銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

8月31日

2012-08-31 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。欧米株式相場の下落など外部環境の悪化を受けて、売りに押される展開となりそう。ただ、押し目買い意欲は強いとみられるほか、月末のドレッシング買いへの期待感から売り一巡後は下げ渋る展開か。その後は、ジャクソンホール会合待ちで様子見ムードが蔓延し、方向感に乏しくなるとみられる。日経平均の予想レンジは8900~9050円。

上海総合指数が連日で安値を更新したことで、中国の景気減速懸念が意識されている。コマツが1カ月ぶりに年初来安値を更新したのを筆頭に、機械、鉄鋼、海運など中国関連株で安値更新する銘柄が散見されたが、これらの業種・銘柄に対して業績懸念の強さかうかがえる。30日の大引け後に新日鉄、住金が9月中間期の業績下方修正を発表し、両社ともに最終赤字のみ従来予想から拡大する見通し。ただ、要因は、新日鉄が広畑、堺製鉄所の減損処理や保有する住金株の売却、住金は子会社の製造設備の減損処理であり、本業が急速に悪化したという形ではなさそう。また、住金は新日鉄が売却する自社株を5億株を上限に取得したうえで、消却するとしている。一連の発表に対し業績悪化とみてネガティブに反応するのか、それとも悪材料出尽しとして反発するのか、きょうの鉄鋼株の動向が注目されよう。仮に反発となれば、直近売り込まれている資源関連株に買い戻しを誘発する可能性があろう。

30日のNY株式相場は大幅反落。欧州経済やユーロ問題が警戒されたほか、FRB議長の講演を控えポジション調整の売りが広がった。ダウ平均は前日比106.77ドル安の13000.71ドルで終了した。8月ユーロ圏の経済指標の結果が軟調だったほか、予想より悪かった新規失業保険申請件数の結果が嫌気され、ダウ平均は売りが先行した。また、ジャクソンホールでのFRB議長の講演を翌31日に控え、ポジション調整の売りも重なった。スロバキアの首相が「ユーロ圏崩壊の確率は50%」との見解を示したことも相場のセンチメントを悪化させ、指数は引けにかけて一時128.57ドル安の12978.91ドルまで下落も。しかし、心理的節目の13000ドルを割れた水準では買いが入った。NASDAQは前日比32.47ポイント安の3048.71ポイント、S&P500は同11.01ポイント安の1399.48ポイントで終了した。個別では調査会社が売上見通しを引き下げたフェイスブックは小幅下落。また、自動車塗装事業をカーライルへ売却合意したデュポンは軟調に推移した。

前日の日経平均は後場下げ幅を拡大し、9000円の大台を割り込んで取引を終えた。アジア株安を受けて手じまい売りに押された。東証1部の値下がり銘柄数は1196(全体の71.3%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。主力の国際優良株や資源関連株が軒並み安となり、下げを主導。コマツは後場一段安となり年初来安値を更新したほか、中間配当見送りの四国電力などが売られた。その一方で、ソフトバンクは野村の目標株価引き上げを受けて逆行高。ジーンズメイトや太陽光発電関連などの低位材料株で急騰する銘柄が相次いだ。経営統合を発表した古河スカイ、住友軽金属は合併比率で明暗を分けた。

日経平均株価は8983.78 -86.03円と反落。下落基調にある5日線(9048円)から陰線を下に伸ばす展開となった。RSI(9日)は前日46.9%→27.1%まで低下した。200日線(8977円)までの押しの浅い動きにとどまりながらも、基準線(8790円)が上昇に転じたことはポジティブだ。25日線(8916円)や100日線(8911円)まで下押す可能性もあるが、基調に変化が生じやすい8月31日前後で安値形成から切り返しに転じられるか。直近高値(9178円、8/23)更新につながれば、5/7の急落によって形成されたマド(9332円~9344円)埋めを想定。次第に下値を切り上げていく展開などはありえよう。一方、新値三本足は既に陰転しており、値幅や日柄面ともに調整が長引く可能性も十分残っている。週足では、株価の下方で推移する13週線(8806円)の上昇は短期的に続きやすい反面、上方で推移する26週線(9114円)の下落基調は当面続く見込み。8月前半で形成した強い陽線に対して、26週線に上値を抑えられモミ合うイメージができよう。ただし、明日の週間終値で下ヒゲ足が完成できれば、来週は一段高を試す場面を想定してもよさそうだ。基調に変化が生じやすいのは、8月31日前後、9月3日、13日、19日、28日~10月2日となる。

