銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

クロージング

2015-02-27 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり699/値下がり1079と値下がりが優勢。主力株では株主優待の拡充を発表したオリックスが大幅に上昇。四輪車事業の参入観測が報じられたヤマハ発動機は昨年来高値を更新した。ほか個別では株式委任状争奪で注目を集める大塚家具が連日の大幅高、配当見通しの増額修正および自己株取得を発表したリョーサンや、良好な月次内容が好感されたゲンキーが大きく値を飛ばした。一方、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「売り」に引き下げた横河電機は軟調な推移となった。

【来週の見通し】 高値圏で堅調な展開を予想する。過熱感も指摘されるほどの上昇基調が続いており、一服もしくはスピード調整があって然るべき局面ではあるが、足元の日本株の勢いは非常に強い。米国株は週末の米雇用統計を控え方向感の出づらい展開が想定される。一方、先週の日本株は米国株との連動性が薄まっており、米国株が小動きでも大きく上昇するような場面もみられた。米国株が良くも悪くも動きづらく、結果的に比較的落ち着いた推移となれば、日本株は他市場との相対パフォーマンスの比較感から買いが入りやすく、一気に上をうかがう展開もあり得る。米雇用統計を前にドル高期待が高まるようならなおポジティブ。早期に1万9000円台を回復してくれば、大台の2万円がいよいよ意識され、買いの勢いも強まりやすいと考える。

【今週を振り返る】 一段高の動きとなった。ギリシャ不安が後退したことを受け前週末の米国株が大幅高となったことを好感し、週初から買いが優勢。イエレンFRB議長の議会証言では利上げに慎重との見方が強まり米国株高をサポートしたことも、日本株の押し上げ要因となった。主力大型株を中心に幅広い銘柄に買いが入り、指数は高値更新基調が続いた。OLCや参天製薬などの大型株式分割に加え、雪国まいたけのTOBや大塚家具の大幅増配発表など、株式市場を刺激する材料も多く、東証1部売買代金も連日で2兆円を大きく上回る活況な売買が続いた。日経平均は週間で465円の上昇、週足ベースでは6週連続で陽線を形成した。

【来週の予定】 国内では、10-12月期法人企業統計、2月新車販売(2日)、1月毎月勤労統計調査、10年国債入札(3日)、30年国債入札(5日)、1月景気動向指数(6日)など。企業決算では、伊藤園、ピジョン(2日)、くらコーポ、巴工業(4日)、積水ハウス、綜合HD、ビットアイル、クミアイ化、アルチザ(5日)、カナモト、ケア21、アスカネット、鳥貴族、日東網、gumi、ファースト住(6日)などに注目。

海外では、中国2月製造業 PMI(1日)、ユーロ圏1月失業率、ユーロ圏2月消費者物価、米1月個人所得・個人支出、米2月ISM製造業景況指数(2日)、米2月新車販売台数(3日)、豪10-12月期GDP、BOE金融政策委員会(~5日)、米2月ADP雇用統計、米2月ISM非製造業景況指数、ベージュブック(4日)、中国全人代開幕、ECB定例理事会(5日)、米2月雇用統計、米1月貿易収支(6日)など。

2月27日

2015-02-27 | 経済動向
東京市場を取り巻く環境は良好だ。昨晩でも海外株式の動きはそこそこ。円安の好材料も加わり、きょうも買い優勢の展開が予想される。海外投資家や年金を含めた大口資金が買い手になる構図に変わりはなさそうだ。 きのう発表された投資主体別売買状況(2月第3週)では、海外投資家による先物を含めた買い越し額は1兆円を超えた。2/26の昼のバスケット売買でも概算で1008億円が成立。1千億円を超える取引はかなり珍しく、直近では昨年11/4-6の3日間に1千億円を超える取引がみられた。当時は10月末に日銀の意表をついた金融緩和が発表され、株式市場のモメンタムが一気に強気に傾いた経緯があった。日経平均が2007年高値(18261円)を上回ったことで、株式市場への再参入を含め、国内系の大口取引主体にも大きな変化がみられる可能性もある。寄り付き前に1月の鉱工業生産が発表される。良好な内容が確認できれば、マクロ経済の底打ち期待から日本株の押し上げ材料となる可能性がある。

