東京市場は売り買い交錯となりそうだ。外部環境に不透明感がくすぶるものの、来期業績への期待も根強く強弱感が対立しそう。年度末を意識したドレッシング買いが相場の押し上げ要因になるとみられる。日経平均の予想レンジは10050~10250円。
足元で外部環境が悪化しているのは気掛かりだろう。米国では市場予想を下回る指標が相次いでいるほか、アジアでは主要国の株価指数が下値模索。28日は上海総合指数が今年最大の下げ幅を記録し、29日には台湾加権指数が今年最大の下げ幅を記録した。中国はIPO増加による需給悪化懸念、台湾はキャピタルゲイン税導入懸念が、今回の下げの主因とみられるが、中国の景気減速懸念もくすぶっているため根は深そうだ。また、東証が29日発表した3月第3週(19~23日)の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は13週ぶりに売り越しに転じた。一過性の可能性はあるが、売り越し・買い越しともに続く傾向がみられるので、外国人投資家の動向には細心の注意を払いたい。きょうで2011年度相場も終了するが、3月の月中平均(9956円)、心理的な節目の1万円は上回る公算が大きく、月末・年度末に相当するため、ドレッシング買いで再び震災当日の終値(10254円)越えを期待したい。そのためにも、寄り付き前に発表される2月鉱工業生産指数(速報値)もカギを握りそうだ。2月下旬に発表された1月鉱工業生産指数(速報値)では前月比+2.0%と市場予想(+1.5%)を上回って2月連続のプラスで着地し、製造工業生産指数調査では、先行きの2月、3月ともに+1.7%を見込まれるなど、タイの洪水被害に伴う生産の落ち込みから回復に向かっていることを改めて確認された経緯がある。今回の2月鉱工業生産の市場予想は+1.3%だが、これを上回る着地となり、先行きもプラス基調が続けば、来期の業績回復への期待感が高まりそうだ。
29日のNY株式相場はまちまち。ダウ平均は新規失業保険申請件数の結果を嫌気するも、下値では買いが入り前日比19.61ドル高の13145.82ドルで終了した。新規失業保険申請件数が市場予想より弱い結果となったことが嫌気され、ダウ平均は売りが先行し、一時93.54ドル安の13032.67ドルまで下落した。しかし、10-12月期GDP・確報値が市場予想通りの着地となったほか、25日移動平均線割れ水準では買いが入り、前日比プラスに転じた。 NASDAQは前日比9.60ポイント安の3095.36ポイント、S&P500は同2.26ポイント安の1403.28ポイントで終了した。 個別では、第4四半期決算が赤字に転落したベストバイは7%下落した。
前日の日経平均は一時100円近く下落する場面もみられたが、押し目買いが入り若干下げ渋った。東証1部の騰落状況は上昇800/下落751と値上がり銘柄数が若干多く、規模別株価指数は小型のみ上昇。主力の国際優良株が売られたほか、商品市況の下落を受けて資源関連株が軟調だった。その一方で、内需関連や中小型株が底堅く推移。グリーなどソーシャルゲーム関連株が大幅反発したほか、前日ストップ高のシャープは商いを伴って上昇した。
日経平均株価は10114.79円 -67.78円と続落。5日線(10116円)や転換線(10127円)を意識して小動きにとどまった。RSI(9日)は前日60.6%→49.3%に低下。3月7日の安値の際につけた47.7%水準を取引時間中に下回る場面があったが、かろうじて維持した格好。ただ、直近安値58.1%を下回っており、50%水準から反発できるかが注目される。あすは上昇が強くなる5日線を超えてスタートできるかが最初のポイントだ。27日に形成した長い陽線を上方に残した状態は、あまり好ましくない。今週で2010年4月高値を起点とした上値抵抗線処にほぼ達しており、2月29日高値、3月19日高値に続いて、3月27日高値が三つ目の小さな山にとどまる可能性も。上昇力が低下している証拠でもあり注意したい。下値メドは、25日線(9897円)~基準線(9848円)だが、直近安値水準である1万円の割り込み方次第では、調整色を強める展開もあろう。変化日候補は、3月30日、4月12日となる。一方、上値抵抗線で必ず止まるというものではなく、同線をそのままブレークするケースも考えられる。次の上値メドは、2009年11月安値~2010年4月高値までの過去の習性値幅2332円を2011年11月安値から上げた10467円処。そこまで一気に上昇するケースは、突破したはずの上値抵抗線(そのときは下値支持線)まで揺り返す展開が予想され、その際に10200円~10100円処までの押しにとどまれば、再び高値更新に繋がる展開を想定しておきたい。月足の一目均衡表では、3月は遅行線が2011年8月の急落で逆転(売りシグナル)して以来、初の好転(買いシグナル)のチャンスであるが、当時2010年2月の株価水準(高値10449円、始値10212円、終値10126円、安値9867円)や転換線(10016円)と接した水準を上に完全に抜け出せずに終わりそうだ。一方、4月の遅行線の位置は大幅高となった2010年の3月のタイミングとなる。それに準じて引き続き上値追いの展開が続くか、3月に遅行線が好転できなかった反動安につながるか。3月はあと期末の1日が残っており、大きく動く際には4月の方向性を決める重要なシグナルになるだろう。
