銀右衛門文庫の経済動向

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10月16日

2012-10-16 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。欧米株高を背景に買い戻しの流れが続きそうだが、景気減速や企業業績に対する不透明感が根強く、上値は重そう。朝方の買い一巡後は伸び悩む公算が大きいだろう。日経平均の予想レンジは8500~8650円。

中国税関総署が13日発表した9月の貿易統計によると、輸出は前年同月比9.9%増(8月は2.7%増)の1863億5000万ドルと、市場予想(5.5%増)を上回る伸びを記録し、単月ベースの輸出額として過去最高を記録。輸入は2.4%増の1586億8000万ドルで、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は276億7000万ドルの黒字となり、中国の過度な景気減速懸念は後退したようだ。ただ、今回の輸出増は大型連休前の駆け込み需要など季節的な要因が押し上げたとの見方もあり、10月にその反動が出る可能性も否定できない。また、中国の日本からの輸入は8月の11.4%減に続き、9月も9.6%減と大幅に減少。尖閣諸島を巡る日中関係の緊迫化で、自動車や家電など日本製品の不買運動の影響が反映されたとみられる。トヨタなど自動車大手の中国での9月新車販売が前年同月比で急減したことが話題になったが、足元でも改善の兆候がみられないことを勘案すると、今後も日中貿易は1割前後の減少が続く可能性があり警戒したい。

15日のNY株式相場は上昇。9月小売り売上高の結果やシティの決算を好感した。ダウ平均は前日比95.38ドル高の13424.23ドルで終了した。ダウ平均は買いが先行。予想より強い9月小売売上高の結果を好感し、ダウ平均は買いが先行した。また、シティグループの堅調な7-9月期決算の内容を受け、金融セクターに買いが広がったほか、足元で大きく売られていた半導体セクターにも買いが入り、指数は引けにかけて一段高となり一時108.81ドル高の13437.66ドルまで上昇した。NASDAQは前日比20.07ポイント高の3064.18ポイント、S&P500は同11.54ポイント高の1440.13ポイントで終了した。個別では7-9月期決算の内容が好感されたシティが5.5%高。一方、201億ドルでソフトバンクへ身売りを発表したスプリント・ネクステルは0.7%下落した。また、スプリントによるクリアワイヤ買収の可能性が意識されるなか、クリアワイヤは16%急騰した。

前日の日経平均は後場に入り上げ幅を拡大し、8600円に迫る場面もみられた。円高一服で主力株を中心に買い戻しが入った。東証1部の値上がり銘柄数は994(全体の59.2%)に達し、規模別株価指数はすべて上昇。国際優良株、資源関連株などが総じて堅調に推移し、自動車や建機などの上昇が目立った。その一方、内需関連株が軟調で大型買収のソフトバンクは財務への負担懸念から大幅続落となり、日経平均を15円程度押し下げた。

日経平均株価は8577.93 +43.81円と5日ぶりの反発。一時8500円を割り込む場面があったが、6/4安値と7/25安値を通る下値支持線上が安値のポイントとなり切り返した。 RSI(9日)は20.4%→29.7%まで上昇しており、直近で10/5の31.9%を上回ると目先の底打ちシグナルとなる可能性はある。一方、先週の下げで9/5安値を下回ったことで、反発局面となっても8700円台前半までの戻りに目先はとどまる公算が高い。8700円台後半からは節目が集中していることや、遅行線の逆転状況が続く限り、なかなか越えられそうにない。6/4安値から安値を切り上げる展開が続き、上げ下げを繰り返しながらも下値固めの値動きとなるかが焦点となる。主要な下値メドは、7/25安値~8/23高値までの上げ幅812円を、9/19高値から下げ幅でとった背反値8419円処となる。当面で注意が必要なのは、200日線の傾きと今後の推移である。あと半月程度で200日前の水準が今年1月から急速に上昇した局面に応答するようになる。足元のように安値水準でもたつく動きが続くと200日線は再び下げに転じやすくなり、株価は同線を戻りの限界として、一段安につながるシナリオが想定できる。それを回避するためには、200日線を早く上に抜け出す必要がある。 基調に変化が生じやすいのは、10/19、10/31~11/2となる。

トレーダーズウエブより