銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

7月29日

2015-07-29 | 経済動向
東京市場はもみ合いか。海外市場は欧米株がそろって上昇。ダウ平均は6日ぶりの反発で上昇幅も189ドルと強い動きとなった。待望の米国株反発を好感したいところではあるが、円建てのCME225先物が大証日中終値と比べ45円高の20345円、ドル建ては65円高の20365円と、きのうの日経平均終値20328.89円とほぼ変わらない水準で取引を終えているのは気になる動き。ADRではきのう通期の下方修正を発表したファナックや東京エレクトロンが大きく売られており、ハイテク株が指数の重しとなる可能性がある。上海株も引き続き警戒材料になる上に、今晩のFOMC政策金利発表を前に様子見姿勢も強まりやすい。米国株高を好感しながらも指数は25日線(20411円)が抵抗となり、上値は限定的でこう着感の強い展開を予想する。日経平均の予想レンジは20250円-20400円。

7月26日

2015-07-26 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり549/値下がり1241と値下がりが優勢。1Qの増益決算および、今期増配の見込みを発表した信越化学の大幅上昇が目立った。上方修正を発表したKNTCTやコクヨ、1Q好決算の帝国ホテルや総合メディカルが急伸。日本経済新聞社の英FT社買収報道を手がかりにテレビ東京HDに買いが入り、ウィルソンWLWはストップ高まで買われた。一方、1Q減益観測が報じられたマルハニチロは軟調な推移となり、後場に減益決算および上期の下方修正を発表したサトーHDはマイナス転換から下げ幅を広げた。

 3月決算企業の決算発表がスタートした。ここまでの決算を振り返ると、出てきた内容はおおむね悪くない印象。市場コンセンサスとの比較や株価水準などから、増益でも大きく売られた銘柄もあるが、指数も高値圏にあり、決算の先陣を切る企業の株価反応が厳しめになることはさほど悲観することではない。後に続く企業の決算が良好であれば、全体の底上げが進み、売られた銘柄も値幅調整が進むことで見直し買いが入ると考える。今週、指数が下げたことで雰囲気は良くないが、売買代金は低水準が続いており、海外投資家なども決算を前に様子見姿勢強めていた可能性が高い。決算発表が相次ぐ来週は、個別のボラティリティも高まるなか、売買活況も予想され、今週とは違った景色になると予想する。

【来週の見通し】 堅調な展開を予想する。決算発表ラッシュとなり、個別銘柄への注目が一段と高まる展開となる。海外市場の不透明感が強まっている点はリスク要因ではあり、下落が続く米株市場や商品市場、及び中国情勢には引き続き警戒は必要と考える。特に米国はFOMCや米4-6月期GDPなど注目イベントも多く、為替も含めて大きな動きが出てくる可能性はある。ただし決算発表シーズンはマクロよりもミクロに目が向きやすく、海外市場が荒れれば内需の好業績銘柄へのシフトを強めるといった形で、銘柄選別によって外部要因のリスクを軽減する流れが強まると考える。IPOも2社(REITを含めると3社)あり、新興市場にも注目が向かいやすい。国内、海外ともに材料が多い分、場中の動きも活況が予想され、市場に厚みが出ることが下げづらい地合いを醸成し、底堅い推移が続くと予想する。

【今週を振り返る】 軟調な展開となった。祝日で営業日が1日少ないなか、前週からの非常に強い勢いを受け、週初は買いが先行した。しかし、米企業の決算発表が失望を誘い、米国株の下落基調が強まったことから一転売りが優勢となった。特にアップル株の下落が電子部品株などの売り材料となった。指数の重しにもなった。商品市場で原油や金の弱い動きが続いたことも、先行き不透明感を強めた。国内企業の決算は株価反応は強弱まちまちで全体への影響は限定的。6月訪日外客数の好調を受け、インバウンド銘柄には買いが入った一方、主力株の動きは鈍く、動きづらい地合いが続いた。日経平均は週間では約106円の下落、週足では陰線を形成した。

7月25日

2015-07-24 | 経済動向
東京市場は弱含みか。海外市場は欧州はまちまちで米国株は下落。円建てのCME225先物は大証日中終値と比べ100円安の20570円、ドル建ては75円安の20595円で取引を終えた。米国ではアメックスやキャタピラー、3Mなどが決算を受け下落し、ダウ平均を押し下げた。今週に入りアップルやマイクロソフトなど、決算で売られる銘柄が相次いでおり、日本株にも重しとなりそうだ。特にキャタピラーの下落はコマツや日立建機を筆頭に、建機関連へのネガティブな影響が懸念される。また、原油の下落基調が強まっている点も相場の不透明感を強めやすい。日経平均は節目の20500円はサポートになるとみるが、週末でもあり様子見姿勢も強まりやすく、上値の重い展開を予想する。日経平均の予想レンジは20500円-20650円。


