7月9日(土)三重県津市の、とある会場に集まった主だった顔ぶれをご紹介しましょう。
佐賀県知事 古川 康
新潟県三条市長 国定勇人氏
奈良県生駒市長 山下 真氏
三重県知事 鈴木英敬氏
津市長 前葉泰幸氏
鈴鹿市長 末松則子氏
三重県菰野町長 石原正敬氏
金融庁総務企画局審議官 居戸利明氏
以上の方々のほか、三重県議会議員、および大阪府吹田市議会議員の方々
自治体職員の皆さんは三重県の方々以外にも以下の地域から多数参加されました。
新潟県、埼玉県秩父市、志木市、東京都、横浜市、伊豆の国市、富士市、静岡県、金沢市、愛知県、名古屋市、蟹江町、岐阜県、奈良県、五條市、和歌山県、滋賀県、長浜市、日野市、京都市、大阪府和泉市、神戸市、兵庫県加古川市、播磨町、東広島市
このほか、企業の幹部、コンサルタント、報道関係者、大学教員など、北は北海道から南は九州まで、約130人の方々が、三重県津市の会場に集まりました。
佐賀県の古川知事には、玄海原発再開問題で極めて多忙の中、この会のために、わざわざ6時間かけて佐賀からお越しになり、30分間いらしゃって挨拶され、お帰りになりました。
このように全国から錚々たる自治体の首長や職員、企業幹部たちを集めたこの会とは、いったいどんな会だったのでしょうか
実はこの会は、三重県の一職員である山路栄一さん(下の写真)のON & OFFメールマガジン500号配信記念読者の集いだったんです。
山路さんは現在は三重県環境保全事業団の参事兼企画課長。2002年から、名刺交換をした人を中心にメルマガの毎週配信を開始されました。
「脱・お役所仕事」をめざして自治体職員の意識改革をしようというのがその目的。2003年には「自治体職員有志の会」を立ち上げました。めざすは「地方公務員」から「地宝向夢員」そして『知豊向夢員』へ。
内容は、自治体職員の意識改革に役立ちそうな、さまざまな著名人の言葉、山路さんが講演会で聞いた内容や、これと思う人に体当たりで面会を申し込んだインタビュー記事など。毎週毎週どうやっていろんな人の言葉を調べてこられるのだろうと感心させられます。
とにかく毎週毎週、メルマガを送り続けて9年間、この日が記念すべき500号配信の記念の集いだったんですね。配信数は徐々に増えていき、847件になっています。
私と山路さんとは、ずっと以前の私がまだ三重大産婦人科の若き医師だった頃にテニス仲間だったんです。それ以後、私が三重大の教授、学長になってからも親しくさせていただき、このメルマガの愛読者で、今回の読者の集いの発起人でもあり、挨拶をさせていただきました。
私は学長の時にブログを書き始めたのですが、最初はブログなんていったい何の役にたつだろうと思っていたんです。いつまで続けることができるのか自信がありませんでした。ブログを更新し続けるのはけっこうたいへんなんです。しかし、山路さんが毎週毎週、メルマガを送りつけてくるんですね。その継続力に励まされて、私も、ブログを一生懸命更新しました。
山路さん自身も、メルマガの配信を続けることには、山もあり谷もあったようです。周りの人から、無意味だと言われたり、批判されたりしたたようです。私にも個人的に相談があり、その都度周りを気にせずに継続されるよう励ましました。
私は、昨年4月に国立大学財務・経営センターの理事長に就任した時に、ブログを続けようかどうか迷ったんです。独法は、大学に比べると、しばりが大きいですからね。そんな時に、山路さんから毎週送られてくるメルマガは、ブログ継続の大きな励みになりました。
一公務員が、自分の意見を外に発信するということは、たいへんな困難を伴うことであると思います。ヒエラルキーの中に存在する人が、上司の許可を受けずに、外に自分の意見を発信することは、それなりの覚悟が必要です。まずいことを発信すれば、やめさせられることになるかも知れませんからね。かと言って公式見解ばかりを発信していても、読み手にとってはあまり意味のないことになります。
ヒエラルキーの中にいることをわきまえつつ、個人としての意見をどこまで周囲に伝えるか、ギリギリの判断が求められます。
それにしても、山路さんのメルマガ配信による組織の壁を超えた横のネットワーク力はたいしたものです。ネットワーク力は目に見えないし、お金に換算することもできません。しかし、自治体の一人の課長のために、佐賀県知事をはじめ、錚々たる面々が全国から実際に集まったという事実は、ネットワーク力がいかに大きな力をもっているのかということを明らかに証明することになったと思います。
山路さん、1000号配信を楽しみにしていますよ。