銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

8月30日

2015-08-30 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり1822/値下がり61と全面高。3営業日連続で1000を超える銘柄が上昇した。物色では原油価格急伸を手がかりに原油高メリットセクターが軒並み大幅高。国際帝石や出光興産などが大きく上昇し、なかでも商社の動きの良さが目立った。日経新聞の業績観測などを手がかりに伊藤忠は8%の上昇をみせた。中国への過度な悲観が和らいだことから、新日鉄住金やコマツ、ファナックなども大幅に上昇した。JR東海のリニア中央新幹線に関する報道を手がかりに、建設株が買われたほか、鉱研工業や銭高組、郷鉄工、土木管理などが急伸した。一方、全面高のなかでドラッグストアの動きが鈍く、サンドラッグやツルハHDなどは逆行安となった。

日経平均は今週前半の急落で26日には17714.30円まで安値をつけたものの、後半の急伸で1万9000円台を回復した。8月18日から6日続落で2800円超下げた後、26日からの3日間で1300円超上昇し、ざっくり下げの半分を戻した格好となる。目先は26週線(19970円)や25日線(20060円)が位置する2万円どころを試せるかどうかが焦点となる。きょうの高値(19192.82円)が、急落した月曜24日の高値(19154.65円)や、急落前につけた7月9日の安値(19115.20円)を上回っており、もう一段上を試しそうな感はある。2万円より前のターゲットとしては、21日の安値(19435.83円)を上回り、大きく開いた窓を埋めることができるかどうかに注目しておきたい。

【来週の見通し】 方向感に乏しい展開を予想する。今週、日経平均は乱高下の動きとなったが、週後半にかけての上昇で1万9000円台まで戻しており、リバウンドとしては一定の達成感もある。全体的には週末に控えた米雇用統計を前に様子見姿勢が強まりやすい局面で、特に今回の数字は9月の利上げを占う意味で注目度が高まることから、利上げ意識で米国株の上値が重くなる可能性がある。米国では他にも米8月ISM製造業景況指数やベージュブックなどがあり、欧州ではECB定例理事会およびドラギ総裁会見、中国では8月製造業PMIなど、海外の注目指標やイベントは多い。日本株同様、欧米株も急落からの戻り局面にあり、欧米株が一段と戻りを強まるかどうかも日本株のモメンタムに大きな影響を与えると考える。海外市場やイベントを手がかりに一喜一憂の展開が続きそうだ。

【今週を振り返る】 大荒れの展開となった。前週末のダウ平均が500ドルを超える大幅下落となったことから、週明け24日の日経平均は大幅安スタートで19000円をあっさり割り込み、下落幅は895円と今年最大となった。翌25日もダウ平均が大幅安となったことを受け733円の下落と、2日で1600円超の大幅下落。為替市場ではドル安・円高が進み、恐怖指数VIXが急伸するなど、世界的にリスク・オフの流れが強まった。一方、中国の相次ぐ景気対策を好感する格好で、後半にかけては戻りの動きを強めた。欧米株も反転し上昇の動きを強めたことや、上海株が下げ止まったことなどを受け、26日以降は全面高の上昇が続いた。日経平均は週間では299円の下落ながら、週足では3週ぶりに陽線を形成した。

8月28日

2015-08-28 | 経済動向
東京市場は続伸か。欧米株はそろって大幅上昇。上海株が大幅高となったことに加え、米4-6月期GDP改定値の好結果、原油価格の大幅上昇などが好感された。円建てのCME225先物は大証日中終値と比べ445円高の19015円、ドル建ては455円高の19025円で取引を終えた。欧米株高を受け、強い動きが予想される。グローバル市場で株価の底打ち感が強まるなか、週末のジャクソンホールシンポジウムでのフィッシャーFRB副議長講演内容への期待感に加え、中国の一段の景気対策期待も高まりやすいタイミング。寄り前に発表される7月消費者物価指数に関しては、強ければ素直に好感され、悪ければ日銀追加緩和期待が高まりやすく、マーケットへの影響はポジティブと考える。日経平均も高寄りから堅調な推移を予想する。予想レンジは18800円-19200円。