日経平均株価は5日移動平均線(18554円、2/26)をサポートに「押し目待ちの押し目なし」の展開が続く。一目均衡表では2/27に抵抗帯(雲)のネジレが生じる。週足ベースでは株価は26週移動平均線を10.8%上回っており(2/26現在)、2013年後半からの上限(13%程度)に近く過熱警戒水準にある。今後の上値の参考値は、18863円(昨年4月安値からのE計算値)、19388円~19500円処となる。。

26日のNY株式相場でダウ平均は前日比10.15ドル安の18214.42ドルで終了。取引時間前に発表された米新規失業保険申請件数は31.3万件と予想の29.0万件より悪化、米1月消費者物価指数(CPI)は-0.7%と予想-0.6%を下回ったがコアは+0.2%と予想の+0.1%を上回った。米1月耐久財受注は+2.8%と予想の+1.6%を上回ったが、同(除輸送用機器)は+0.3%となり予想の+0.5%を下回った。指標結果はまちまちとなったが為替市場ではコアCPIを好感してドルが買われた。原油安を受けてS&P500のエネルギー株は前日比1.77%安と大幅に下落した。NASDAQは同20.75ポイント高の4987.89ポイント、S&P500は同3.12ポイント安の2110.74ポイントで終了した。
 
円建てのCME225先物は昨日の大証日中終値と比べ70円高の18870円、ドル建ては85円高の18885円で終えた。

1月27日

2015-02-26 | 経済動向
東京市場は小動きか。イエレン米FRB議長の議会証言も波乱なく通過し、市場の関心は来週の米2月雇用統計に向かい、足元は材料難の相場展開が予想される。欧州株式が伸び並んだ影響が寄り付きから利益確定売りとして意識されそうだが、海外勢や年金を含めた大口資金が買い手になる構図に変わりはなさそうで、地合いの体感温度は前日とほぼ同じイメージではないだろうか。石油価格上昇を受けて資源関連株の上昇が予想されるほか、米ヒューレット・パッカードやアップルの下げでハイテク株の下落が予想され、物色は消去法的に銀行や証券株に注目か。ファストリや前日急伸したソフトバンクあたりの株価動向が指数変動のカギとなろう。
日経平均の日足ローソク足は2日ぶりに陰線を形成。RSI(9日)は92.48%→87.36%に低下した。一目均衡表では27日に雲のねじれが生じる。トレンドの転換点となる可能性もあるため注視しておきたい。上値メドは18700円処(昨年12/8高値からの調整幅1358円をその調整波の中値や2/3安値から上げた水準)~18863円(昨年4月安値からのE計算値)、19388円~19500円処となる。

25日のNY株式相場でダウ平均は前日比15.38ドル高の18224.57ドルで終了した。イエレンFRB議長の下院での証言には特段目新しいものはなかった。取引時間中に発表された1月新築住宅販売件数は48.1万件と予想の47.0万件を上回る結果となったが市場の反応は限定的。特許侵害で5.33億ドルの支払いを命じる評決の報道が嫌気されたアップルの下げが重荷となり、NASDAQは0.99ポイント安の4967.14ポイント、S&P500は1.62ポイント安の2113.86ポイントで終了した。
 
円建てのCME225先物は昨日の大証日中終値と比べ5円安の18625円、ドル建ては5円高の18635円で終えた。

2月23日

2015-02-23 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり994/値下がり721と値上がり優勢。主力株では自動車株が総じてしっかりの動きで、トヨタは2007年2月28日以来、約8年ぶりに終値ベースで8000円台を回復した。また、米アップルの要請を受け新工場の建設を検討しているとの観測が報じられたジャパンディスプレイが5%超の大幅上昇となったほか、東京精密やSUMCOなどにも買いが入った。一方、きのうまで強い動きが続いていた三菱UFJフィナンシャルGなど銀行株は上昇一服の動きとなった。また、高値圏で推移していたファミリーマートやローソンは、イオンが小型格安店の出店を加速するとの観測報道が格好の利益確定材料となり、そろって大幅な下落となった。

