十日ほど前のことですが、ほぼアイスランド中をストームのような荒天が襲いました。15日、16日が特にひどかったのですが、その前後もかなりの強風が続いた地域もあったようです。
ストームのような、と言いましたが実際にこれはストームであることもあります。厳密にどういうものがストームと呼ばれるのか知らないのですが「明日の夜から次の日の朝にかけて非常な強風になるので、不必要な外出は控えるように」などと予報が出るので、きちんと予想できるもののようです。
かといって台風のように今どこに中心があるのか、どっちへ進むのか、というように具体的には天気図には現れません。ワタシ的はこのアイスランド的荒天はゴーストストームとも呼びたくなるものです。
「アイスランドの荒天なんていつものことでブログで扱う必要もないだろう」と思われるかもしれませんが、知っておいても損はないという面がまだ多少ありますので。
先日の強風では東海岸沿いの町、ハマルスフョルズルでは瞬間風速で秒速71mという猛烈な風を記録しました。この付近や南部海岸沿いのフリョートスクヴェルフィ辺りでは国道が少なからず損傷を受けました。
田舎の国道では積雪の中でも道路を示すために、道路の両側に背の高い(雪に埋もれてしまわないように)反射版付きのポールが並んで立っているのですが、これが強風で軒並み破損してしまったとのことです。
屋根が飛んだりする家屋の損害もかなり出たようです。また車のボデイが飛んで来る小石などでメタメタになった、という珍妙な?被害もあったようです。ジープのレンタル会社などでは冗談事ではない損害になってしまったとのこと。
北東部のヨクルダールルという地域には羊の放牧地があるのですが、ここでは雪も降り、羊はまだ全てを集め終わっていなかったため、昨年のゲリラ雪悲劇の二の舞かと酪農家は青くなりました。問題は雪だけではなくこの強風。羊の保護活動がほとんど行えなかったことです。
天候が納まるまでは羊たちの状況も定かでなかったようで、結局天候が納まってみると数百匹の羊が不明になっているとのことです。ただ今回は昨年のように雪に埋まってしまったわけではないようで、文字通りの行方不明ということのようです。どこかに無事に身を寄せてくれていればいいのですが。
アクレイリ近郊のスールル山
行方不明になったのはメーちゃん達だけではありませんでした。北の街アクレイリにはスールルという名前のハイキングに人気のある山があります。標高1144メートルで登山道もあり、往復7時間程度というコースなのですが、頂上まで行かなくても楽しめるお手軽ハイキングコースだということです。(スミマセン、ワタシは行ったことありません)
この山でポーランドから遊びに来ていた女の子が遭難、行方不明になってしまったのです。レスキュー隊が出動し懸命に捜索しましたがなかなか見つからず。羊たちの場合と同様で、ものすごい荒天の故に捜索活動がままならなかったとのこと。
結局、相当な時間が経ってから女の子は救出されました。幸い無事。翌日のニュースで取材を受けた女の子は「気楽に行けるコースと聞いていたし、それほど天気は悪くなかったので登り始めました。天気が悪くなったらすぐ引き返せると思ったし。でも天気があっという間に変ってしまい、風雪で5メートル先くらいしか前が見えなくなって、戻る道さえ分からくなってしまいました」。
最後に、よく天候とかを確かめずに登り始めたことを「自分でもバカな判断をしたと思う」と反省していました。
この女の子の遭難騒ぎにはまだ後日談がありますので、それはまた次回。
さて、最後に今回のブログのメッセージです。これからアイスランドへお出かけの方もいらっしゃると思いますが、アイスランドの天気は日本の山の天気と思ってください。
同じ天気は長続きせず、今暖かくとも陽が陰れればあっというまに野外冷蔵庫になります。天候を信じず、油断せず、十分に備えて敬って下さい。そうすれば天候に全てを支配されきれないで最後の勝利を得られるでしょう!
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
ストームのような、と言いましたが実際にこれはストームであることもあります。厳密にどういうものがストームと呼ばれるのか知らないのですが「明日の夜から次の日の朝にかけて非常な強風になるので、不必要な外出は控えるように」などと予報が出るので、きちんと予想できるもののようです。
かといって台風のように今どこに中心があるのか、どっちへ進むのか、というように具体的には天気図には現れません。ワタシ的はこのアイスランド的荒天はゴーストストームとも呼びたくなるものです。
「アイスランドの荒天なんていつものことでブログで扱う必要もないだろう」と思われるかもしれませんが、知っておいても損はないという面がまだ多少ありますので。
先日の強風では東海岸沿いの町、ハマルスフョルズルでは瞬間風速で秒速71mという猛烈な風を記録しました。この付近や南部海岸沿いのフリョートスクヴェルフィ辺りでは国道が少なからず損傷を受けました。
田舎の国道では積雪の中でも道路を示すために、道路の両側に背の高い(雪に埋もれてしまわないように)反射版付きのポールが並んで立っているのですが、これが強風で軒並み破損してしまったとのことです。
屋根が飛んだりする家屋の損害もかなり出たようです。また車のボデイが飛んで来る小石などでメタメタになった、という珍妙な?被害もあったようです。ジープのレンタル会社などでは冗談事ではない損害になってしまったとのこと。
北東部のヨクルダールルという地域には羊の放牧地があるのですが、ここでは雪も降り、羊はまだ全てを集め終わっていなかったため、昨年のゲリラ雪悲劇の二の舞かと酪農家は青くなりました。問題は雪だけではなくこの強風。羊の保護活動がほとんど行えなかったことです。
天候が納まるまでは羊たちの状況も定かでなかったようで、結局天候が納まってみると数百匹の羊が不明になっているとのことです。ただ今回は昨年のように雪に埋まってしまったわけではないようで、文字通りの行方不明ということのようです。どこかに無事に身を寄せてくれていればいいのですが。
アクレイリ近郊のスールル山
行方不明になったのはメーちゃん達だけではありませんでした。北の街アクレイリにはスールルという名前のハイキングに人気のある山があります。標高1144メートルで登山道もあり、往復7時間程度というコースなのですが、頂上まで行かなくても楽しめるお手軽ハイキングコースだということです。(スミマセン、ワタシは行ったことありません)
この山でポーランドから遊びに来ていた女の子が遭難、行方不明になってしまったのです。レスキュー隊が出動し懸命に捜索しましたがなかなか見つからず。羊たちの場合と同様で、ものすごい荒天の故に捜索活動がままならなかったとのこと。
結局、相当な時間が経ってから女の子は救出されました。幸い無事。翌日のニュースで取材を受けた女の子は「気楽に行けるコースと聞いていたし、それほど天気は悪くなかったので登り始めました。天気が悪くなったらすぐ引き返せると思ったし。でも天気があっという間に変ってしまい、風雪で5メートル先くらいしか前が見えなくなって、戻る道さえ分からくなってしまいました」。
最後に、よく天候とかを確かめずに登り始めたことを「自分でもバカな判断をしたと思う」と反省していました。
この女の子の遭難騒ぎにはまだ後日談がありますので、それはまた次回。
さて、最後に今回のブログのメッセージです。これからアイスランドへお出かけの方もいらっしゃると思いますが、アイスランドの天気は日本の山の天気と思ってください。
同じ天気は長続きせず、今暖かくとも陽が陰れればあっというまに野外冷蔵庫になります。天候を信じず、油断せず、十分に備えて敬って下さい。そうすれば天候に全てを支配されきれないで最後の勝利を得られるでしょう!
応援します、若い力。Meet Iceland
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