8月26日

2015-08-26 | 経済動向
東京市場は上値の重い展開か。きのう中国人民銀行が追加利上げを発表、これを好感し欧州株が大幅高となり、米国株も序盤は大幅高。これで世界市場の急落一服と思いきや、終盤にかけ急落し、終わってみればダウ平均は200ドル超の下落となった。円建てのCME225先物は大証日中終値と比べ80円高の17750円、ドル建ては95円高の17765円で取引を終えた。日米欧各市場で、いったんは切り返す動きが出たことから、そろそろ落ち着きどころを探る局面に入ってはいるが、きのうの日本株を彷彿させるような米国株の失速で、株式市場の不安心理は高まりやすい。中国の利下げに対する中国株の反応を見極めるまでは積極的には動きづらく、序盤は様子見姿勢が強まる展開が想定される。材料的にはポジティブに反応して然るべき内容であるため、上海株が買われれば一定の安心感が広がるが、ネガティブに反応すれば売り圧力が強まると考える。日経平均の予想レンジは17300円-18100円。

8月24日

2015-08-24 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり33/値下がり1854と全面安。金融株の下げが目立ち、メガバンク3行は商いを伴って大幅に下落した。日経平均が連日で大幅安となるなか、ここまで値持ちの良かった銘柄の下げが大きくなった。内需、外需、大型、小型問わず総売りの展開で、マザーズ指数は年初来安値を更新した。材料のあったところでは、臨時総会で村上世彰氏らを社外取締役とする議案の否決が伝わった黒田電気が後場から急落した。そのようななか、自己株取得を発表したテクマトリックスがストップ高まで買われ、市場の注目を集めた。7月月次が好調であったネクストや、熊本大と極細のマグネシウム合金ワイヤ作成技術を開発したと伝わった東邦金属、LSI新製品が国産車純正品で採用されたと発表したザインエレクトロニクスなどが強い動きとなった。

中国リスクがグローバル市場全体に波及する格好で世界株安の展開となった。ダウ平均は年初来安値を更新し、日経平均も節目の2万円をあっさり割り込んだ。中国に関しては、先週の人民元切り下げが株安を招いた格好となり、実体経済の混乱が懸念される。何らかの対策が打たれるとの期待が強いが、先週の人民元切り下げのように、出てくる対策がマーケットに悪影響を及ぼす可能性もあり、対策が出ればそれで市場が落ち着くと考えるのは楽観的か。周辺国への影響も引き続き懸念材料となる。その意味では、米国の利上げ棚上げ、もしくは日欧の金融緩和に期待が高まりやすく、催促相場の様相が強まりそうだ。日経平均はきょう2万円を割り込んだのは仕方ないとしても、1万9500円まで割り込んだのはショッキングな動き。26週線の明確な下抜けで、中長期の上昇トレンドにも黄信号が灯った。目先は7月9日につけた安値(19115.20円)が意識されるが、同水準を割りこむとサポート水準が乏しく、24カ月移動平均線(16832円)が控える1万7000円どころに向けて一段と調整色を強める可能性もある。来週は正念場の1週間となりそうだ。

【来週の見通し】 軟調な展開を予想する。日経平均は今週、週間で1000円超下落した。一定のリバウンドは期待できるものの、下げの度合いが大きかったことへの警戒感から、戻り売り圧力も強いと想定される。国内は週末(28日)の消費者物価指数や雇用関連指標発表くらいしか目立ったイベントがなく、取引時間中は上海株の動向に一喜一憂となりやすい。海外では米4-6月期GDP改定値や米7月耐久財受注など、注目される経済指標は多いが、足元9月の利上げが意識される局面では、結果が悪くても利上げ懸念を払しょくできない一方、良ければ利上げ意識で株安材料となり、経済指標が米国株の買い材料とはなりにくい。ギリシャが選挙の意向を示したことや、北朝鮮と韓国の軍事的緊張の高まりなど、中国以外にもリスクは点在している。突発的な材料で下押し圧力が強まる可能性もあり、上値は重いと考える。

