金魚cafe

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茂山狂言会

2015-04-07 23:15:37 | 狂言
ティム・バートンの世界を観た後で西宮まで茂山さんの狂言を観に行ってきました。



私が初めて茂山さんの狂言を観たのが西宮、もう毎年恒例のようになってきました。

兵庫県立芸術センターが10周年ということもあり演目もおめでたいものでした。



演目は「三本柱」、「仁王」、「釣狐」でした。

「三本柱」は果報者(お金持ちのこと)が家を新築するのに柱があと3本足らない、山に切った丸太が三本置いてあり、太郎冠者、二郎冠者、三郎冠者に取りに行くように命じます。
そのとき三本の柱を三人で二本ずつ持って帰るようにと謎解きのような条件を出します。

狂言では太郎冠者はいつも出てくる人物ですが、二郎冠者、三郎冠者まで登場するというのはこの果報者かなりの大金持ちのようです。

丸太をどうやって持って帰るか?試行錯誤するところをコミカルに演じ、そして果報者の条件をクリアできるのか?

とても縁起の良い一番でした。

続いて「仁王」、ある博奕打ち2人が博奕で負けて無一文になり、一人が「仁王様」に化けてお参りに来た人からのお供えを頂いてしまおうと企みます。
狂言では悪巧みはうまくいかずばれてしまうパターンなのですが、そこに行きつくまでの過程が面白かったです。

お参りに来た皆様本当の仁王さまだとありがたや~と拝むのですが、このときのお願い事はアドリブなのです。^^

演者の方のリアルなお願い事が面白く、「仁王様」に化けるため長時間同じポーズで動けないので結構体力勝負な曲だなあと。

そして「釣狐」狂言の世界では猿に始まり狐で終わると言われているそうで、「釣狐」の狐を演じて一人前だそうです。

あらすじは狐の世界で若い狐たちが猟師の罠に次々とかかり命を落としている、化けることのできる年取った狐が猟師の叔父で僧侶となっている伯蔵主という人に化けて狐を殺すと祟るぞと説得し、猟師に罠を捨てさせます、安心した狐が帰り道で罠を見つけてしまい~~。

これは猟師が急に叔父が訪ねてくることを怪しんで罠をしかけておいたわけです。

狐は罠にかかって捕まってしまうのか?

狐が人に化けるというのが見ている私たちにわかるように演じなくていけないし、狐の動きができなければならないしで、猿に始まり狐に終わるというのはこういうことだったのかとその難しさが私にも伝わってきました。

狂言というのは笑えるものなのですが、これはなんかシュールな感じで狐が気の毒な感じがいたしました。

時間はだいたい30分ぐらいずつでヨーロッパ企画さんの実験コメディでも30分ぐらいでしたから笑いというのは30分ぐらいの時間が丁度いいのかなとこれは今も昔も変わらないのでしょうか。

茂山狂言会千五郎古希祝賀春

2015-02-22 21:12:05 | 狂言
先週京都に行ったばかりですが、金剛能楽堂に狂言を観に行ってきました。

この日は暖かく快晴。

あ~~先週こんなお天気であればよかったのですが~まあ雨男さんがいたので仕方ないですね。

茂山一門の十三代目当主の千五郎さんの古希のお祝いの会ということでお豆腐の皆様総出の豪華な会でした。

開場は黒紋付きの皆様がお出迎えでお~~~っとなり。

さっそく席に。

実はチケット先行発売を電話で受け付けされていたのですが、なかなかつながらず発売開始30分でS席は完売、(T_T)A席になったのですが、これがよく見える席でしてラッキーでした。

