニューバーのCATEGORYを。
 



天素堂さんや佐藤教授にほめられたことに気をよくして、音域の調整についても、もう少しきちんと書いておこうと思った。
(「あ、テルミン大学・7/17日の体験講座、早い回のほうに、まだ少し空きがあるようですよ」・・・ココ」)

まず、その意義について。

最初、私は「4オクターブも出ていれば十分じゃないか。」と考えていた。(管楽器の経験者などは特にそう思うだろう。)演奏していても、それで特段、不自由を感じるというほどのことはなく、むしろ、楽器としての制約条件として受け入れている部分もあった。

しかし、音域そのものの問題というよりも、高音部での表現力確保という意味合いが大きい、と知り、実際に調整してみてナルホドと感じたのである。

オクターブの均等性に優れた(低音部の1オクターブ変化の距離と高音部のそれとが変わらない)Etherwave Thereminであるが、それでもピッチアンテナに近いところになると一定の音域変化に必要な、手とアンテナの距離が縮まってくる。演奏表現上の通例として、高音部は多くの場合、曲の聞かせどころであり、テルミンがその美しさを聞かせるビブラートを多用する部分でもある。

一方、ビブラートは、竹内メソッドで教授されている方法だと、ピッチ軌道上の手の前後動であるため、ピッチが詰まった状態(すなわち、ピッチアンテナに近い高音部)では小さな動きが大きな(粗い)ビブラートとなってしまうのである。それは意図的なものであればそれでよいが、そうでなければ、文字通り粗い演奏となってしまう。これを防いで、より高い表現力を確保するための音域調整(音域を広げる)なのである。

狭い音域のテルミンで、ある曲の高音部をピッチアンテナに極く近い部分で演奏するのと、音域を広げたテルミンで、高音部であっても、ある程度、ピッチアンテナから離れた位置に手を置いて演奏できるのでは、表現力に差がでてくる。

と、いうことで、その「意義」について書いただけで、随分まどろっこしく、長くなってしまった。したがって実践編は次回へ続く。

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