【今週を振り返る】 大幅安の展開となった。4-6月期GDP速報値はマイナス成長も市場予想は上回り前半はしっかりの動きとなったが、上海株が下げ基調を強めたことが嫌気され、一気にセンチメントが悪化した。注目された7月訪日外客数は単月で過去最高を更新したが、中国人訪日客の伸び鈍化などが嫌気され、インバウンド銘柄は発表以降に売られる動きがみられた。FOMC議事録はややハト派的な内容が確認されたが、米国株の買い材料とはならず、為替市場ではドル安・円高が進行したことから、日本株にはアゲインストの流れとなった。上海株の弱い動きが続くなか、世界的な景気減速懸念から、欧米株も大幅安の動きとなり、リスク・オフの動きが強まった。日経平均は週間では1,083円の下落、週足では2週連続で陰線を形成した。

トレーダーズウエブより参照

8月21日

2015-08-21 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり240/値下がり1580と2日連続で値下がり銘柄が1500を超える全面安相場。消去法で買われるセクターにも買いが続かず日経平均はほぼ安値引け。きのうに続き幅広い銘柄が売られるなか、損保JPNKや東京海上HDなど保険株が大きく下げた。トヨタが部品メーカーに値下げ要請を再開したとの報道を受け、デンソーや豊田合成など、トヨタ部品関連銘柄が売られ、本体のトヨタも軟調な推移となった。今期の営業減益見通しを発表した北川精機は急落した。そのようななか、好材料が出た銘柄には資金が向かい、オンコリスやエンバイオがそろってストップ高まで買われた。1部指定替えを発表した太田昭和や日東エフシーは急伸、株式分割を発表した丸和運輸は大幅高で年初来高値を更新した。

日経平均のきょうの安値は20033.29円で、節目の2万円割れに迫った。後場早々にプラスに転じる場面がありながら買いが続かず、再びマイナス転換の後は下げ幅を広げており、買いはお手上げといった状況。国内に買い材料が乏しい状況が続くなか、海外市場も弱く、売りが売りを呼んでいるといった地合いとなっている。ただし、連日の下げで先週末の水準からは500円近く下げており、値幅調整は十分に進んだ。この下には26週線(19980円)が控えているが、同水準は昨年後半以降、日経平均の調整局面では何度かサポートとしての機能を果たしてきた。今晩の欧米市場がクラッシュ的な下げとならなければ、あすは2万円を割り込む場面があったとしても深押しはないと考える。きのうきょうの下げ方は、薄商いのなか先物主導で下に振らされた感もあり、2万円どころで切り返す動きがみられれば、特段の材料がなくても大きく値を戻すような展開も大いにあり得ると考える。

欧米株大幅安でリスク・オフモード強まる
 
東京市場は軟調か。海外市場は大幅安。世界的に景気減速懸念が強まりダウ平均は300円超の下落で年初来安値を更新した。円建てのCME225先物は大証日中終値と比べ435円安の19605円、ドル建ては420円安の19620円で取引を終えた。債券、金が買われ、為替市場ではドル安・円高が進行、恐怖指数VIXも急伸と、リスク・オフモードに突入しており、きょうは厳しい流れとなりそうだ。突っ込んで下げたところでいったん買いも入る可能性もあると考えるが、日経平均2万円割れの押し目買いを狙っていた投資家も、この局面では手控えが予想されることから、戻りは限定的であろう。きょうの上海株が一段と下げるようであれば、よりリスク・オフの流れが強まる可能性もあり、弱い地合いが続くと予想する。日経平均の予想レンジは19400円-19800円。