続「とのむら通信」ブログ版

前島本町議会議員・外村敏一(平成29年4月29日付けで引退)
日々の思いや議会傍聴の感想など引き続きお伝えします。

本日の議員全員協議会にて「パスポート発給事務」について説明あり、高槻市に事務委託の方針変えず。

2014年07月14日 | 議会活動

 小雨降る信州開田高原のそば畑

本日の全員協議会では4月21日に報告のあった「大阪府からの権限移譲でパスポートの発給事務を本町が受ける」ことについて
色々異論や質疑があったことへの検討とその後の高槻市との協議内容や検討結果についての報告があった。
本件に関して住民サービスの観点から見て高槻市への事務委託より本町単独でやった方が良いというスタンスの議員から相次いで
質問や意見が出されたが、町理事者側は最初からの方針通り「高槻市に委託する」という方向一点張りの説明に終始しました。

本日は高槻市との経費負担に係る詳細の試算が示されたが、本町の負担額が更に増え、益々事務委託することの経費削減効果は
小さくなった。それでも財政効果を強調しての事務委託に拘る理由は理解出来ないし、明快な回答も無かった。ただ理事者側は
この事務委託を契機として今後もある大阪府からの権限移譲等に高槻市と連携して対応したいとの思惑がある様な答弁はあった。
だからといって本町の役場で申請が出来るものをわざわざ高槻市にまで行かなくてはならないという不便さを住民に強いてまで
事務委託するには住民を納得させるだけの明快な説明が不可欠である。
広域連携はあくまでも双方の自治体にとって多くの人が賛同し、ウイン&ウインの関係が成立しなければお互いに不幸である。

住民に対する説明会の実施も再三求めたが、これに対しても「すべてが決まったら周知徹底します」というだけで話にならない。
しかし悲しいかな14人いる議員の中で本日発言したのは7人だけ。何も言わなかった議員は賛成なのだろうか。このまま9月議会
で事務委託の是非を採決取るのは何とも辛いものがある。住民不在もいい所である。人口3万人のコンパクトタウン島本なればこそ
可能な住民との距離が近い行政運営が全くなされていない。「島本町における住民の参画と協働によるまちづくり」を謳った
「まちづくり基本条例」が泣いている。形骸化もいいところである。このところの行政運営姿勢はその精神の欠片もない。

本日示された事務委託する経費負担に関する試算(島本町の負担分)

1.初期経費として36万5千円(初年度だけ)
 (高槻市が平成24年に開設したパスポートセンターの開設費308万5千円と今回少し拡張する為の経費150万円の計458万6千円×人口比割7.95%分)
2.運営経費として243万2千円(毎年)
  内訳①正職員の人件費として計1,644万3千円×人口比割7.95%分の130万7千円
    ②物件費として旅券発行費用計1,156万4千円×想定旅券交付件数比割9.73%分の112万5千円(高槻市10.200件、島本町1.100件)
3.施設費として38万3千円(高槻市のパスポートセンター受付窓口を拡張して使う貸館料の人口割7.95%分)
 以上から初年度は1~3の合計318万円が本町の負担金、2年目以降は2~3の合計281万5千円が毎年の負担金(但し運営経費はその年の発行件数に比例する)

一方本町単独で事務を行う場合は初年度の初期投資として端末機他の50万4千円が必要なるも、2年目以降は人件費、物件費合計で399万4千円
しかし大阪府からの権限移譲に伴う交付金収入が毎年54万9千円入って来るので実質的には差引年間344万5千円である。
従って344万5千円-281万5千円=たった63万円の経費削減効果しか生じない

しかもこの理事者側が力説する事務委託による財政効果(経費縮減効果)は,島本町民がわざわざ交通費と時間を掛けるという犠牲のもとに成り立つ効果であって、
これは財政効果と呼ぶには全く適当ではない。要するに効果額は住民負担に転嫁しただけである。どんな説明をすれば住民に納得してもらえるのか。教えて欲しい。
私が懸念するのは、このまま強行しても果たして何人の島本町民が高槻市のパスポートセンターで申請、交付を受けるかである。従来通り大阪谷四のパスポートセンター
でも受けられるのだから大阪に勤務する人はそちらで申請するであろうし、他にも大阪へ買い物に行ったついでに谷四で手続きする人も結構多いと考える。
どれだけの人が利用するか、例え利用者がゼロであっても人件費と施設費は委託する以上は今後ずっと払い続けることになる。どうみても割に合わない交渉事である。
こんな馬鹿げた事務委託に何の理があろうか。皆さんはどう思われますか?納得されますか。これこそ血税の無駄遣いである。