金魚cafe

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桂よね吉独演会(2)

2017-11-05 00:05:21 | 落語
いよいよ「幸助餅」。
これは昔(何年前かは聞かないでください(^^;)土曜日のお昼にテレビで放送されていた松竹新喜劇でよく観ました。

同じような噺で「文七元結」がありますがこちらは江戸っ子の気っぷの良さとやせ我慢が上方にはちょっとピンとこないところもありまして「幸助餅」の方がしっくりくるような感じがします。

この噺、別の意味で私に ズシッときたのです。
餅米問屋の大黒屋幸助。

人柄も良いのですが欠点というのが相撲に入れあげてること。

なんだそれくらいと思いますよね?

お相撲さんをひいきにしてご飯食べさせたり、着物やなんやかやと買ってあげたりするととんでもないお金が飛んでいくのです。

現在でもお食事1回で100万は飛んでいくそうです。
まあ良く食べるしグルメですものね。

場所の間は商売そっちのけであったであろうし身上潰れるのはごく当たり前のこと。

そんな幸助さんに健気な妹小梅さんが自ら郭に自分を借金のかたにしてお金をこしらえます。
幸助さんは心を入れ換え相撲とキッパリ縁を切ると約束するのですが。

そこで出会ったのが自分が弟のように可愛がっている関取「雷」。

強そうな四股名ですがまだ横綱という最高位がない江戸時代に大関昇進したと凱旋してきたのです。

我が事のように喜んだ幸助さんは妹の作ってくれたお金をあげてしまいます。
フッと我に返って雷にお金を返してほしいと頼むのですが雷はガンとして返さず冷たい仕打ちをします。

このときの雷のふてぶてしさが上手ければ上手いほど後で効いてくるのです。
江戸っ子はあげたお金を返せとは絶対言いませんよね。

上方だからこそさっきのお金返してと言えるのだと思います。
そのへんがしっくりきたのと幸助さんの道楽は自分のことだけではなく、一人の大関を生んだのですから活きたお金を使うところもうんうんわかると。

幸助さんがミジメ~になればなるほど後の噺が盛り上がるのでこの噺を聞くのは2回目ですが最初の時より雷のふてぶてしさが上手く出てたと思いました。

このあとは松竹新喜劇ですから笑いと人情話でジ~~~ンとさせられます。

私がズシッときたのは自分がファンの人には限度がありますが使っちゃうなぁ~~。
幸助さんの気持ちわからなくないなぁ~~と思ったのです。
まあ身上潰れるほどではないですが。f(^^;

12月には京都でも独演会をされます。

「たち切れ」というお噺です。

よね吉さんの「たち切れ」聞いてみたいのです。

桂よね吉独演会

2017-11-03 23:24:26 | 落語
よね吉さんの独演会が天満天神繁盛亭でされましたので行ってきました。

まず桂吉弥さんのお弟子さんの桂弥っこさんの「代脈」。

ストーリーはあるお医者さんのお弟子さん(かなりの天然)が師匠に代理で大店のお嬢さんの往診に行くことに。

かなりの天然であるためにそそうのないように師匠は相手様のお家についたらこうしなさいと指示をされるのですが。
これが空気を読めばよいものを言われたとおりに言うものですから大店の番頭さんご寮さんを巻き込んで笑いが起こるというお噺です。

お医者さんというのは偉い人と思われているそんな方がトンチンカンではどうなるかという面白さ。

そしてよね吉さんの登場です。

この前まで暑かったのに急に寒くなってきたこの頃にちなんだ「かぜうどん」。

町を歩いて売りあるく行商の掛け声というのは独特で最近では聞かれなくなりまして落語か芝居でしかお目にかかれません。

屋台を引いて売るうどん屋さんではなく天秤棒に商売道具をぶら下げて練り歩くうどん屋さんもありました。
そんなうどん屋さん、だいだい深夜ですがいろんなお客さんがいます。

いいお客さんもいれば困った方々もいらっしゃいます。

最初なぜかぜうどんなのかと思いながら聞いておりますと最後のサゲであ~~と納得。

中入りの後先代桂文枝さんのお弟子さんの阿か枝さん。

この方も落語は前の独演会でも聞かせていただきました。

先代の文枝師匠に良く似ていらっしゃるなあと。

「金明竹」という道具屋さんの噺でこちらのお店の丁稚どん、まだ幼くお仕事も半人前。

目を離すと何をやらかすかわからない。

とりあず旦さんがじっと座って店番するようにと言いつけますがそれでも失敗ばかり。

次から次にやってくるお客様の対応が一気にしゃべってしまわなくてはならないほどセリフが長いのですが、それをそれをなめらか~~に一気にしゃべってしまうところが昔先代文枝師匠の「口入屋」の女中さんの習い事の御免状がどれだけあるかというところを思いだしました。

そしてお店のご寮さんがまた色っぽくそこも先代譲りかなと。

そしてよね吉さんの「幸助餅」。

この噺は「笑えない会」で初めておろされた噺だそうです。

私今年の「笑えない会」の感想を書くのをすっかり忘れておりました。(^▽^;)

この噺は西に住んでいる方は松竹新喜劇をご覧になった方はあ~~あの噺とピンとくるし、歌舞伎の好きな方ならあ~~という元々は芝居だったのを落語におろされたものです。

すっごくじ~~んとくるお噺で結構長くなりますのでまた続きは次回に。


三喬改メ七代目笑福亭松喬襲名披露公演

2017-10-12 17:44:41 | 落語
ヨーロッパ企画さんの舞台の後、大阪の松竹座で七代目笑福亭松喬さんの襲名披露公演に行ってきました。

おけいはんこと京阪電車と地下鉄と乗り継いで1時間半。

3時15分に終わって余裕と思っていたらかなりギリギリでした。(^_^;)



