銀右衛門文庫の経済動向

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10月2日

2012-10-02 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。欧米株高や円高一服を受けて買い戻しが入りそう。ただ、依然として世界的な景気減速懸念が拭えないほか、業績下振れリスクなどを勘案すると戻りは鈍そう。朝方の買い戻し一巡後は上値の重い展開になるとみられる。日経平均の予想レンジは8750~8850円。

名実ともに下期相場入りとなったが、1日の東証1部の売買代金は前日比20.5%減の8905億円に留まり、新規マネーが流入した気配はない。また、10月相場における日経平均の騰落状況を調べると、過去15年で7勝8敗だが、直近は2007~2010年にかけて4年連続で下落するなど、鬼門の月となりつつある。リーマン・ショックの余波で急落した2008年(23.8%下落)を筆頭に、金融危機や景気に対する不透明感が強まると相場が急落する場合もあるので留意すべきだろう。

1日のNY株式相場はまちまち。欧米の堅調な経済指標結果を好感した。ダウ平均は前日比77.98ドル高の13515.11ドルで終了した。ダウ平均は買いが先行。スペインとイタリアの9月製造業PMIが市場予想を上回ったことから、欧州景気の改善が意識された。また、米9月ISM製造業景況指数の結果が4カ月ぶりに景気判断の分かれ目となる”50”を上回ったことも好感され、指数は一時161.12ドル高の13598.25ドルまで上昇した。しかし、「マーケットの反応はややオーバーリアクションだった」(市場関係者)との指摘も聞かれるなか、引けにかけて徐々に上昇幅を縮小させる動きをみせた。NASDAQは前日比2.70ポイント安の3113.53ポイント、S&P500は同3.82ポイント高の1444.49ポイントで終了した。個別ではGSが2.8%上昇。バロンズで少なくとも25%の上昇余地があると指摘されたことが好感された。また、オンライン広告市場のシェア拡大が評価されているグーグルには連日で買いが入り、時価総額でマイクロソフトを抜いた。

日経平均株価は8796.51 -73.65円と続落。100日線(8806円)や抵抗帯下限(8775円)処を意識し、やや下ヒゲを残して取引を終えた。RSI(9日)は前日28.8%→27.3%に低下。昨年秋口から見られる「83~85日」の日柄が、6月安値から当てはまるのは9/28-10/2。長短はあれど、今週後半にかけては自立反発局面に入る可能性はある。9月上旬にも75日線を割り込んだあと、抵抗帯下限付近から急反発に転じた経緯があったことを忘れてはいけない。足元も同様、100日線、抵抗帯下限、9/6安値などを維持できるかが下値固めのポイントだ。ただし、9月の上昇に対する半値押し(8967円)以上に下げており、一度戻しても下記の10月後半まで調整(もみ合い)が続くと想定すべきだろう。基調に変化が生じやすいのは、9/28~10/2、10/19、10/31~11/2となる。先週末の陰線から少しマドを開けて下放れリスクが高まった状況にあるが、逆にマドを埋め戻す陽線で75日線(8866円)を越える動きが見られるか。抵抗帯上限が切り上がるタイミングに近く注目したい。