アイスランドは夏を迎えています。レイキャビク周辺ではここ二週間ほど「熱波」が滞在してくれていて、毎日十二、三度はあるような暖かい日が続いています。
ここのところ数年、寒〜い六月だったような気がしますので、私としては嬉しい限りです。「六月の半ばで気温が七度」とかいうのをFacebookで証拠写真付きでアップしたことを覚えていますから。
この時期になりますと、夏休みに出かけるアイスランド人も多くなります。現在サッカーの欧州カップがフランスで開催されていますが、アイスランドは史上初めて参加しています。
当然大勢のアイスランド人が応援に駆けつけていっています。今月十日のモルグンブラウジズ紙のニュースによると、二万七千人がフランスへ行っているそうで、これはなんと国民の8%に当たります。
出て行く人が多い半面、ツーリスト数も夏期には増加します。最近久しぶりにダウンタウンを歩く機会があったのですが、本当に外国人が多いのでびっくりしました。そういう時には自分が外国人であることはコテッと忘れています。
先週十六日の同じくモルグンブラウジズ紙にツーリスト増加の記事が出ていました。それによると、ツーリストの増加は何も夏期に限らないようで、今年は一月から四月まで軒並み数が増加しています。
正確に言うと過去二年四ヶ月の間、ある月のツーリスト数が前年の同じ月の数を上回らなかったことはありません。
ちょっと例を挙げましょう。数字が多くなりますので、ここからはアラビア数字を使いますね。2015年の10月のツーリスト数は10.448人で前年の7.181人から45%の大幅増。11月は9.150人で前年の6.500人から40%増。12月。9.445人は前年からの45%増となっています。
今年に入り1月ですが、ツーリスト数は11.657人で昨年一月の7.277人を大きく上まわりました。なんと60%アップですよ。2月。13.157人は前年から5.189人多くなり、これは65%アップ。
しつこく3月。15.044人は昨年の同月の9.789人を5.255人上回り、53%の増加。そして4月。14.613人で対昨年比57%増加しています。5月以降はまだ統計が発表されていないようです。
日本の皆さんに注意していただきたいことは、これが起こっている土台の国が人口僅か32万人の国だということです。このスピードでツーリストが増え続けているのですから、いくら建てまくってもホテルが足りないのはわかる気がします。
ホテルが足りない、ということは宿泊料金が軒並み高くなるということです。経済学の初歩ですね。観光スポットでのトイレや、危険な場所での安全対策等も後手後手に回るのも仕方ない面があるように思われます。
敢えてアイスランドに観光に来ることを考えられている方がありましたら、その辺の事情を咀嚼した上で至らない点に腹を立ててください。お願いします。(^-^;
アイスランド大学の経済学部長を務めるアウスゲイル·ヨウンスソン教授の話によりますと、今年のツーリスト増加には特徴があり、それはアメリカ合衆国、つまりUSAからのツーリストが急増しているのだそうです。
今年のアメリカからのお客さんは、対昨年比でここまでのところ67,5%の増加だとか。去年100人来たところが、今年は166人ということですからね、これは確かに大きな伸びですね。
経済学の教授であるアウスゲイルさんの分析は続きます。
「アメリカ人ツーリストの増加の背景には、米ドルが比較的高いレートを保っていることがあると思われます」
さらに「アメリカ人の夏期休暇の取り方として、『短い休暇を贅沢に過ごす』ということが挙げられます。つまり、ツーリストとしてそれだけ多くのお金を落としていってくれるわけです」
つまり、お迎えするアイスランドとしては願ったり、叶ったりのお客さんということになります。この点、数年前にこちらのツアー業界から苦言を呈されていた、ノルウェーなどからの「テント、食料持参のケチな観光客」とは大違いということですね。
「さらにこの増加に拍車をかけているのは、アイスランドとアメリカの諸都市を結ぶ航空便が増えていることだと考えられます。アメリカという大国を考えた場合、これは何百万というツーリスト候補生を生み出してくることを意味しています」とアウスゲイル教授。
観光業が経済を支えてくれるのがありがたいことですが、受け入れ態勢の整備の遅れは事実ですし、こちらの人々の福利厚生(例えば住居不足)へのマイナス効果も深刻になっています。
国の指導者には、目先の利益に飛びつかないで、多少長い目でものごとを見てくれるよう願いたいものです。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
