銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

4月30日

2015-04-30 | 経済動向
ギリシャ懸念や原油価格上昇が重荷、金融政策決定会合の結果次第で大荒れも
 
東京市場は不安定な値動きか。米国株は下げ渋ったものの、欧州株の大幅安を警戒して売り先行が予想される。売り一巡後は日銀の金融政策決定会合の結果待ちで売り買い交錯が予想されるが、現状維持であれば下げ幅を拡大。追加緩和が発表されればサプライズの買い戻しが予想されるが、連休を前に上げ下げ往ってこいとなる公算が大きい。 ギリシャ問題への懸念が根底にあることや、石油価格の上昇も国内好決算企業へのポジティブな姿勢を減退させる要因となりそうだ。市場予想を下回る米国1-3月期GDPの結果を受け、輸出関連株に軟調なものが増えそうだ。

日経平均株価の予想レンジは19725円-19910円。5日線の下落が予想され、直近安値(19909円)を下回れば、25日線(19709円)に向けて調整が深まる可能性が高い。円建てのCME225先物は28日の大証日中終値と比べ235円安の19805円、ドル建ては205円安の19835円で終えた。

4月28日

2015-04-28 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり937/値下がり796と日経平均はマイナスながらも値上がりが優勢。決算内容が好感された富士通ゼネラルや小糸製作所が大幅高となった。1:2の株式分割や自己株取得を発表したカブドットコム証券は8%を超える大幅上昇で年初来高値を更新した。また、日本経済新聞で目の健康維持に関してロート製薬やルネサンスと連携すると報じられたメガネスーパーが急騰した。前期業績を下方修正したアイフルは売りスタートから一転買い優勢となるなど乱高下の動きとなった。一方、1Q決算の減収減益を発表したコクヨや、今期の減益見通しを発表した三菱自などは軟調な展開となった。

本決算前に指数が強い上昇となったことから、決算シーズンは会社発表を見極めたいとの見方から上値が重くなりがちで、特に序盤戦はその傾向が強まりやすい。決算前の銘柄を手がけづらいことから、決算発表銘柄に売買が集中する一方、その他の銘柄は動意に乏しく、全体的には方向感が出づらい相場となる。加えて今週は日銀金融政策決定会合および展望リポート、米FOMCといった日米で注目の中央銀行イベントが控えていることも売買手控えの要因となりやすく、当面は個別物色が強まる展開が予想される。

あすはファナックの株価動向が注目される。引け後に発表された決算では、着地は非常に良好であったことに加え、配当性向引き上げの方針も示されたが、今期見通しは減収減益となった。ポジティブ要因とネガティブ要因のどちらに株価は強く反応するか、指数寄与度も大きいだけに、全体市場の勢いも大きく左右しそうだ。また、厳しめの決算となったコマツやキヤノンの株価にも注目。こちらは決算期待は高まっていなかったと想定され、悪材料出尽くし感が強まるかどうかが焦点となるが、ファナックの減収減益見通しと合わせて、今16.3期への期待感が急速に萎むようだと全体市場の下押し要因となる。ただ、下げ局面では日銀追加緩和への期待感が再浮上しやすく、指数の下値は限定的と考える。

東京市場は小動きが続きそうだ。欧州株は軒並み高となったが、NY時間に入ったあとの米国株式にやや引け味の悪さが残った。為替市場は安定感があり、全体トータルしては材料を見出しづらい相場展開が予想される。 ファナックがADRで大幅高となり日経平均株価の押し上げ要因になる一方、東京エレクトロンの下落が指数上昇を抑える可能性がある。米時間外取引におけるアップル株の上昇を受けて一部の電子部品関連に買いが入ることが見込まれるなど、値がさ株に強弱要因が入り混じっており微妙な一日となりそうだ。 あすが祝日となることや、米FOMC、米1-3月期のGDPの発表、日銀金融政策決定会合など重要イベントを前に、決算発表銘柄に対する短期売買が中心だろう。

日経平均株価の予想レンジは19850円-20000円。円建てのCME225先物は前日の大証日中終値と比べ60円高の20060円、ドル建ては75円高の20075円で終えた。

トレーダーズウエブより

4月25日

2015-04-25 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり742/値下がり969と値下がりが優勢。全体的には軟調ななか、3.4%高となったソニーの上昇が目立った。前期の業績を上方修正した住友化学は修正幅も大きく、寄り付き以降も上げ幅を拡大した。上方修正と復配を発表した熊谷組や、決算好調に加え自社株買い発表が好感されたオービックなどが急騰した。インバウンド関連の一角に買いが入り、ラオックスや京都ホテル、コメ兵、サマンサタバサなどが値を飛ばした。一方、1Q業績が低水準となった建設技研が急落し、前期最終赤字転落の見込みとなった住友理工や、前期の営業益が市場予想を下回った岡三証券Gは大幅安となった。

