金魚cafe

こちらにお立ち寄りくださってありがとうございます。
ぼちぼちのんびりと綴っております。

小鳥を愛した容疑者

2013-11-14 23:14:54 | 読んだ本
大倉崇裕著 講談社文庫

警視庁捜査一課の警部補だった須藤友三、職務質問をした男が拳銃が発砲したのが頭に命中し命は助かったものの後遺症が残りました。

ハードな仕事の捜査一課でなく内勤異動を勧められますが断ったため窓際部署へと追いやられます。

命をかけて仕事をしても上からの命令に従わないとペナルティを与える。

警察の縦社会っていうのは厳しいですね。

そんな彼は総務部総務課課長心得といういてもいなくてもいい役職があたえられます。

彼の仕事は事件の関係者が飼えなくなったペットの世話をするという仕事です。

逮捕されたり拘留されたりしている間の容疑者のペットを放置するというのはいかがなものかと新しく設置された仕事で一般から生物に詳しい人を募集し採用されたのが獣医の資格をもつ薄圭子巡査。

初仕事が殺人事件の容疑者が飼っていた十姉妹。

これは初心者でも比較的飼いやすい鳥です。

雛を卵からかえして育てるのが上手で、他の鳥子育てが上手じゃない鳥の卵も育ててくれます。

捜査一課がなかなか解決できないこの事件を容疑者のペットの飼い方を見ただけで真相を言い当てた薄巡査。

動物のことが人間より大事で、ついそっちを優先してしまい須藤に注意されますが、捜査一課の鑑識も見逃してしまいがちのところを見逃さない観察力。

もと捜査一課の鬼警部補といわれた須藤といいコンビになっていきます。

小鳥、ヘビ、カメ、フクロウと4つの短編集となっていてみんないろんなペットを飼うものだなあと感心してしまいます。

これらのペットを飼うためにはその動物についての知識、快適な場所、手に入りにくい餌とかなり飼育が難しいものばかりです。

もともと野生のもので犬や猫のように懐いてくれるわけでもないのになぜ惹かれるのか?

これを読むとその気持ちはわからなくもありませんが。

ミステリーだけど小説に出てくる動物についての生態などが詳しく書かれていて、これからヘビ、カメ、フクロウを飼いたいという人は参考になるかもしれません。

それと一度家族となったわけだから最後まで責任もって世話をすることだと思います。