8月30日

2012-08-30 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。米国株式市場の上昇を受けて買い戻しが先行しそう。ただ、週末のジャクソンホール会合を控えて積極的な売買は期待できず、買い一巡後は様子見ムードが漂いそう。再び安値更新した上海総合指数の動向をにらんでの動きとなりそうだ。日経平均の予想レンジは9050~9150円。

世界的に様子見ムードが漂う状況だげに、日本株全体の動きは限られそう。ただ、物色面では変化の兆候が垣間見える。29日は業績・経営不振に落ち込んでいた電機株が急騰し、直近下値模索を続けていた資源関連株が反発。その一方で、高値更新を続けていた内需関連株で急落する銘柄が散見された。電機株では、シャープが28日に同社と国内連結子会社で希望退職者2000人程度を募集すると発表し、NECも同日にグループ社員を対象にした早期退職募集に2393人が応募したと発表。NECに関しては、台湾・鴻海精密工業がNECから液晶ディスプレーに関する特許の一部を100億円弱で購入するとの報道に加え、同社が大株主であるルネサスエレクに米投資ファンド大手コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が1000億円の出資を提案したことも追い風となったようだ。経営不振の電機各社はビジネスモデルが崩壊しており、経営を立て直すのは至難の業とみられるが、リストラの進展などで財務面での不安が後退すれば株価上昇の余地はあろう。シャープ、NECともに株価は25日移動平均を突破しており、今後買い戻しが加速するのか注目したい。また、資源関連株は業績下ブレや中国の景気減速懸念などから下値模索を余儀なくされていたが、その象徴的な動きをしていた三井物産、コマツはともに8日ぶりに反発。今後、底入れ反転に向かう公算が大きいだろう。その一方で、好業績を背景に堅調な推移をみせいていた内需関連株が下落し、特にコンビニ各社の下げが目立った。配当権利落ちの影響が大きいとは思われるが、指標面で割高感が否めない水準まで買い進まれていた経緯があるだけに、今後利益確定売りに押され調整局面入りする可能性があろう。これまで売られていた銘柄が買われ、買われていた銘柄が売られる「リターン・リバーサル」の流れになるか注目したい。

29日のNY株式相場は小幅上昇。速報値から上方修正された4-6月期GDP・改定値の結果などが好感された。ダウ平均は前日比4.49ドル高の13107.48ドルで終了した。4-6月期GDP・改定値が+1.7%となり速報値(+1.5%)から上方修正され、ダウ平均は買いが先行した。しかし、追加金融緩和ないとの見方が強まり、一時売り優勢に転じる場面がみられた。底堅いGDPや住宅指標の結果に支えられ、下値では買いが入り、一時41.82ドル高の13144.81ドルまで上昇した。ただし、買い意欲は続かず、引けにかけて上昇幅を縮小させた。NASDAQは前日比4.04ポイント高の3081.19ポイント、S&P500は同1.19ポイント高の1410.49ポイントで終了した。個別では業績見通しを引き下げる可能性との観測が浮上したインテルは1.3%下落。また、同業のAMDもつれ安となった。

前日の日経平均は大引けにかけて強含み、ほぼ高値圏で取引を終えた。東証1部の値上がり銘柄数は994(全体の59.4%)に達し、規模別株価指数はすべて上昇。主力の国際優良株や資源関連株が堅調に推移し、相場をけん引した。その一方、内需ディフェンシブ系が総じて軟調となり、薬品株やコンビニ株で下げが目立った。また、経営不振に陥っている電機株の上昇が目立ち、シャープ、NECが大幅高となったほか、米投資ファンドが経営権取得と報じられたルネサスはストップ高となった。その一方、大型買収に踏み切るダイキンは売られた。