【来週の見通し】 決算発表が本格化する上に、注目イベントも満載で、波乱の展開を予想する。30日の日銀金融政策決定会合および日銀展望リポートは特に注目される。足元金融株が動意づいた理由として、30日の追加緩和の可能性を指摘する市場関係者は少なくない。株式市場も30日までは期待感から大きくは下げづらい展開が予想され、決算銘柄などに強い動きが見られれば、過熱感を持った上昇となる可能性もある。一方、ノーサプライズであった場合には巻き戻しの動きが出てくることが予想され、日銀イベントの前後では相場の勢いが一変する展開も想定しておきたいところ。海外ではアップルの決算や米FOMCが注目される。米NASDAQ指数は今週高値を更新したが、米国株高に弾みがつけば、日本株を強くサポートすると考える。

【今週を振り返る】 強い動きとなった。前週の弱い基調や海外株安を受け、日経平均は週初に一時心理的節目の1万9500円台を割り込んだが、押し目では買いが入り、その後は戻りの動きを強める展開となった。三菱UFJFGを筆頭に銀行株の上昇が全体市場をけん引し、21日にはTOPIXが1600pに到達し、年初来高値を更新した。銀行株高は証券やノンバンク、保険など金融株全般に波及し、指数は上げ幅を拡大、22日には日経平均が4月10日以来となる2万円の大台を回復した。上昇ペースの速さから週末は売りが優勢となったものの、日経平均は節目の2万円を確保して週を締めくくった。日経平均は週間で約367円の上昇で、週足で陽線を形成した。


4月24日

2015-04-24 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり804/値下がり926と値下がり優勢。市場予想を下回る今期見通しを発表した日本電産が初動は売り反応となるも、決算説明会の開催に合わせて上げ基調を強めた一方、前期業績の上振れを発表したソニーは寄り高で失速と、対照的な動きが見られた。東証1部の値上がり率トップはイソライトで、前期業績の上方修正が好感された。前引け後に前期の業績及び配当見通しを上方修正した東リは後場に入り値を飛ばした。円安進行を受け自動車株がそろって堅調で、ホンダや日産自は年初来高値を更新した。一方、決算内容が失望を誘ったJSRは大幅反落で東証1部の値下がりトップ。前期の連結営業利益の下振れを発表したレーサムが急落した。

ここまで騰勢を強めていた三菱UFJFGが高値を更新した後に失速し、マイナス転換から下げ幅を広げ、他の銀行株にも売りが波及した。日経平均は同社の下げが拡大した14時近辺から歩調を合わせる格好で急速に値を消し、一時マイナス圏に沈んだ。ただ、マイナスとなったのは一瞬で、すぐに戻して終値ベースでは年初来高値を更新した。銀行株の下落に対し、指数の強さが見られたことはポジティブな動きと考える。きょうの動きをみると、銀行株ラリーはいったん終了の可能性が高く、あすは気迷いの展開が予想される。大きく上昇した週の週末であることや、ギリシャ不安などが未だ払拭できていないことなどから、海外市場の援護射撃がなければ上値は重くなりそうだ。ただ、日経平均は2万円がサポートとなり、下値では買いが入る展開が想定される。全体的には上にも下にも動きづらく、材料の出た個別株や、きょう強い動きが見られた海運株など、出遅れ感のある銘柄への物色が進むと予想する。

4月23日

2015-04-23 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり1126/値下がり606と値上がり優勢。日経平均2万円回復を受け、野村HDが4.5%高と大幅上昇、前期業績が好調であった光世証券や、業績上方修正発表の今村証券なども値を飛ばした。3月の訪日外客数発表を控えラオックスが朝から強い動きで、好結果を受け上げ幅を一段と拡大した。ほか、クックパッドとの資本・業務提携を発表し、TOBにも賛同を表明したみんなのウェディングや、中期経営計画で3年間配当性向100%を目指すと発表したトライステージが急騰した。一方、1Qが減収減益となったキャノンMJや、今期の減益見通しを発表した東京製鉄は大幅安となった。

4月10日の日経平均2万円回復の際は、2万円台は一瞬で速攻下落に転じた。きょうはすんなり2万円を回復した上に、その後も2万円を下回ることなく、じり高基調が続いた。きょうの動きで、多くの投資家の先高期待が高まったと想定される。とにかく動きが際立つのが銀行株で、三菱UFJFG、三井住友、みずほの3メガバンクはそろって年初来高値を更新した。ただ銀行株に関しては、足元の上昇を4月末の日銀追加緩和期待とみる向きも多く、短期的な過熱感も強まっているため、そろそろ一服の動きを警戒しておきたいところ。

そのようななか、引け後にソニーが業績上方修正を発表した。今年のソニーは動きの良さが目立つが、相場の地合いが良くなってきたところでポジティブな材料を提供してきた。全体市場への影響度も大きい銘柄であるだけに、指数をもう一段上に押し上げる効果も期待できよう。一方、決算が注目された日本電産の今期見通しは市場予想を下回った。3月企業の決算発表がスタートするなか、決算関連のリリースを受け、銘柄の優劣も強まると考える。