銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

5月29日

2015-05-29 | 経済動向
東京市場はもみ合いか。欧米市場は軟調も、円建てのCME225先物は大証日中終値と比べ15円高の20585円、ドル建ては20円高の20590円と、きのうの日経平均終値(20551.46円)を上回る水準で取引を終えている。下落とはいえ比較的落ち着いた動きとなったことで、日本株へのネガティブ影響は限定的となりそうだ。きょうは寄り前に4月鉱工業生産や消費者物価、雇用指標など、注目度の高い指標が発表される。ポジティブな内容となれば、株価の下支え要因となりやすい。ただし、週末でもあり積極的に上値を追う動きも限られると想定され、前日終値近辺での小動きを予想する。きのうの米国市場の下落に関しては中国株の下落が嫌気された向きもあり、きょうの中国株が大きく下落するようだと、売り優勢となる展開はあり得る。そのため、下のレンジを広めにみて、日経平均株価の予想レンジは20650円-20380円。

5月27日

2015-05-27 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり703/値下がり1024と値下がりが優勢となった。鉄鋼株が総じて強含み、中期経営計画が好感された日本製紙や、有利子負債削減の観測が報じられた大王製紙など、製紙メーカーにも強い動きが見られた。東京電力も年初来高値を更新しており、重厚長大型の銘柄、セクターへの選好が強まった印象。ほか、東証一部への市場変更を発表した日本通信が商いを伴って急騰し、日本コンピュータ・ダイナミクスは連日のストップ高となった。一方、筆頭株主との資本・業務提携解消を発表したタカラトミーは売りが優勢となり、直近強い動きが出ていたそーせいG、イマジニアなどは大きく売られる展開となった。

日経平均は8連騰で地合いの良さが強く意識される一方、短期的には高値警戒感も強まりやすい局面に入ってきた。物色も普段それほど動かないマイナーなセクターが買われ、個別も特定の銘柄に資金が集中し、動きの止まった銘柄は大きく売られる動きが散見されるなど、手詰まり感がうかがえる。東証一部の売買代金はかろうじて2兆円に乗せた程度で薄商い。きょうは海外市場休場の影響も大きいが、高値掴みを警戒する投資家は積極的に上値を追いづらく、あす以降、海外投資家が戻ってきても売買は盛り上がらない可能性がある。連騰記録に期待したい面もあるが、そろそろ適度な調整があった方が、持続的な株価上昇という点では好ましい流れと考える。

引け後に為替市場ではドル高・円安が進行しており、為替動向が株式市場の波乱要因となる可能性が出てきた。ドル高は米国企業の業績悪化懸念から米国株の売り圧力となりやすい。きょうの物色でも外需関連株がドル高を好感して上昇する動きは限定的であったが、為替に関しては短期間で急激な動きが出て来るとポジティブ要因よりネガティブ要因の方がクローズアップされやすい。ここからの一段のドル高・円安は要警戒と考える。

本日・・・

東京市場は弱含みか。休場明けの米国株は急激なドル高による企業業績悪化懸念やギリシャ不安の再燃などから大幅に下落した。円建てのCME225先物は大証日中終値と比べ50円安の20420円、ドル建ては40円安の20430円で取引を終えた。米国株が大きく下げた割にはCME225先物は比較的高い水準を保っている。為替に関しては急激な動きは短期的に株式市場のかく乱要因になるが、中期的にはドル安進行は日本株には好影響を及ぼしやすく、米国株下落のネガティブ要因を相殺していると想定される。日経平均は安いながらも案外しっかり、もしくはプラスで始まる展開も想定されるが、8連騰で高値警戒感も強まりやすく、上値の重さから次第に売りが優勢となる展開を予想する。日経平均株価の予想レンジは20300円-20460円。