日経平均株価は9069.81 +36.52円と反発。前日終値(9033円)をサポートに緩やかに戻す展開となったが、5日線(9087円)には届かず。RSI(9日)は前日60.7%→46.9%まで低下したが、50%ライン付近を意識して反騰できるかが焦点だ。一方、前日陰線に対して「はらみの陽線」を形成した。あすは5日線の下げが強くなるタイミングではあるが、マドを開けて転換線や5日線を上回り反発基調を強めることができるかに注目したい。200日線までの押しの浅い動きにとどまりながらも、あすから基準線(8775円)が上昇に転じることはポジティブな観点からの要注目材料となる。直近高値(9178円、8/23)更新につながれば、5/7の急落によって形成されたマド(9332円~9344円)埋めを想定。次第に下値を切り上げていく展開などもありえよう。一方、上述した通り、あすは5日線の下げが強くなる。ほぼ動きがない寄り付きだと下押しに警戒が必要だ。先週末には新値三本足が陰転しており、値幅や日柄面ともに調整が長引く可能性は十分残っている。週足では13週線(8812円)の上昇は短期的に続きやすい反面、26週線(9118円)の下落基調は続く見込み。8月前半で強い陽線が2週続いたあとだけに、26週線に上値を抑えられモミ合いのイメージもできよう。基調に変化が生じやすいのは、8月31日前後、9月3日、13日、19日、28日~10月2日となる。

トレーダーズウエブより

8月29日

2012-08-29 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。欧米株式市場が総じて軟調だったことを受けて弱含みの展開となりそうだが、日経平均の9000円近辺では押し目買いが入りやすいとみられ下値は限定的だろう。前日反発した中国株式市場の動向を見極めたい。日経平均の予想レンジは9000~9100円。

今後の景気に対する先行き不透明感が強まりつつある。28日に政府が朝方発表した8月の月例経済報告で、景気の基調判断を10カ月ぶりに下方修正した。「緩やかに回復しつつある」という認識は維持したが、世界経済の減速の悪影響が輸出や生産に波及していることを踏まえ、7月の「依然として厳しい状況にある」から「このところ一部に弱い動きが見られる」へ判断を引き下げた。また、個別項目では個人消費、住宅建設、輸出、輸入、生産の5項目を下方修正し、海外に関しても基調判断を2カ月ぶりに下方修正したうえで、米国経済、欧州経済、中国経済、その他アジア地域などに関しても一斉に下方修正するなど、厳しい認識を示した。22日発表の7月貿易統計(速報)では、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が5174億円の赤字(前年同月は697億円の黒字)に転落し、現行の統計基準となった1979年1月以降、7月としては最高の赤字額を記録していた。米国向けの自動車は伸びたが、欧州債務危機の影響でEUや中国向けの輸出低迷が響いており、先行きに不透明感が強い。

28日のNY株式相場はまちまち。予想に対して強弱が混在した経済指標の結果や、週末のFRB議長の講演を控え積極的な動きは限られた。ダウ平均は前日比21.68ドル安の13102.99ドルで終了した。6月S&P/ケースシラー住宅価格指数や8月消費者信頼感指数による予想に対してまちまちな結果を受け、ダウ平均は寄り付きから前日終値付近での推移を続けた。週末のジャクソンホールでのFRB議長の講演を控え、引き続き積極的に動きにくい状況だった。NASDAQは前日比3.95ポイント高の3077.14ポイント、S&P500は同1.14ポイント安の1409.30ポイントで終了した。個別でプリンターメーカーのレックスマークが13.7%急騰。インクジェットの技術の売却と人員削減を発表したリストラ策が好感された。また、マウンテンパス鉱山でレアアースの生産を開始すると発表したモリコープは12.9%急騰した。

前日の日経平均は後場に先物主導で値を崩し、9000円の大台を割り込む場面もみられたが、引けにかけて若干下げ渋った。円高進行や地合い悪化などを受けて、手じまい売りが膨らんだ。東証1部の値下がり銘柄数は1311(全体の78.1%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。減配懸念がら電力株が急落したほか、資源関連株が引き続き売られた。その一方、内需ディフェンシブ系が底堅く推移。シャープは買い戻しで大幅続伸したほか、公的資金返済の方針を示したあおぞら銀行が商いを伴って上昇。ジーンズメイトは短期値幅取り資金を集めストップ高となった。