トレーダーズウエブより
足元で外部環境が悪化しているのは気掛かりだろう。米国では市場予想を下回る指標が相次いでいるほか、アジアでは主要国の株価指数が下値模索。28日は上海総合指数が今年最大の下げ幅を記録し、29日には台湾加権指数が今年最大の下げ幅を記録した。中国はIPO増加による需給悪化懸念、台湾はキャピタルゲイン税導入懸念が、今回の下げの主因とみられるが、中国の景気減速懸念もくすぶっているため根は深そうだ。また、東証が29日発表した3月第3週(19~23日)の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は13週ぶりに売り越しに転じた。一過性の可能性はあるが、売り越し・買い越しともに続く傾向がみられるので、外国人投資家の動向には細心の注意を払いたい。きょうで2011年度相場も終了するが、3月の月中平均(9956円)、心理的な節目の1万円は上回る公算が大きく、月末・年度末に相当するため、ドレッシング買いで再び震災当日の終値(10254円)越えを期待したい。そのためにも、寄り付き前に発表される2月鉱工業生産指数(速報値)もカギを握りそうだ。2月下旬に発表された1月鉱工業生産指数(速報値)では前月比+2.0%と市場予想(+1.5%)を上回って2月連続のプラスで着地し、製造工業生産指数調査では、先行きの2月、3月ともに+1.7%を見込まれるなど、タイの洪水被害に伴う生産の落ち込みから回復に向かっていることを改めて確認された経緯がある。今回の2月鉱工業生産の市場予想は+1.3%だが、これを上回る着地となり、先行きもプラス基調が続けば、来期の業績回復への期待感が高まりそうだ。
29日のNY株式相場はまちまち。ダウ平均は新規失業保険申請件数の結果を嫌気するも、下値では買いが入り前日比19.61ドル高の13145.82ドルで終了した。新規失業保険申請件数が市場予想より弱い結果となったことが嫌気され、ダウ平均は売りが先行し、一時93.54ドル安の13032.67ドルまで下落した。しかし、10-12月期GDP・確報値が市場予想通りの着地となったほか、25日移動平均線割れ水準では買いが入り、前日比プラスに転じた。 NASDAQは前日比9.60ポイント安の3095.36ポイント、S&P500は同2.26ポイント安の1403.28ポイントで終了した。 個別では、第4四半期決算が赤字に転落したベストバイは7%下落した。
前日の日経平均は一時100円近く下落する場面もみられたが、押し目買いが入り若干下げ渋った。東証1部の騰落状況は上昇800/下落751と値上がり銘柄数が若干多く、規模別株価指数は小型のみ上昇。主力の国際優良株が売られたほか、商品市況の下落を受けて資源関連株が軟調だった。その一方で、内需関連や中小型株が底堅く推移。グリーなどソーシャルゲーム関連株が大幅反発したほか、前日ストップ高のシャープは商いを伴って上昇した。
日経平均株価は10114.79円 -67.78円と続落。5日線(10116円)や転換線(10127円)を意識して小動きにとどまった。RSI(9日)は前日60.6%→49.3%に低下。3月7日の安値の際につけた47.7%水準を取引時間中に下回る場面があったが、かろうじて維持した格好。ただ、直近安値58.1%を下回っており、50%水準から反発できるかが注目される。あすは上昇が強くなる5日線を超えてスタートできるかが最初のポイントだ。27日に形成した長い陽線を上方に残した状態は、あまり好ましくない。今週で2010年4月高値を起点とした上値抵抗線処にほぼ達しており、2月29日高値、3月19日高値に続いて、3月27日高値が三つ目の小さな山にとどまる可能性も。上昇力が低下している証拠でもあり注意したい。下値メドは、25日線(9897円)~基準線(9848円)だが、直近安値水準である1万円の割り込み方次第では、調整色を強める展開もあろう。変化日候補は、3月30日、4月12日となる。一方、上値抵抗線で必ず止まるというものではなく、同線をそのままブレークするケースも考えられる。次の上値メドは、2009年11月安値~2010年4月高値までの過去の習性値幅2332円を2011年11月安値から上げた10467円処。そこまで一気に上昇するケースは、突破したはずの上値抵抗線(そのときは下値支持線)まで揺り返す展開が予想され、その際に10200円~10100円処までの押しにとどまれば、再び高値更新に繋がる展開を想定しておきたい。月足の一目均衡表では、3月は遅行線が2011年8月の急落で逆転(売りシグナル)して以来、初の好転(買いシグナル)のチャンスであるが、当時2010年2月の株価水準(高値10449円、始値10212円、終値10126円、安値9867円)や転換線(10016円)と接した水準を上に完全に抜け出せずに終わりそうだ。一方、4月の遅行線の位置は大幅高となった2010年の3月のタイミングとなる。それに準じて引き続き上値追いの展開が続くか、3月に遅行線が好転できなかった反動安につながるか。3月はあと期末の1日が残っており、大きく動く際には4月の方向性を決める重要なシグナルになるだろう。
トレーダーズウエブより