5月25日

2015-05-25 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり1011/値下がり718と値上がりが優勢。やや手がかり難のなか、原油価格上昇を手がかりに国際帝石や石油資源開発など鉱業セクターの選好が強まった。日経平均に歩調を合わせ、野村HDは6連騰で連日で年初来高値を更新した。前場取引時間中に上方修正を発表した三陽商会、自社株買いを発表した新東工業、証券会社の新規カバレッジが入った竹内製作所などが急騰した。日経報道を手がかりに東和薬品や沢井製薬など、後発医薬品銘柄にも強い動きがみられた。一方、筆頭株主の株売却が報じられた西武HDとすかいらーくがそろって大幅安となった。

1-3月期のGDPやFOMC議事録要旨公表、日銀金融政策決定会合など、国内外の注目度の高いイベントをこなしながら、日経平均は6連騰で2万円を回復し、年初来高値を更新した。この動きは非常に強い。日経平均の2万円回復は今年3度目で、過去2回は2万円回復後にほどなく失速したが、今回は2万円をつけた後の動きが良く、前回4月の高値も抵抗とならずあっさり抜いており、目先は乱高下はありながらも上昇基調を強める展開を予想する。

【来週の見通し】 堅調な展開を予想する。日経平均は今週の動きが非常に強かっただけに一定程度の反動も予想されるが、騰落レシオなどをみても過熱感は薄く、高値更新の勢いが続くと考える。今週2万円を大きく上回って終えたことで、ここからは2万円が一定のサポートとして働きそうで、下値では買いが入りやすい展開が想定される。月末週で週末の29日には消費者物価指数や鉱工業生産など経済指標の発表が集中する。1-3月期GDPが市場予想を上回るなど、マクロ経済の回復期待が高まりつつあり、良好な結果が確認できれば全体市場の下支え要因となりやすい。海外市場が波乱要因ではあるが、足元の強さを受け、グローバル市場で相対的に日本株の選好が強まる可能性もある。物色面では今週マザーズ指数が強い動きとなったことや、週前半が海外市場の休場に伴い、市場参加者の減少や市場エネルギーの低下も予想されることから、中小型株の選好が強まる展開を予想する。

【今週を振り返る】 強い動きとなった。日経平均は週初から騰勢を強める展開で、19日には4月28日以来となる2万円の節目を回復した。その後も買いの勢いは衰えず、20日には1-3月期GDPが市場予想を上回ったことが好感され、4月23日につけた年初来高値を更新した。米国ではNYダウ、S&P500が高値を更新し、為替市場ではドル高・円安基調が強まるなど、良好な外部環境も株高をサポートした。物色面では銀行や保険など金融関連が強含み、日経平均の2万円回復で証券株にも強い動きがみられた。不動産や電力にも買いが入り、21日には東京電力が一時10%超の急騰を演じる場面もあった。日経平均は6連騰で連日で高値を更新、週間では約531円の上昇となり、3週連続で陽線を形成した。

5月21日

2015-05-21 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり1113/値下がり640と値上がり優勢。上述の不動産株に加え、東京電力を筆頭に電力株も後場に入り騰勢を強めた。野村HDは4日続伸で年初来高値を更新した。ヤフーとの提携および自己株取得を発表したアスクルや、新アトラクション開設を発表したOLC、株式併合および単位株式数の変更を発表したTOTOが大幅上昇。TOBへの賛同を表明した栄光HDがストップ高まで買われ、同社に絡んで進学会なども急騰した。一方、エアバッグの欠陥を認め、リコールに応じる意向が報じられたタカタは急落した。

日経平均は市場予想を上回る1-3月期GDPに安心感が広がり、買いの勢いが強まった。今の地合いは相当強いとはみていたが、FOMC議事録公表を前に年初来高値を更新するまでの動きとなったのは、ただただ驚くばかり。20日時点の東証一部の騰落レシオ(25日移動平均)は104.11%、25日移動平均線からの上方かい離も2%弱で、指標面ではまだ過熱感を懸念するほどの水準ではなく、売買代金の増加傾向などを見ると、むしろここから上昇拡大という雰囲気もある。

