銀右衛門文庫の経済動向

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6月20日

2016-06-20 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1324/値下がり552と買いが優勢。業績上方修正を発表した西松屋チェーンが値を飛ばし年初来高値を一気に更新。同じく上方修正発表のスター・マイカやエスクローAJ、東証1部への指定替えを発表した日本エスコンやソルクシーズなどが大幅高となった。燃費不正車種保有者に一律10万円の賠償を支払うとの観測が伝わった三菱自が後場急伸した。スマホサイト1ページに動画を7本再生させる技術を開発したと報じられたメディアシークはストップ高比例配分となった。一方、月次軟調のラオックスや下方修正発表のスカパーJが大幅安。きのうストップ高まで買われたアンジェスMGやインスペックは、きょうは一転して大きく売られる展開となった。

今週に入り、各種報道などから英国のEU離脱懸念が高まり、株式市場、為替市場ともに不安定な動きが続いた。マーケットがリスクとして大きく反応したことから、来週も同関連の材料で一喜一憂の展開となるであろう。投票後の推移に関しては、24日の東京市場が真っ先に消化することになる。日本株が動いている間に大勢が決しているかは微妙であるが、速報などから大きな動きが出てくる可能性は高い。木曜日までのトレンドが金曜日に一変する展開も想定しておく局面。初動反応としては、残留濃厚となれば買いで、離脱濃厚となれば売りであろう。ただし、仮に離脱となり、マーケットが大きく下に振れるような展開となった場合、日米欧で協調して、そのリスクを抑えにかかる可能性は高い。また、今週の株価下落で、離脱リスクも一定程度織り込んでいると想定される。状況によっては来週は非常に厳しい展開となる可能性もあるが、過度に悲観に傾くような場面があれば、押し目は拾っておきたい局面だ。

【来週の見通し】 波乱必至の展開か。EU残留か離脱かを問う23日の英国民投票の結果がグローバルマーケットの大きな注目点となり、全体的には結果判明までは不安定な動きが続くと予想する。24日の東京市場で開票が進むため、同日は株式、為替とも目まぐるしく動く可能性がある。投票に先んじて米国では、イエレンFRB議長の議会証言が予定されており、こちらも次の利上げ時期の手がかりが得られるかどうかという点で注目度が高い。ドル円にも大きな動きが出てくる可能性がある。国内は企業決算や経済指標など株価の刺激材料が少ない上に、今週、指数やドル円の動きが非常に荒くなっただけに、外部環境に大きく振らされる地合いが想定される。

【今週を振り返る】 軟調な展開となった。世論調査などから英国のEU離脱リスクが意識され、欧米株安、原油安・円高とリスクオフの地合いとなったことから、日本株は週初から大幅安の展開。FOMCや日銀金融政策決定会合を前に買いが手控えられるなかで売り圧力が強まった。FOMCでは大方の見方通り6月利上げは見送られ、市場の反応は限定的であったが、日銀の追加緩和見送りは大きな失望材料となり、日経平均は4月の安値を割り込み、ドル円は黒田総裁会見を受けて103円台をつける場面があるなど、株安・円高の流れが強まった。日経平均は週間では約1001円の大幅下落となり、週足では長い陰線を形成した。


6月20日予想

東京市場はもみ合いか。先週末の海外市場は欧州株は上昇、米国株は下落とまちまちの動き。欧州は英国民投票に関して残留派挽回の見方から買い戻しの動きが強まった一方、米国は中国での「iPhone」販売に対する警戒が強まったアップルの下落などが響き、軟調な推移となった。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて20円高の15550円、ドル建てが110円高の15640円で取引を終えた。引き続き英国民投票を前に神経質な展開は想定されるが、欧州株の上昇に加え、先週103円台を見たドル円は足元では104円60銭台と円高一服となっており、ここから売り込む材料にも乏しい。買いにも売りにも傾きづらい地合いのなか、前週末の終値近辺で一進一退の推移が続くと予想する。日経平均の予想レンジは15500円-15680円。

トレーダーズウエブより