監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン 、アンディ・ガルシア 、ドン・チードル 、アル・パチーノ
『オーシャンズ13』、映画館で観ました。
“オーシャンズ”のメンバーの1人、ルーベンが心筋梗塞で倒れた。原因は世界的な
ホテル王バンクの裏切り。だまされ、切り捨てられたショックで病に伏せたのだ。
ルーベンの病床に駆けつけたオーシャンズ達は、仇を取るべく行動を開始。狙う先は、
バンクが新たにラスベガスに建設するカジノホテルだ。最新鋭のセキュリティに
守られたこの場所で、バンクの全てを奪うための戦いが開始された‥‥。
個人的ながら、スティーヴン・ソダーバーグは監督として一際高く買っている。この
“オーシャンズ”シリーズも、前作・前々作ともにいたく気に入ってる。ただ、残念ながら、
今回3作目の『13』に限っては前2作品ほどの“面白味に欠ける”というか、物語の
全体像と、その場その場の状況がアタマで上手く整理できないまま…、ついに
最後まで、映画の流れの乗り切れないまま…、気が付いたら終わっていたという
感じ。勿論、映画全体に漂う、甘くダンディズムな雰囲気と、ソダーバーグらしい
“艶のある映像美”はここでも健在。全てにおいて一手間かけた後はうかがえるのだが、
それは“基盤となるストーリー”が機能し、“明確なる人物設定”が確立されてこそ…、
それら無くしてはどんなに優れた映像も“その威力”は半減する。それと、これは
本シリーズの(贅沢な)特質からしてみても、今作には『11』のジュリア・ロバーツ、
『12』のキャサリン・ゼダ・ジョーンズに見合う“ビッグネームの大物女優”が居ないのは
チョット寂しい。これは失礼を承知の上で言わせてもらうと(笑)、今回その代わりに
登場するのが、当にピークを過ぎたエレン・バーキンでは、観る側の“スケールダウン”の
感は否めない。まぁ、バーキン嬢はバーキン嬢なりに頑張っているし、今回も
こちらが「もうお願いだからやめてくれ」と言うほどにノリノリで濡れ場(?)を演じてる
のだけどさぁ~(笑)。
さて、改めて、今シリーズの拘(こだわ)りを検証すると、誰一人として殺すことなく、
銃やナイフも使わないまま、強固なセキュリティを潜り抜け、《ターゲット》に近づき
奪い取る。いや、今先ほど《ターゲット》というボヤかした表現をしたが、彼らの真の
ターゲットは、物理的価値のある金銀財宝などではなく、もっと“人間のメンタリティな
部分”での強奪なのだ。例えば、『11』ではオーシャンの元妻“テスの愛”を…、
『12』ではラスティの元恋人“イザベルの頑(かたく)なな心”を奪い、解き放つ。では、
この『13』では‥‥??、彼らにとって最終的にダイヤの宝石なんてどうもよく、仲間の
ための復讐から、ホテル王“バイクの自尊心”を根こそぎ奪い取る。だからこそ、
キラ星の如く輝くラスベガスのホテル街で“目に見えない、人間の心”を盗み出す際の
“痛快さ”はこの上ない。今シリーズに共通する、観終わった後に残る“後味の良さ”は、
そんなところに秘密が隠されているのかもしれない。
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