1月24日、鳥取大病院の視察を終え、JRで夕方米子から出雲へ移動。駅の近くのホテルに泊まりましたが、さっそく駅のすぐそばにある「ランプの湯」という温泉へ。寒い季節には温泉は欠かせませんね。
25日10時に島根大病院を訪問。病院長の小林祥泰さん、事務部長の日出充一さんが出迎えてくれました。
島根大病院の業務改善の取り組みは数多くあり、2008年にも2事例を取り上げさせていただいています。(”第三者評価機関による「働きやすい病院」の機能評価の認証”、および ”プライバシーマーク(JISQ 15001)の取得”)
http://www.zam.go.jp/pdf/00000147.pdf
今回は「汚水排水量測定による下水道料金の削減」と「入院総合相談室設置による早期退院支援」の2つの取り組みです。
私も知らなかったのですが、下水道料金は給水量から減免申請分(たとえば防火用水や冷却水など)を差し引いた水量を汚水量と見なして算定されているとのこと。今回、汚水量の実測調査をしたところ汚水量が少なくなることが判明し、その結果下水道料金が削減できたというもの。(年間200万円以上の節約)
次は「入院総合相談室」の取り組み。
今までは、患者さんの退院の計画を立てる段階になって、早期退院を阻害する各種の問題を抱えていることが分かることがあり、それが退院が遅くなる一つの原因。より早い段階でメディカル・ソーシャルワーカー(MSW)による退院支援の必要性を把握し、患者さんの不安解消、在院日数の短縮を図るために「入院総合相談室」を外来に設置。相談室では入院の前(緊急入院の場合は翌日)に、退院支援が必要な患者さんかどうかのスクリーニングを行い、その情報を共有。
その結果、患者さんに不安や不満を与えることなく、在院日数の短縮が達成されたとのことです。
これら2つの取り組み事例以外にも、たとえば、「災害対応の外来患者用立体駐車場の設置」や「ネゴーシエーター支援による医療材料費削減」、「防災ヘリコプターによる救急医療の開始」など参考になる取り組みを8事例も提出していただきました。
また、島根大病院は現在再開発の最中で、6月に増築された新病棟が完成する予定です。内装工事中の建物を見学させていただきました。さまざまな工夫がなされており、今後再開発を進めようとしている大学病院には参考になると思います。機会があれば、完成された暁に再度訪問したいと思っています。
加えて、懸案だった7対1看護が近々達成できるとのことで、これをきっかけにいっそうの経営改善に弾みがつくものと思われました。ちなみに看護師さんの募集にはほんとうに苦労したとおっしゃっていました。
今回、鳥取大病院と島根大病院の二つを訪問させていただきましたが、教育・研究・高度医療、そして地域医療の最期の砦という大学病院の使命を果たすために、両大学jの粘り強い経営改善に取り組む姿勢を感じさせられた二日間でした。