暖かくわりと静かな冬を過ごしていたアイスランドですが、先週の後半、金曜日には久々の「バイキングウェザー」となりました。強風に雪、みぞれ、あられなどが地域ごと、時間ごとに加味されたようです。
前日の木曜日から気象局が荒天の警報を出していましたので、私なんぞはもう自宅勤務を決め込んで、アポなどを変更していましたが、そういうことのできない仕事の皆さんは、さぞかし大変な一日だったろうとお察し申し上げます。
仕事を捜している難民申請者の若者の手伝いをしているのですが、彼はバスで40分ほどの郊外に滞在しています。「明日はひどい天気になるらしいから、町には出てこないように」と言ってあったのですが、実際には私の自宅では午前中はそんなにひどい天気には感じられず「ありゃ、早まったかな」と思いました。
ところがネットでニュースを開いてみると朝からあちらこちらでトラブルが続発していることが判明。隣りの町のコーパヴォーグルでは、建築現場の大型クレーンが強風で倒壊する恐れがある、とかで近辺の道路が封鎖。
ともかく秒速20メートルから30メートルを記録する場所がそこらにいっぱい出てきてあちらこちらで道路が「通行不能」として封鎖されました。後のニュースによりますと、この大規模な道路閉鎖は、「ヴェーガゲルジィン」という国土交通省の下部機関のようなところが判断したものだそうです。
普通は本当に「通行不能」になってから閉鎖を実施するのだそうですが、今回は放っておくと大きな事故や被害が予想されるClear & Present Danger が存在したことによったようです。「一般の人の通行の自由を侵害することになるのはよく承知している」と担当者は語っていました。このような「転ばぬ先の杖」の施策は二年前に次いで二回目とのこと。
また、空の足も国内線は全部キャンセルされ、国際便でも欠航または遅延が相次いだようです。
閉鎖道路を通知するニュース
Myndin er ur Visir.is
南海岸の沖にあるヴェストマン諸島では、なんと秒速50メートル以上が記録されたそうです。海岸沿い、そして「ハイランド」と呼ばれる人が住んでいないアイスランド内部の高原地帯では風の力がまったく違います。
(というのは数字を見てのことであって、実際にそこで強風を体験したことはありませんが。ワイルドなアウトドアは苦手なもんで。考えてみれば、トロピカルカクテルを飲みながら海辺の水着美女を眺めるのが大好き、というワタシのような者が、アイスランドに住んでいるというのは「不適材不適所」の見本なような気もします)
脱線しました。町中では、特に雪の降った高台の地域を中心にして、多くの車が雪にはまってしまい動けなくなりました。
全部のニュースをまとめたわけではないのですが、田舎のあちらこちらでは(「田舎」というのはレイキャビク近郊以外のすべてですが)相当数の「走行中」の車が、風で道路から吹き飛ばされて道を外れました。
強風に雪などが巻き上げられ、視界がゼロ化したところも多かったようで、その故の立ち往生車もかなりあったようです。
ヴァトナヨクトゥル氷河の近くのフレイスネスでは十五人の乗客を乗せたバスが強風に煽られて、道路外に転落しました。
ここのところ毎度のことなのですが、こういうようなトラブルに巻き込まれてしまう人の多数が外国からのツーリストの人たちです。地元の人は警報に注意を払っていますし、加えてある程の「経験」があります。
ツーリストの人たちは、警報には気がつかないこともあるでしょうし、また日程の都合からついつい無理をしても進もうとしてしまうこともあるでしょう。ですが、何度も繰り返して言ってきたことですが、アイスランドの天候は山の天気です。特に車の運転には意を払っていただきたいと思います。
幾つかの学校のような公共施設が「シェルター」として立ち往生の人たちに開かれています。ただ、その場合にはそこへ水や食べ物、寝具などを提供するために多くの人が働かなければなりません。道を外れた車から人を移動するに関しても同様です。
避けえない状況でトラブルに巻き込まれることもありますし、そのような場合に救援を送るのは当然のことでしょうが、十分に警報がなされている中で、敢えて台風の中に飛び込んでいくような向きには、私は首を傾げざるをえないですね。
強風を警告する天気図
Myndin er ur Vedur.is
