続「とのむら通信」ブログ版

前島本町議会議員・外村敏一(平成29年4月29日付けで引退)
日々の思いや議会傍聴の感想など引き続きお伝えします。

昨今の経済界やメディアへの政治関与について思う

2015年04月18日 | 日々の思い


昨日政権与党である自民党がNHKとテレビ朝日を呼んで「事情聴取した」という事実が波紋を呼んでいる。
今回特に気に入らないのは「NHKのクローズアップ現代」での「やらせ」疑惑とTV朝日での古賀氏の件を
抱き合わせにして事情聴取したことである。この二つの事案は全く異質であると私は思っている。
クローズアップ現代での問題は「やらせ」があったのではないか?という疑いで、これは真実でないことをあたかも
事実であるかのように報道したとすれば放送法や放送倫理に抵触であろう。
ところがTV朝日の件は、古賀氏が番組内で発言した内容が事実に基づいているのか否かの問題であり、あくまでも
コメンテートした古賀氏個人の問題である。にも拘わらず放送局の幹部を呼びつけている点が大きな問題で、これは
正に便乗してのメディアに対する政治的介入や無言の圧力であると受け取られても仕方ないことであろう。
せめて事前に古賀氏に詳しく事情を聴いた上で放送局側の対応にも問題があったと判断したなら一定の理解もするが。
これでは報道に携わるコメンテータやジャーナリスト達が政権政党に対して意見や苦言を呈することもはばかられる。
以前ジャーナリストである鳥越俊太郎氏の講演でも「厳しいものがある」と聞いたことがある。少なからずあるのでしょう。

何れにしても最近の政権与党の政治的関与はメディア界に留まらず、経済産業界に対する公然とした賃上げ要請、公的
資金による株式市場への過度な関与など多方面に亘っている点は言論や報道の自由を圧迫し、現場の萎縮をもたらす懸念や
自由主義経済における市場性を歪めることになるのではないかと懸念している。

アベノミクスという言葉の光の部分だけに酔いしれている内はいいが醒めたら大変なことになりはしないか。
そろそろ出口戦略を真剣に考え、実行に移さないといけない時期にきていると識者は警告している。

今や日本の65歳以上の高齢者人口は3300万人、高齢者比率は26%と実に4人に1人以上となり、益々生産年齢人口が
減って行く右肩下がりの時代に借金に次ぐ借金を重ね、世界でも類をみない突出した借金大国がいつまでも続く筈がない。
今さえ良ければ後はどうなっても知らん。こんな政治家には早く退場して貰いたい。国会に憂国の士が現れてほしいものだ。