【来週の見通し】 堅調な展開を予想する。騰落レシオ(25日)などの指標には短期的な過熱感はうかがえるものの、日経平均が昨年12月高値や2007年の戻り高値を更新したことで、テクニカル的には上方向への勢いが強まりやすい。国内要因は週末の雇用関連指標や消費者物価指数、鉱工業生産発表までは目立った材料が少なく、海外要因を注視しつつも、足元の強い基調を踏襲する展開となりそうだ。利上げが意識される上に直近の経済指標が強弱まちまちな米国や、ギリシャの債務問題を巡り不透明感の残る欧州などと比べて、日本株には相対的な買い安心感があり、日経平均は18500円どころをトライできるかどうかが注目点となる。

【今週を振り返る】 前週に続き騰勢を強める展開となった。週初に発表された10-12月期GDPは市場予想を下回ったが、3四半期ぶりにプラス成長となったことで市場に安心感が広がった。日銀金融決定会合では、金融政策は現状維持でノーサプライズであったが、「生産」と「輸出」の判断が上方修正され、指数の押し上げ材料となった。セクターでは、銀行株を筆頭に金融関連株が引き続き強い動きをみせ、全体市場をけん引した。日経平均は昨年12月高値に加え、2007年の戻り高値も更新し、15年ぶりの高値をつけるなど、買いの勢いが強まった。週間では418円の上昇、週足ベースでは5週連続で陽線を形成した。

【来週の予定】 国内では、1月20・21日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨(23日)、1月失業率・有効求人倍率、1月家計調査、1月消費者物価指数、1月鉱工業生産(27日)など。

海外では、独2月Ifo景況感指数、米1月シカゴ連銀全米活動指数、米1月中古住宅販売件数(23日)、米12月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米2月消費者信頼感指数、イエレンFRB議長は上下両院で半期の金融政策報告に関して証言する予定(~25日)(24日)、中国2月HSBC製造業PMI、米1月新築住宅販売件数(25日)、米1月消費者物価指数、米1月耐久財受注、米12月FHFA住宅価格指数(26日)、米10-12月期GDP改定値、米2月シカゴ購買部協会景気指数、米1月中古住宅販売仮契約(27日)など。

トレーダーズウエブより

2月20日

2015-02-20 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり1351/値下がり420と値上がり優勢。売買代金は2兆5648億円(概算)。主力株では再びメガバンク株が相場をけん引したことや、エレキ事業の分社化を好感しソニーが上昇。営業利益が7期ぶりに最高益を更新したトレンドマイクロが終日下値を切り上げた。イマジカ・ロボットHDは官民ファンドと住友商事の3社で、世界最大手のSDIメディアを買収することが話題となりストップ高。コロプラは「魔法使いと黒猫のウィズ」のダウンロード数3300万突破が好感され、一時は75日線付近まで戻す場面があった。また、政府がカジノの候補地を横浜市と大阪市にする方針と報じられ、カジノ関連株として、日本金銭機械やオーイズミに短期資金が向かった。一方、ソフトバンクが3日続落。ファストリやJALが下げた。 新興市場では日経ジャスダック平均が昨年来高値を更新。固体高分子形燃料電池用新型セパレータを開発したエノモトがストップ高となり、東証二部ではアパレル事業に参入と報じられたラオックスがにぎわった。

日経平均株価は歴史的フシとなる2007年7月高値18,261円を上回った。バブル崩壊以降、高値を切り下げてきた下落波動だが、直前の主要な戻り高値をはじめて上回ったことで大きな変化が生じる可能性がある。ただ、注意が必要なのはTOPIXの2007年高値まではまだ遠いことだ。日経平均株価が早すぎるのか、TOPIXが遅すぎるのか?日経平均株価はフシを超えても、TOPIXが超えられない場合はいずれ弱気のサインとなりえる点には注意しておきたい。 短期的には、銀行、証券、不動産などリフレ関連を中心とした内需系主力株に加え、決算一巡後の再評価によって好業績株に見直し買いが入る展開が予想される。増配、自社株買いなど株主還元への期待感や、最近では国内企業による海外企業への買収報道などの積極スタンスも、相場の好調ムードを支えている感がある。好地合いだからこそ狙えるリターン・リバーサルの売買や、高利回り株への資金流入が期待できそうだ。