日経平均株価は9033.29 -52.10円と反落。高寄りから5日線(9099円)や転換線(9092円)などをあっさりと下回る展開へ。一時は200日線(8973円)に迫る場面もあったが、8/9高値(9004円)を意識してやや戻す格好となった。200日線近くまで調整したことで、早々に転換線や5日線の上方に抜け出せるかが注目される。高値更新につながれば、5/7の急落によって形成されたマド(9332円~9344円)埋めを想定。次第に下値を切り上げていく展開などもありえよう。また、基準線(8775円)が30日から上昇に転じることにも要注目だ。あすは今日の陰線に対し転換線や5日線を意識しながらも、「はらみの陽線」などを形成できるかが注目される。一方、RSI(9日)は前日66.9%→60.7%まで低下しピークアウトの動き。先週末には新値三本足が陰転しており、値幅や日柄面ともに調整が長引く可能性もある。ただ、現状では7/25安値からの上昇に対して下げは小幅にとどまっている。既に短期的な二番底を形成したあとの動きであり、微調整との見方を優先して考えたい。早期の弱気転換は時期尚早であろう。週足では13週線(8809円)の上昇は短期的に続きやすい反面、26週線(9117円)の下落基調は続く見込み。8月前半で強い陽線が2週続いたあとだけに、26週線に上値を抑えられモミ合いのイメージもできよう。基調に変化が生じやすいのは、8月31日前後、9月3日、13日、19日、28日~10月2日となる。

8月28日

2012-08-28 | 経済動向
東京市場は売り買い交錯となりそうだ。欧米株式市場が高安まちまちとなったことで、日経平均は前日終値圏でのもみ合いとなりそう。その後は、下値模索を続ける中国株式市場の動向を見極めたいとのムードが広がりそうだ。日経平均の予想レンジは9050~9150円。

市場エネルギーが低迷しており、27日は東証1部の売買代金が前日比10.6%減の6582億円に落ち込み、お盆シーズン入りの8月13日に記録した今年最低の6144億円に次いで2番目の低水準。売買高に至っては、その8月13日よりもわずかに下回り今年最低を更新した。今週は週末に予定されているバーナンキFRB議長のジャクソンホール講演まで様子見ムードが蔓延する公算が大きい。欧米市場の動向を織り込んだ朝方の売買が一巡すると、手掛かり材料難から方向感に乏しい展開という構図が続きそうだ。相場の重しとなっているのは、中国株式相場の下落。上海総合指数は前日比1.7%安で2009年2月以来の安値に沈んだ。足元でマクロ指標の悪化が相次ぐなか、温家宝首相が輸出や国内経済の先行きの不透明さなどに言及したことで景気下振れ懸念が意識されたようだが、今後も下値模索が続くと日本株にも売りが波及する可能性があり警戒したい。

27日のNY株式相場はまちまち。中国の経済指標が景気鈍化を示す兆候をみせたことから、ダウ平均は売りが先行した。しかし、米シカゴ地区連銀総裁がFRBは即座に追加刺激策に着手する必要があるとし、失業率が継続的に低下するまで債券買い入れを実施すべきとの考えを示した。また、今週末のジャクソンホールでのFRB議長の講演を控え、追加緩和について何かしらのシグナルを送るとの期待が相場を下支えした。引け近くに42.51ドル安の13115.46ドルまで下落したが、こうした期待を背景に指数の下げ幅は限定的だった。NASDAQは前日比3.40ポイント高の3073.19ポイント、S&P500は同0.69ポイント安の1410.44ポイントで終了した。個別でアップルが1.9%上昇し、上場来高値を更新。サムスンとの著作権についての訴訟でほぼ全面勝訴したことが好感された。

前日の日経平均は小高い水準でのもみ合いを続けていたが、大引けにかけて伸び悩みほぼ安値圏で取引を終えた。米国株高を受けて買い戻しが入ったが、中国株安が重しになった。東証1部の値下がり銘柄数は923(全体の55.2%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。中国の景気減速懸念から資源関連株が売られたほか、中間配当見送りの関西電は失望売りを浴びた。その一方で、内需関連株が底堅く推移し、シャープなど業績不振の電機株に買い戻しが入った。