口上で東西の噺家の方々が集合されそれも楽しみの一つです。

今までの三喬さんと変わってしまうのだろうか?というさびしさと楽しみが混ざった気持ちで中に入りました。

春に歌舞伎を観て半年ぶりの松竹座。

交通のアクセスも便利でちょっとお食事するところもいっぱいで好きな劇場です。(^^)

まずお弟子さんの喬介さんの「犬の目」。
弟子入りしたら皆一番最初に稽古をつけてもらう噺だそうです。

目の調子が悪い男が眼医者に出掛けてとんでもなくありえない噺でオチが題名のごとしです。

そして兄弟弟子の生喬さんの「豊竹屋」浄瑠璃好きの人の日常まで浄瑠璃にしてしまう噺、生喬さんは声の良いかたでピッタリな噺です。

そしておめでたいのでお座敷芸の「かっぽれ」を踊られました。

噺家さんは踊りや鳴り物のお稽古は必須です。

そして東京からお越しの柳亭市馬さんの「片棒」。
どけちの大店の主が3人の息子がいますが誰が後継者に相応しいか自分の葬儀の出し方で探ります。

ここまでどけちか、能天気かの差が面白くこちらも市馬さんの気槍の声が素晴らしく良いものを見せていただきました。

お次は桂南光さんの「阿弥陀池」。
私、落語を生で観るのは初めてですが
枕で笑わせてすっと噺に入っていくところが良いなあと思いました。

そして口上、東西ずらっとそろった口上着物を着た鶴瓶さんを観たのは初めてであ~噺家さんの顔になってる~。

歌舞伎の口上は真面目な中にユーモアをしのばせたものって感じですが、噺家さんのは爆笑に次ぐ爆笑でちょっと亡くなられた先代の松喬さんの話でしんみりしたところもあり皆様に祝福されて良かったなあと。

市馬さんの相撲甚句がまた良いお声で西に来られたときは是非とも聴きに行きたいと思いました。

そして松喬さんの「三十石」。

大阪と京都を淀川で船で行き来していた頃の噺で笑福亭の豪快なカラーがよくわかる噺かなと。

川を下って6時間ぐらいの旅だそうですがその船のなかでいろんな人が乗っているから面白いこともありましてな噺です。

そういえば今日は私も京都から大阪に来たんだわと思いながら聴いておりました。

1時間半ではあんまりドラマになりそうにありませんね。(^^)

周りの方々のものすごい期待を背負われての襲名。

きっとご活躍されることと思います。


桂よね吉独演会 おまけ

2016-12-21 18:00:40 | 落語
写真が載せられなかったので。

京都芸術文化会館にあるカフェのオムライス。
美山の玉子を使ってるそうで私はケチャップライスの上にふわとろの玉子をのせるより玉子でライスをくるんだのが好きなので満足です。
お供のもぐらくんとパチリ。

今年の2月にトークショーで行ったホテルオークラさんのライトアップがきれいでした。

鳴海餅さんのお赤飯をおみやげに。


よね吉さんの20周年記念の写真集。
1000部作られたそうです。
サインしていただきました。

桂よね吉独演会(2)

2016-12-19 22:28:58 | 落語
中入りで15分休憩。

最初は桂阿か枝さんの「初天神」。

桂阿か枝さんは先代の桂文枝さんのお弟子さんです。

ストーリーは毎月25日に天神さんにお参りする男。

おかみさんはお参りだけじゃなくお参りにかこつけて遊ぶのだろうとお目付け役を兼ねて自分たちの息子、とらちゃんを連れて行けといいます。

このとらちゃんまあ口の達者なおませさん、父親もタジタジで勝てないほどです。

この2人のあ~~でもないこ~~でもないといいいながらの道中が楽しいのです。

阿か枝さんのおかみさんのなんとも言えない艶っぽさはは先代の文枝さんとよく似ているなあと。

前に書いたことで師匠と対面で口伝で教わるのですからそうだろうなあと。

そして「文七元結」。

これは歌舞伎のお好きなよね吉さんだからこその噺で前にも書かせていただきましたが年の瀬に左官の腕は良いのに博奕ですってんてんの長兵衛さん、借金のかたに道具箱まで質入れしてしまって半纏一枚の姿で帰ってくる始末。

家ではおかみさんが娘のおひささんがいないと大騒ぎ、そこへ「佐の槌」という置屋の女将さんが娘のおひささんが見るに見かねて自分を身売りしに来たというのです。

女将さんの厳しくも情け深い説得で心を入れ替えた長兵衛さんがおひささんの身売りの代金50両を懐にだかえて帰宅途中に浪速橋で身投げをしようとしている男と出会います。

その男はお店のもので売掛金50両をスリにすられて身投げしてお詫びしようとしていたのです。

そこで長兵衛さんとお店者のやり取りがいい話でジ~~ンとくるけれどクスッと笑うところもありという良いシーンなのです。

なぜ上方でこの噺がなかなかされないかというとどうしても江戸っ子のように宵越しの金は持たねえよという気質ではないからピンと来ないかなあと。

関西人はケチとか言われますが本当は死に金は使わない活きたお金ならポンと出す。

だからこの場合は女将さんも長兵衛さんも活きたお金の使い方をされているのだと思いました。


年の瀬に心が暖まって笑いとちょっと涙もろい噺が聞けて良かったです。

去年聞いた「中村仲蔵」と並んでよね吉さんならでは聞ける噺でした。