7月19日

2015-07-19 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり794/値下がり953と値上がりが優勢。全体的には小動きが続くなか、保険やメガバンク、証券など金融株がしっかりの動きとなった。東証1部への指定替えを発表した日本ビューホテルや業績観測を手がかりに日本マイクロニクスが大幅高、筆頭株主の売り出しに対応し自己株取得枠を拡大したTASAKIはきのうの大幅安から一転して急反発となった。一方、4-6月期の営業赤字観測が報じられたシャープは軟調な展開となった。上場2日目のアイリッジは引き続き買いを集めきょうも値つかずで、初値は来週以降に持ち越しとなった。

先週2万円割れをみた日経平均は今週は5連騰と一転騰勢を強めた。今週の上昇でテクニカルの節目はおおむね上に抜け、目先のターゲットは年初来高値の20952円(6月24日)となる。今週も週後半にかけてはこう着感の強い動きが続いたことから、リバウンド相場は一服すると考えるが、企業決算などを手がかりに高値をうかがう動きが見られるかどうかが注目される。

【来週の見通し】 底堅い展開を予想する。前半は百貨店やコンビニエンスストアの6月売上高、6月訪日外客数の発表などが予定されており、小売を中心に内需銘柄が物色されやすいと考える。後半は3月決算企業の1Q業績発表が本格化することから、決算銘柄を中心に個別の選別が強まる展開を予想する。決算時期は個別に強弱まちまちの動きが出やすいことから、指数は大きくは動きづらいと考える。日経平均は2万円を割り込んだ後の戻りの動きが良く、投資家の買い意欲は強いと想定されることから、下値は限定的と予想する。

【今週を振り返る】 強い動きとなった。ギリシャ債務問題が進展し、ユーロ離脱やデフォルト懸念が遠のいたことに加え、中国株が比較的落ち着いた動きとなったことから、急速に戻りを試す動きとなった。イエレンFRB議長の発言などを手がかりにドル円が円安方向に振れたことも株高を後押しした。日経平均は13週線や25日線などテクニカルの節目水準を次々に上に抜ける強い動き。取引時間中はこう着感が強まる展開が続いたものの、5連騰で前週の急落分を取り戻す動きとなった。日経平均は週間では約871円の大幅上昇、週足では陽線を形成した。

7月17日

2015-07-17 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり1237/値下がり519と値上がりが優勢。化学系事業会社3社を統合し、組織再編を検討すると発表した三菱ケミHDが後場から急伸した。内需銘柄が総じて強かったが、上述のアルプス、村田製の大幅高に加え、トヨタが自動車株のなかで相対的に強い動きを見せるなど、外需の主力どころにも買いが入った。決算好調のパソナが高く、きのうストップ安まで売られたケイブはきょうは一転19%高と急速に値を戻した。一方、業績下方修正を発表したアクロディアが急落、筆頭株主の株式売り出しが嫌気されたTASAKIが大幅安となった。きょうマザーズに上場したアイリッジは買いが殺到し、値つかずで終えた。

日経平均はじり高の動きで20600円台に乗せた。これで4連騰だが、物色は日替わりで特定のセクターに偏った動きではなく、過熱感は薄い。ただ、場中のこう着感が非常に強く、日経平均の一日の値幅が14日は約113円、きのうは約95円、きょうは約90円と、日を追うごとに小動きとなっている。あすに関しても、国内は2月決算企業の1Q業績発表も一段落し、三連休を控えた週末で動意は限定的となりそうだ。海外では、今晩のドラギECB総裁会見が注目される。会見に欧州株がポジティブに反応すれば、米国株や日本株にも好影響が期待できる。足元、日本株だけでなく欧米株も戻りの動きを強めており、この先、先進国主導での株高基調が強まる可能性もある。全体的には今週の地合い継続で、下値は堅い展開を予想する。

東京市場はしっかりか。ギリシャ情勢の進展を好感し欧米株はそろって上昇、NASDAQ総合は史上最高値を更新した。円建てのCME225先物は大証日中終値と比べ125円高の20685円、ドル建ては165円高の20725円で取引を終えた。ギリシャ情勢に関してはきのうの日本株は先取りしているが、米国株市場ではネットフリックスやシティグループなど、決算を通過した銘柄に強い動きが見られており、決算期待から欧米株高を素直に好感する展開を予想する。日経平均はきのうまで4日続伸で、祝日を控えた週末でもあり利食い売りも出やすい地合いではあるが、足元の勢いは非常に強い上に、来週から本格化する国内企業の決算期待が支えとなり、売りをこなしつつ上昇基調を強める動きになると考える。日経平均の予想レンジは20600円-20850円。