狂言というのは古典芸能ですのでセリフなども昔の言葉遣いですが、それはなんとなく聞いていれば意味がわかってきますし、互いの間が絶妙なので楽しいです。

それに舞台セットもなしで2人、ないし3人でいきなり始まるという非常にシンプルなもので昔から決まった型にしたがって進んでいきます。

その型を崩さなければアドリブもOKと柔軟なところもありなので楽しいのです。

会話だけのやり取りや地謡と舞があるものバラエティに富んでいます。

まず福部の神という古希の祝いにふさわしいめでたく謡い舞うもの。

伯母ヶ酒という酒屋を営む伯母からただ酒を飲もうとして鬼の面をかぶり脅かしてお酒を頂きますが調子に乗って酔っ払いばれてしまうというコミカルなもの。

そして小舞、茂山家の六歳の鳳仁クンと慶和クンが舞います。

可愛らしくてオトナよりどうしても拍手が大きくなりますね。^^

惣八という元僧侶の料理人ともと料理人の僧侶が大名に抱えられてのコミカルなやり取り。
宗彦さん、逸平さん兄弟で息もぴったりです。
これはTVでお正月お父様の七五三さんと千五郎さん兄弟がされていましてまた一味違います。
ちょっとアクシデントもありでそれさえも笑いに変えてしまう、こういう柔軟なところがすごいなあと。

案外現代劇のほうがキッチリ台本どおりに進んでアドリブなんてよほどでないと入れないですね。

最後が四十一年ぶりに演じられる鶏猫。

ある大名の可愛がっていた猫がいなくなり、探せと言っているところに子供が猫はある男が打ち殺してしまったと伝えます。
それがなんとその子の父、なぜ自分の父を密告するようなことをするのか?
なぜ猫を殺してしまったのか?
これは人情話になっていまして、さっきまでの演目ががコミカルな吉本新喜劇ならばこれは人情ものを得意とする松竹新喜劇のようなそんな感じがいたしました。

そうなのだ~と思うと狂言って身近に感じるようになります。^^




よね吉・正邦ふたり会第三回笑えない会

2014-06-21 22:12:14 | 狂言
前回はじめて観に行かせていただいてハマってしまった笑えない会。

この会の趣旨は普段の公演で演じられないマニアックなものをやりたいと、年齢も近い落語家の桂よね吉さんと狂言の茂山正邦さんがはじめられたものです。

今他のジャンルとコラボというのは珍しくないですが、自分たちはあくまでも狂言は狂言、落語は落語と平行線のまま行こうじゃないかと。

どちらも起原は神社仏閣で道行く人に見せるものと始まったもの、どちらも時の権力者を皮肉った風刺的なとこがあることで共通点はあるのです。

最初のトークはやっぱりw杯のことでみなさん寝不足でいらしゃるようです。^^

最初が茂山正邦さんと弟の茂さんとで「連歌盗人」中世から江戸にかけて流行した連歌の会世話役になった2人がお金がないため用意ができません、それで知り合いのお金持ちの家に忍び込んで高価なものを盗んでたしにしようとしますがそこで高価な茶道具、掛け軸を観てつい句を読んでしまい帰ってきた主とてんやわんや。

どじで厚かましいところのある盗人2人がが憎めなくほほえましいのですが、結構めんどくさいな~。

さっさと逃げればよいのにとちょっとじれったくもありでこれが狂言ならではなのでしょうね。

ラストの正邦さんと茂さんの地謡が素晴らしいです。

マイクもなしで講堂に朗々と響く声に聞きほれてしまいます。

次が桂よね吉さんの「中村仲蔵」。

落語の枕でよね吉さんかなりの歌舞伎好きだということがわかり、4月に松竹座で観た私はそれだけでうれしくなっちゃいました。
ごひいきは中村時蔵さんと片岡仁左衛門さんが押しメンだそうで、かなり通われているようです。

京都には南座もありぴったりなお話でした。

最近歌舞伎を知った私はまだ知らないことがありまして、俳優さんも今もそうなのかわかりませんが、昔は楽屋が階級でわけられていたそうで名門の家に生まれなければいい役はもらえなかったそうです。

そんな中唯一名門の家の出ではないけれど名題になったのが中村仲蔵という役者さんで一度はあきらめて別の道に進んだのですが、芝居を止められなくて再び一から初めて名題になるまでというストーリーです。