当局もこの「外国人旅行客トラブル」の頻繁さは認識しており、荒天についての周知徹底や、危険を伴う観光スポットでの安全対策の徹底などを、観光業関係者に強く求めているようです。
そうした対策の中のひとつが、外国からのツーリストの人たちがちゃんと理解できる形で情報を提供しよう、ということであり、英語やその他の言語での警報やニュースを発信するようになってきています。
で、私が思うのには、このことが実はアイスランド社会のこれまでの基盤を、大きく変えつつある要素になってきています。あるいは基盤がおおきく変わりつつあることの現れ、と言ってもいいのかもしれません。
その点は、また機会を改めて書いてみたいと思います。
*******
そして来ました、日曜朝のドカ雪。市街地一部では51cmの降雪で、これは二月の降雪量の新記録だそうです。
レイキャビクの最多降雪量は1937年一月の55センチだそうです。
「みんな、車で出かけようなどと考えずに、なるべく自宅にいるように」と警察が「泣き」の呼びかけをしています。(^-^;
Myndin er ur RUV/Steinunn Thorhallsdottir
********
青空の広がる良い天気の日曜日です。気温はマイナス1ー2度ですが、人々が通りへ出てきて雪かきを汗だくになってやっています。
あちこちに動けなくなった車が取り残されています。
レスキュー隊のスポークスマン、ソルステインさんはラジオのインタビューに答え「レスキュー隊は、夜通しで病院などへの道の確保に努めてきた。自宅の前の車を引っ張り出すのは我々の仕事ではありません」とコメント。
「私自身、今、自分の車を雪の下から掘り出そうとしているんです。これが自分の車であることを願いますよ。みんな、どの雪の小山の下に自分の車があるか、わかりませんからね」ごもっとも。
Myndin er eftir Bjorgu Palsdottur
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
前日の木曜日から気象局が荒天の警報を出していましたので、私なんぞはもう自宅勤務を決め込んで、アポなどを変更していましたが、そういうことのできない仕事の皆さんは、さぞかし大変な一日だったろうとお察し申し上げます。
仕事を捜している難民申請者の若者の手伝いをしているのですが、彼はバスで40分ほどの郊外に滞在しています。「明日はひどい天気になるらしいから、町には出てこないように」と言ってあったのですが、実際には私の自宅では午前中はそんなにひどい天気には感じられず「ありゃ、早まったかな」と思いました。
ところがネットでニュースを開いてみると朝からあちらこちらでトラブルが続発していることが判明。隣りの町のコーパヴォーグルでは、建築現場の大型クレーンが強風で倒壊する恐れがある、とかで近辺の道路が封鎖。
ともかく秒速20メートルから30メートルを記録する場所がそこらにいっぱい出てきてあちらこちらで道路が「通行不能」として封鎖されました。後のニュースによりますと、この大規模な道路閉鎖は、「ヴェーガゲルジィン」という国土交通省の下部機関のようなところが判断したものだそうです。
普通は本当に「通行不能」になってから閉鎖を実施するのだそうですが、今回は放っておくと大きな事故や被害が予想されるClear & Present Danger が存在したことによったようです。「一般の人の通行の自由を侵害することになるのはよく承知している」と担当者は語っていました。このような「転ばぬ先の杖」の施策は二年前に次いで二回目とのこと。
また、空の足も国内線は全部キャンセルされ、国際便でも欠航または遅延が相次いだようです。
閉鎖道路を通知するニュース
Myndin er ur Visir.is
南海岸の沖にあるヴェストマン諸島では、なんと秒速50メートル以上が記録されたそうです。海岸沿い、そして「ハイランド」と呼ばれる人が住んでいないアイスランド内部の高原地帯では風の力がまったく違います。
(というのは数字を見てのことであって、実際にそこで強風を体験したことはありませんが。ワイルドなアウトドアは苦手なもんで。考えてみれば、トロピカルカクテルを飲みながら海辺の水着美女を眺めるのが大好き、というワタシのような者が、アイスランドに住んでいるというのは「不適材不適所」の見本なような気もします)
脱線しました。町中では、特に雪の降った高台の地域を中心にして、多くの車が雪にはまってしまい動けなくなりました。
