肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『スーパーマン リターンズ』、観ました。

2007-01-08 20:16:11 | 映画(さ行)


 『スーパーマン リターンズ』、観ました。
5年ぶりに地球に戻ったスーパーマン(クラーク・ケント)。しかし、恋人ロイスは
幼い息子を抱え、婚約者リチャードと生活。一方、宿敵レックス・ルーサーは、
スーパーマンのクリスタルを奪い、全米を標的にした破壊計画を進めていた…。
 意外にもオイラにとって“スーパーマン”は縁(ゆかり)の深い作品なのだ。
何を隠そう、中学2年の時、映画館で生まれて初めて観た洋画が、今シリーズ
『スーパーマンⅡ 冒険編』だったのだ。まぁ、(映画について)ド素人同然
だった“当時”と、多くの映画を観て体験し、その引き出しの増えた“今”とを
単純比較することは出来ないが、少なくとも当時は、スクリーンに映し出される
飛行シーンの迫力に大感激したのを覚えてる。で、一方、本作はそんな当時の
感動を呼び覚ますべく、ブライアン・シンガーらしい娯楽性とドラマ性を兼ね
備えた良質な仕上がり。今回、何の予備知識を持たぬまま観たオイラは、これを
単なる旧作をリニューアルしただけのリメイク映画とばかり思っていた訳だが、
どっこい、物語は完全オリジナル、正規の続編だった。
 さて、今作がこれまでのシリーズと明らかに違うのは、一つに、このところの
数年間、スーパーマンが一度も姿を現さず、故郷のクリプトン星を探しに旅を
していたということ。二つに、その留守中にスーパーマンの愛する女性ロイス・
レインが婚約し、子供を産んでいたということ。そして、帰還したスーパー
マンは“ロイスの変化”に驚き、2人の関係は今まで以上に“微妙なもの”に
なっていくわけだ。当初、オイラはこの設定に“不自然さ”を感じつつも、
では何故、ロイスはスーパーマンを愛していながら、別の男と婚約したのか??、
(いや、言い換えれば、何故、ロイスはスーパーマンを待てなかったのか??)、
そして何故、彼女は“スーパーマンは必要ない”という新聞記事を書いたのか??…、
映画を観ていく途中で、更なる疑問が増していく…と、その時だった。オイラに
電流が走ったように、ある人物の存在が浮かび上がってくる。それはロイスの
婚約者リチャードの存在だった。勿論(スーパーマンほど)腕力があるわけ
じゃない、とりたたてハンサムというわけでもない。“優しい”だけが取り得の
“平凡な男”‥‥。しかし、いつも“家族の支え”となり、(息子にとっての)
“父”であってくれる。つまり、その時、彼女が欲しかったのは、鋼鉄の身体を
持ち、万人から崇拝される“英雄”なんかじゃない。息子の成長をいつもそばで
見守ってくれる“家族としての父親”だったんだ。そう思えば、ロイスにとって
リチャードの存在は、単なる婚約者ではなく、家族の絆を築く上で“重要な
パートナー”だったのかもしれない。うーん、そこに至るまでの過程は複雑で
想像すら出来ないが、(婚約した)彼女のその決断は、同じ1人の子を持つ親の
立場として、オイラにも理解出来ないはずはない。

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