ただし、日経平均は4営業日連続で3桁の上昇となっており、短期的には急ピッチの調整も警戒しておきたいところ。金曜日には日銀金融決定会合の結果発表が控えている。今回も特段の変更はないとの見方が大勢だが、今週のここまでの日経平均の動きが非常に強いことから、仮に金曜午後に政策変更なしの内容が伝わった場合、利食い売りと失望売りが合わさって、大きめの下げとなる可能性はある。先週から今週にかけて強い動きを見せているセクターが銀行、証券、不動産など、昨年10月の追加金融緩和発表で急騰したセクターということも気に留めておく必要がある。

あすはFOMC議事録公表内容を受けた米国株の動向が焦点となる。ポジティブな反応となれば、日本株も一段高の展開が期待できよう。ただ、利益が出ている銘柄に関しては一部利食いを検討しても良い局面と考える。逆にネガティブな反応となり、日本株も下げた場合は、金曜は方向感に乏しい展開が予想されるが、短期的な過熱感を程よく冷まし、来週以降の上昇につながりやすいとみることから、押し目買いの好機と考える。

東京市場はしっかりか。注目された4月のFOMC議事録要旨では、多くのメンバーが6月利上げの可能性は低いとみていたことが明らかになったが、米国株の反応はまちまち。円建てのCME225先物は大証日中終値と比べ45円高の20275円、ドル建ては70円高の20300円で取引を終えた。米国株が落ち着いた動きとなったことは日本株にとって非常にポジティブ。為替市場でドル高基調が一段と強まっている点も日本株を後押ししよう。きのう日経平均が年初来高値を更新したことで先高期待が一段と高まる展開が想定される上に、きょうの日本経済新聞では日銀が景気判断の上方修正を検討するとの観測が報じられており、景気回復期待からも株式の買い安心感が強まる展開を予想する。日経平均株価の予想レンジは20200円-20400円。


5月20日

2015-05-20 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり1242/値下がり514と値上がり優勢。きのうまで強い動きとなったメガバンクは上昇一服となったが、野村HDなど証券株が上昇し、全体市場をけん引した。あすに4月訪日外客数の発表を控え、インバウンド全般に買いが向かい、上述のラオックスに加え、ドンキホーテや象印マホービンなどが大幅高、三越伊勢丹やH2Oリテイルなど百貨店株も上昇した。株式分割を発表したハウスドゥやエレコムには強い買いが入り、ガーラやそーせいG、関門海、小野産業などは連日で値を飛ばした。富士通とNECが公正取引委員会の立ち入り検査を受けたことを発表し、どちらも発表後に下落したが、NECはその後にプラスに戻した一方、富士通はマイナス圏の動きが続くなど、株価反応には温度差が見られた。

日経平均はほとんど押し目を作らず2万円を回復し、終値ベースでも4月28日以来の2万円を回復した。決算一巡で株価を大きく刺激する材料は減ったものの、大型、中小型まんべんなく買われており、勢いの良い銘柄への買いだけでなく、直近決算で下げた銘柄にも押し目買いが入るなど、むしろ落ち着いて個別を物色する動きが強まった印象。あすは寄り前の1-3月期GDPの内容が注目される。今の株式市場の地合いを鑑みると、著しく悪い結果とならなければ、イベント通過で上昇基調を強める展開が想定され、4月23日の高値20252.12円も視野に入る。一方、弱い結果となった場合、いったんは売り反応が予想されるも、押し目買い意欲は強いと想定される上に、21日からの日銀金融政策決定会合への期待感が下支えとなりそうだ。

国内は地合いが良くなりつつあるなか、海外市場のサポートは続くかどうか。あすの晩の米国市場では4月のFOMC議事録が公表される。議事録内容がタカ派的かハト派的か、また米株市場が内容をどう消化するかが大きな注目点となる。米国株がダウ平均、S&P500ともに高値圏で推移していることから、タカ派的な部分に大きく反応して売りが強まる可能性は一定程度警戒しておきたいところ。あすの国内市場でも、特に後場にかけては議事録公表を前に様子見姿勢が強まる可能性はある。議事録内容が好感され、米国株が一段と高値を追うような展開となれば、週後半の日本株は上値追いの展開となりやすい。