ここのところ数年、寒〜い六月だったような気がしますので、私としては嬉しい限りです。「六月の半ばで気温が七度」とかいうのをFacebookで証拠写真付きでアップしたことを覚えていますから。
この時期になりますと、夏休みに出かけるアイスランド人も多くなります。現在サッカーの欧州カップがフランスで開催されていますが、アイスランドは史上初めて参加しています。
当然大勢のアイスランド人が応援に駆けつけていっています。今月十日のモルグンブラウジズ紙のニュースによると、二万七千人がフランスへ行っているそうで、これはなんと国民の8%に当たります。
出て行く人が多い半面、ツーリスト数も夏期には増加します。最近久しぶりにダウンタウンを歩く機会があったのですが、本当に外国人が多いのでびっくりしました。そういう時には自分が外国人であることはコテッと忘れています。
先週十六日の同じくモルグンブラウジズ紙にツーリスト増加の記事が出ていました。それによると、ツーリストの増加は何も夏期に限らないようで、今年は一月から四月まで軒並み数が増加しています。
正確に言うと過去二年四ヶ月の間、ある月のツーリスト数が前年の同じ月の数を上回らなかったことはありません。
ちょっと例を挙げましょう。数字が多くなりますので、ここからはアラビア数字を使いますね。2015年の10月のツーリスト数は10.448人で前年の7.181人から45%の大幅増。11月は9.150人で前年の6.500人から40%増。12月。9.445人は前年からの45%増となっています。
今年に入り1月ですが、ツーリスト数は11.657人で昨年一月の7.277人を大きく上まわりました。なんと60%アップですよ。2月。13.157人は前年から5.189人多くなり、これは65%アップ。
しつこく3月。15.044人は昨年の同月の9.789人を5.255人上回り、53%の増加。そして4月。14.613人で対昨年比57%増加しています。5月以降はまだ統計が発表されていないようです。
日本の皆さんに注意していただきたいことは、これが起こっている土台の国が人口僅か32万人の国だということです。このスピードでツーリストが増え続けているのですから、いくら建てまくってもホテルが足りないのはわかる気がします。
ホテルが足りない、ということは宿泊料金が軒並み高くなるということです。経済学の初歩ですね。観光スポットでのトイレや、危険な場所での安全対策等も後手後手に回るのも仕方ない面があるように思われます。
敢えてアイスランドに観光に来ることを考えられている方がありましたら、その辺の事情を咀嚼した上で至らない点に腹を立ててください。お願いします。(^-^;
アイスランド大学の経済学部長を務めるアウスゲイル·ヨウンスソン教授の話によりますと、今年のツーリスト増加には特徴があり、それはアメリカ合衆国、つまりUSAからのツーリストが急増しているのだそうです。
今年のアメリカからのお客さんは、対昨年比でここまでのところ67,5%の増加だとか。去年100人来たところが、今年は166人ということですからね、これは確かに大きな伸びですね。
経済学の教授であるアウスゲイルさんの分析は続きます。
「アメリカ人ツーリストの増加の背景には、米ドルが比較的高いレートを保っていることがあると思われます」
さらに「アメリカ人の夏期休暇の取り方として、『短い休暇を贅沢に過ごす』ということが挙げられます。つまり、ツーリストとしてそれだけ多くのお金を落としていってくれるわけです」
つまり、お迎えするアイスランドとしては願ったり、叶ったりのお客さんということになります。この点、数年前にこちらのツアー業界から苦言を呈されていた、ノルウェーなどからの「テント、食料持参のケチな観光客」とは大違いということですね。
「さらにこの増加に拍車をかけているのは、アイスランドとアメリカの諸都市を結ぶ航空便が増えていることだと考えられます。アメリカという大国を考えた場合、これは何百万というツーリスト候補生を生み出してくることを意味しています」とアウスゲイル教授。
観光業が経済を支えてくれるのがありがたいことですが、受け入れ態勢の整備の遅れは事実ですし、こちらの人々の福利厚生(例えば住居不足)へのマイナス効果も深刻になっています。
国の指導者には、目先の利益に飛びつかないで、多少長い目でものごとを見てくれるよう願いたいものです。
応援します、若い力。Meet Iceland
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