実力があればよいのか?といわれれば出る杭は打たれるで風当たりもきつくいろんないやがらせをされたりしますが、芸のことは芸で返せと妻に励まされ(なんかどこでも倍返しなのかと)仮名手本忠臣蔵の斧定九郎という当たり役をつかむまでという上方の落語は笑いが多いのですがどちらかといえば人情話、笑いは少ないけれど話に入り込んでしまいました。

それからどうなるの?どうなるのドキドキさせられほろりとさせる。

歌舞伎の好きな人には聞いてほしいなあと思うお話でした。



京都芸術センターに入ってるカフェでナポリタン頂きました。^^

段田課長観てるといつもナポリタンを食べているので食べたくなってしまいました。

懐かしい味で美味しかったです。



京都芸術センターに行く前に佐々木酒造さんでちょっとお買い物をしました。

ポスター貼ってました~。

今日から公開ですものね。^^


伝統芸能の今2014(2)

2014-05-13 22:08:22 | 狂言
この前の続きです。

猿之助さんは「空破」と「風林火山」と創作舞踊を舞われまして、風林火山で演奏されたのが大河の音楽だったと忘れてました~~。

キャストとストーリーはインパクトあったんですが、オープニングは私の中で記憶に残ってなかったのです。^^;

風林火山を舞われた時にくるくると回転するところ、足をすりすりとさせる独特の動きが歌舞伎の四の切の狐さんの動きを思い出しました。

これは猿之助さんならではの舞なのでしょうか。

そして休憩を挟んでトークへと。



休憩時間にロビーで展示物を見たりしてまして、お花が届いてるな~、もしかして~と思ったのですが出演されてるTV局からのだけでした~。


トークでは向かって左から田中傳次郎さん、亀井広忠さん、猿之助さん、上妻宏光さん、茂山逸平さんとお座りになられて「物販担当の茂山逸平です。^^」「事務担当の田中傳次郎です。^^」とご挨拶亀井さんもなんとおっしゃったのか忘れまして~。^^;

やっぱり日にちを空けるといけませんね~。

記憶力が怪しいです。

今回で6回目ですが今日初めて観に来られた方いらっしゃいますか?と聞かれて多くの方たちが挙手されました。
初めては私だけじゃないんだとホッとしました。

最初にこの伝統芸能の今をやろうとした趣旨を説明されまして、それは最初に書いたとおりです。^^

いろんなジャンルの皆様が集まってコラボするといろいろ新しい発見があるそうで、逸平さんは津軽三味線で三番叟を舞うとは思わなかった、陰陽師の方も(萬斎さんでしょうね。^^)コラボされてるけど津軽三味線で三番叟を日本一踊ってると思う。それと逸平さんは地元京都なのに春秋座の出演は陰陽師の方のほうが出演回数多いと、そのトークにウケる猿之助さん。

今まででこんな珍しいところで公演をやったことがあるある話で、逸平さんはお茶室の三畳間、客席とも演者同士とも接近しすぎてなんともいえない雰囲気と、上妻さんはコロンビアの野外公演での出来事で治安が悪いところで日本人はよく誘拐されるので拳銃を持って常に周りを警戒するという厳重警備のなかで演奏されたとか、亀井さんはパリのお墓で猿之助さんは比叡山の野外で電灯に蛾が飛んできて舞台は蛾の死骸だらけ、おまけにお風呂のお湯がでなくて水風呂に入ってメークを落とさねばならなかったと。

舞台を見ている私たちは古典芸能の方々は音曲が流れれば舞えるものだと思っておりましたが、猿之助さんは謡はお経に聞こえる、逸平さんは三味線だと動けない、演奏する方々も能楽囃子方の亀井さんも三味線が能楽の謡なのだとわかるまでなかなか慣れない。

こういう話は普段聞けないのですごく興味深いです。

そして最後が狂言と歌舞伎のコラボの「石橋」。

滝の背景が描かれた石橋、おひげを生やした仙人役で逸平さんが渡ろうとしますが狭い幅と滝のせいでつるつる滑って渡りにくそうである、この橋のあたりは獅子が出没するので危険だ、獅子が来ぬうちに引き返そうと去っていきます。

