銀右衛門文庫の経済動向

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10月4日

2012-10-04 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。欧米株高や円高一服などを背景に買い戻しが入りそうだが、国内外の不透明要因が多く上値は重そう。週初から買い一巡後に伸び悩み下落するという展開を続けているが、その流れを払しょくするには至らなそうだ。東証1部の売買代金は1兆円割れが続いており、きょうもECB理事会、FOMC議事録の公表などを控えて様子見ムードが強まる可能性が高い。日経平均の予想レンジは8650~8800円。

足元で底割れする銘柄が相次いでいる。3日に東証1部で年初来安値を更新した銘柄は159に達し、その顔ぶれをみると鉄鋼、化学、機械などの資源関連株が多い。これらの業種では、すでに下方修正している銘柄もあるが、足元のマクロ環境を踏まえるとさらなる業績下ブレリスクが拭えない。中国物流購入連合会(CFLP)と中国国家統計局が3日発表した、9月非製造業購買担当者景気指数(PMI)は53.7と前月比2.6ポイント低下。景気判断の分かれ目である50は上回ったが、企業の生産活動にかかわるサービスの分野で勢いが弱まり急速に悪化した。中国は国慶節で株式市場は長期休場中だが、連休前に政策期待を背景に上海総合指数が上昇していただけに、週明け後の動向が懸念されよう。

3日のNY株式相場は小幅上昇。米経済指標結果を好感も、HPによる慎重な業績見通しや原油価格の下落によりシェブロンに売りが入ったことが重しとなった。ダウ平均は前日比12.25ドル高の13494.61ドルで終了した。9月ADP全国雇用者数と9月ISM非製造業景況指数の結果が予想を上回ったことを好感した。また、調査会社コアロジックが8月の住宅価格の上昇を報告したことを好感し、レナー、パルトホームなどの住宅建設株に買いが入り、ダウ平均は一時53.91ドル高の13536.27まで上昇する場面がみられた。しかし、NY午後に入り、HPが13年度の法人向けサービスの売上高を11-13%減と慎重な予想を示し、業績改善には時間がかかると言及したことが嫌気され、同社を筆頭に一部ハイテクが重しとなった。また、原油価格の下落によりシェブロンにも売りが入り、引けにかけて上げ幅を縮小させた。NASDAQは前日比15.19ポイント高の3135.23ポイント、S&P500は同5.24ポイント高の1450.99ポイントで終了した。個別では慎重な見通しが嫌気されたHPは13%急落した。一方、8月住宅価格の上昇を好感し、レナー、KBホーム、パルトホームなどは6%超上昇した。

前日の日経平均は後場下げに転じると、先物主導で下げ幅を60円程度に拡大する場面もみられた。東証1部の値下がり銘柄数は1104(全体の65.9%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。地合い悪化で国際優良株、資源関連株などが売られ、安値更新する銘柄が相次いだ。売買代金トップのトヨタは米自動車販売好調などを手掛かりに続伸したが、引けにかけて伸び悩み。石油資源開発は秋田で「シェールオイル」の試験採取に成功と報じられ急騰し、日本海洋掘削なども連れ高。ファーストリは9月既存店売上低迷ながら大幅反発した。