日経平均株価は9085.39 +14.63円と反発。5日線(9124円)を意識しながらも、寄り付きで開けたマドを埋め戻す格好となり、3日ぶりの陰線で取引を終えた。RSI(9日)は前日68.9%→66.9%に低下。あすの転換線(9044円)の上昇で出直ることができるかが注目される。仮に、転換線の上昇で高値更新につながれば、5/7の急落によって形成されたマド(9332円~9344円)埋めを想定。9100円処や200日線(8971円)~100日線(8933円)、上昇続く25日線(8759円)までの短期的な揺り返しを経て、次第に下値を切り上げていく展開が予想される。一方、日足均衡表では抵抗帯(雲)上限の切り下がりが続く。先週末には新値三本足が陰転しており、基準線(8775円)や75日線(8759円)まで調整が長引く可能性もあり注意したい。週足では13週線(8813円)の上昇は短期的に続きやすい反面、26週線(9119円)の下落基調は続く見込み。8月前半で強い陽線が2週続いたあとだけに、26週線に上値を抑えられモミ合いのイメージもできよう。基調に変化が生じやすいのは、8月31日前後、9月3日、13日、19日、28日~10月2日となる。

8月24日

2012-08-24 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。米国株の大幅安を受けて売り先行となりそう。ただ、下げの主因は追加緩和期待の後退であるため、それほどネガティブに捉えることはなかろう。前日同様に朝方の売り一巡後は徐々に下げ渋る展開が予想される。日経平均の予想レンジは9050~9250円。

中国の8月購買担当者景気指数(PMI)は47.8で、7月確報値(49.3)から1.5ポイントも下落。9カ月ぶりの低水準で、景気判断の分かれ目となる50を10カ月連続で下回るなど厳しい内容。この影響が懸念されたが、上海総合指数や日経平均先物は発表直後こそ値を下げたものの、ネガティブな反応は限定的だった。中国のマクロ指標は足元で悪化の一途を辿っているだけに悪材料出尽しとみるのは早計だろうが、政府が景気刺激のために利下げなどに踏み切る確度が高まったとみられる。

23日のNY株式相場は大幅下落。米セントルイス地区連銀のブラード総裁がFOMC議事録の内容についてやや古いと発言し、追加緩和期待が後退した。ダウ平均は前日比115.30ドル安の13057.46ドルで終了した。新規失業保険申請件数の結果が予想より悪かったほか、22日引け後に慎重な見通しを発表したHPが重しとなり、ダウ平均は売りが先行した。さらに、米セントルイス地区連銀のブラード総裁が7月31日-8月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)以降、経済指標は幾分改善しており、FOMC議事録は「やや古い」との見解をCNBCに対して示していたこともあり、追加緩和期待が後退。指数は一時126.30ドル安の13046.46ドルまで下落した。NASDAQは前日比20.27ポイント安の3053.40ポイント、S&P500は同11.41ポイント安の1402.08ポイントで終了した。個別では豪カンタス航空が85億ドル相当の注文をキャンセルすると伝わったボーイングは3.4%下落。また、22日の取引終了後に慎重な業績見通しを発表したHPは8.2%下落した。

前日の日経平均は後場プラスに転じると、大引けにかけて上げ幅を拡大した。中国の8月PMIが大幅に悪化したものの、影響が限定的だったことで買い戻し機運が高まった。東証1部の騰落状況は上昇775/下落700で値上がりが若干多く、規模別株価指数はすべて上昇。直近軟調だった資源関連株の一角に買い戻しが入ったほか、好業績の内需関連株などが買われた。DeNAはドイツ証券の目標株価引き上げを受けて商いを伴って上昇した。

日経平均株価は9178.12 +46.38円と反発。下方で推移する転換線(9044円)を意識しながら上に切り返し、終値ベースで高値を更新した。前日の陰線を包み込む陽線を形成。先高期待が高まる足に加え、RSI(9日)は前日67.8%→86.9%に上昇した。終値で直近高値86.6%(8/16)を上回ったことで、5日線上から上値を伸ばせるかが注目される。転換線の強い上昇が予想される8/28までに、同線の上方を維持できるかも重要となる。目先のイメージは、5/7の急落によって形成されたマド(9332円~9344円)を埋めたあと、9100円処や200日線(8968円)~100日線(8953円)までの短期的な揺り返しを経て、次第に下値を切り上げていくパターン。一方、日足均衡表では抵抗帯(雲)上限があすから切り下がる。きょうの中陽線の中値を下回るスタートは、5日線が下げに転じる要因となり注意したい。基調に変化が生じやすいのは、8月31日前後、9月3日、13日、19日、28日~10月2日となる。