そしてせりが上がって獅子の精の猿之助さんが登場。

パンフレットの写真のままです。

歌舞伎のお獅子が観れるなんて初めてのことなのでテンション上がりました。

蝶の精と戯れながら踊る獅子の精、衣装が豪華で鬣も非常に重そうですが軽やかに踊る猿之助さん。

蝶の精は新体操のリボンの幅の広いもの??をくるくると回しながら踊ります。

そのリボンが床に着かずにずっとくるくる回し続けておられます。

この方たちオリンピックに出られたらメダルとれるんじゃないの?というぐらい鮮やかでした。^^

猿之助さんも重そうな鬣を目が回らないのかしらと思うぐらいぶんぶん回しています。

観てるこちらはすご~いと拍手拍手です。

休憩時間を入れて2時間の公演でしたが伝統芸能をわかりやすく見せていただき、知らなかった他のジャンルもまた観たいと思う内容でした。

ずっと続けてほしいです。

そのためにはもっと多くの方に知っていただけるといいなと思います。



伝統芸能の今2014のコラボスイーツです。

さるパン、限定もなかサブレ、クッキー付のコーヒー、クッキー付きジュラ―ト。
クッキーは猿之助さんの写真がプリントされてます。
食べるのがもったいないくらいです。






伝統芸能の今2014

2014-05-11 23:21:29 | 狂言
京都芸術劇場春秋座に行ってまいりました。



この公演は伝統芸能の若手の方々が垣根をこえてコラボしながら小児がんの子供のため(治療のための心のケア、学習のサポート)、そして海外にワクチンを送り届けるため、私たちがチケットを購入することによってワクチンが人数分届けられるそうです。

20代からみんなで持ち寄りで集まってやってきた30代になってなにか自分たちでできることをと調べて子供たちのために何かできないだろうかとはじめられたそうです。

開場すると皆さんパンフレットを買うとその分募金になりますとさっそくパンフを求めました。



パンフには皆さんの名前が入った手拭いつきでした。

手前のピンバッジは猿之助さんが持っていた募金箱に募金するといただけました。

少しでもお役に立てればと思います。

出演者は津軽三味線の上妻宏光さん、狂言の茂山逸平さん、歌舞伎囃子方の田中傳次郎さん、能楽囃子方の亀井広忠さん、そして市川猿之助さんの5人。

まず最初は津軽三味線の上妻さん。

歌舞伎を観に行ったので三味線も聞いたことはありますが、津軽三味線を生で聞くのは初めてです。

歌舞伎の音曲の三味線が繊細な感じならば、こちらは北の厳しい寒さにも負けない力強い感じがいたしました。

そして狂言の茂山逸平さんとのコラボの三番叟、こちらは逸平さんのお子さんの初舞台の時に逸平さんが舞われたのを観ました。

そのときが鼓と笛、謡だけなんですが、三味線が入るとこれ三番叟だったよね?なんか違うと観ている方も舞う方も不思議な感じでした。

次が猿之助さんの創作舞踊で「空破」。

さっきの逸平さんの舞とはまた違う歌舞伎の舞。

前に講演で歌舞伎と狂言の違いというのを猿之助さんと茂山良暢さんとお話されていたときに歌舞伎は舞台の真ん中で狂言は舞台の端というかシテと脇でセンターは空いているそうなのです。

猿之助さんと逸平さんが舞われた時にその違いが出ていました。

逸平さんは舞台のセンターではあまり舞わず、猿之助さんは動きながらもセンターで。

そして逸平さんと猿之助さんどちらもスッと伸びた姿勢、指先までピンと伸びているのですが猿之助さんの手の動きは柔らかくしなやかです。

同じ伝統芸能で舞一つとってもこれだけ違うそれが一度に観れるのでいい体験をさせていただきました。

この後トークショーに入ります。

続きはまた明日にでも。