宮部みゆき著 文春文庫。
長いことお留守にしておりました。
今のご時世と仕事の事情で遠出もできずインドア生活を続けております。
桜もわが地元3月に急に暖かくなり一週間早くピークが来てしまい、4月はうってかわって朝など暖房が必要な冷えこみで近所の桜さえ見るのがおっくうになるほどでした。
そうなるとすることは読書とか録画消化になります。
読みたかったシリーズが文庫本になったのでさっそく買ってきて読みました。
文庫本の帯に「私立探偵杉村VS゙ちょっと困った女たち"」とありました。
前のシリーズでも杉村さんの周りには困った人ばかり集まるのにあえて困った女たちとは。
中編三作からなっており最初の中編「絶対零度」は読んだ後のジャリジャリと砂を噛んだような後味の悪さが残りました。
読んだときの背景が何年か前に某大学のスポーツクラブのことでクラブの先輩後輩の関係が良いところもあるけれど社会人なってもそれが続きクラブに口出ししてきていかがなものかというのがテレビで取り上げられていたのを思い出しました。
連載されていたのもその頃ではなかったのではないかと頭に浮かびました。
二編めの「華燭」はちょっとユーモアをちりばめてありました。
最後の本の題名となった「昨日がなければ明日もない」は最初の「絶対零度」より強烈で「困った女」レベルではなかったけどなぁというのが感想でした。
探偵の杉村さんは真っ当で優しすぎるぐらい優しい人で彼の周りには前職の行きつけのお店のマスターが杉村さんの近くでまた喫茶店を開いたりするぐらい慕われ彼の借家の大家さんも好い人でそういう人が集まってきますが、何故か近寄りたくない方々も引き寄せるなあと。
それは近寄りたくないない方々が杉村さんは嫌と言えない人だと本能的に見抜いて何とかしてもらおうとしているのではないかとこのシリーズを読むと思うのです。
また読んだ後にジャリジャリした後味は残っても続編が出たら読みたいと思います。