全部のニュースをまとめたわけではないのですが、田舎のあちらこちらでは(「田舎」というのはレイキャビク近郊以外のすべてですが)相当数の「走行中」の車が、風で道路から吹き飛ばされて道を外れました。
強風に雪などが巻き上げられ、視界がゼロ化したところも多かったようで、その故の立ち往生車もかなりあったようです。
ヴァトナヨクトゥル氷河の近くのフレイスネスでは十五人の乗客を乗せたバスが強風に煽られて、道路外に転落しました。
ここのところ毎度のことなのですが、こういうようなトラブルに巻き込まれてしまう人の多数が外国からのツーリストの人たちです。地元の人は警報に注意を払っていますし、加えてある程の「経験」があります。
ツーリストの人たちは、警報には気がつかないこともあるでしょうし、また日程の都合からついつい無理をしても進もうとしてしまうこともあるでしょう。ですが、何度も繰り返して言ってきたことですが、アイスランドの天候は山の天気です。特に車の運転には意を払っていただきたいと思います。
幾つかの学校のような公共施設が「シェルター」として立ち往生の人たちに開かれています。ただ、その場合にはそこへ水や食べ物、寝具などを提供するために多くの人が働かなければなりません。道を外れた車から人を移動するに関しても同様です。
避けえない状況でトラブルに巻き込まれることもありますし、そのような場合に救援を送るのは当然のことでしょうが、十分に警報がなされている中で、敢えて台風の中に飛び込んでいくような向きには、私は首を傾げざるをえないですね。
強風を警告する天気図
Myndin er ur Vedur.is
当局もこの「外国人旅行客トラブル」の頻繁さは認識しており、荒天についての周知徹底や、危険を伴う観光スポットでの安全対策の徹底などを、観光業関係者に強く求めているようです。
そうした対策の中のひとつが、外国からのツーリストの人たちがちゃんと理解できる形で情報を提供しよう、ということであり、英語やその他の言語での警報やニュースを発信するようになってきています。
で、私が思うのには、このことが実はアイスランド社会のこれまでの基盤を、大きく変えつつある要素になってきています。あるいは基盤がおおきく変わりつつあることの現れ、と言ってもいいのかもしれません。
その点は、また機会を改めて書いてみたいと思います。
*******
そして来ました、日曜朝のドカ雪。市街地一部では51cmの降雪で、これは二月の降雪量の新記録だそうです。
レイキャビクの最多降雪量は1937年一月の55センチだそうです。
「みんな、車で出かけようなどと考えずに、なるべく自宅にいるように」と警察が「泣き」の呼びかけをしています。(^-^;
Myndin er ur RUV/Steinunn Thorhallsdottir
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青空の広がる良い天気の日曜日です。気温はマイナス1ー2度ですが、人々が通りへ出てきて雪かきを汗だくになってやっています。
あちこちに動けなくなった車が取り残されています。
レスキュー隊のスポークスマン、ソルステインさんはラジオのインタビューに答え「レスキュー隊は、夜通しで病院などへの道の確保に努めてきた。自宅の前の車を引っ張り出すのは我々の仕事ではありません」とコメント。
「私自身、今、自分の車を雪の下から掘り出そうとしているんです。これが自分の車であることを願いますよ。みんな、どの雪の小山の下に自分の車があるか、わかりませんからね」ごもっとも。
Myndin er eftir Bjorgu Palsdottur
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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しかし、車を飛ばすような風・・・大変ですね・・・
バスが通るような幹線から除雪は始まりますし、かなりスムースに進みます。住宅地は後回しにされるので、数日はかかりますね。
特に旧市街は通りが狭く、小型の除雪車しか入れないところが多いので、雪が根雪化してしまうことが多いです。車のタイヤの轍がついてしまうと、そこから抜けるのが難しくなったりして困ります。