銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

4月27日

2012-04-27 | 経済動向
東京市場は売り買い交錯となりそうだ。米国株式相場は大幅続伸したものの、S&Pがスペイン国債を2段階格下げしたことの影響が懸念される。きょうは日銀の金融政策決定会合の結果を受けて相場が大きく動く可能性があり、ゴールデンウィーク前の週末で手じまい売りも出やすそうだ。日経平均の予想レンジは9350~9600円。

日銀は9~10日にかけて開催した金融政策決定会合で追加金融緩和を見送ったが、27日に開催する金融政策決定会合では追加緩和に踏み切る公算が大きい。日銀の西村清彦副総裁は18日に岡山市内で講演した際、今後の金融政策運営について「必要に応じて追加的な手段を講じていく姿勢にある」と表明。一部報道では、日銀はデフレ脱却に向けて27日の金融政策決定会合で追加の金融緩和に踏み切る検討に入り、国債などを買い入れる基金の枠(現行65兆円)を5~10兆円増額する案を軸にしていると伝わっている。また、2012年末としている基金の買い入れ期限を増額規模に応じて最大で半年間延長し、買い入れる長期国債の残存期間を3年以下に1年延長する議論なども浮上している。2月の追加緩和実施はポジティブ・サプライズを呼んだが、今回はマーケットに催促される形での追加緩和でインパクトは乏しい。それにもかかわらず、海外投資家は2月の追加緩和時のようなサプライズを期待している模様で、事前報道通りならば材料出尽し感および失望感から一気に円高・株安を招く可能性も考えられる。日銀が月初に発表した3月のマネタリーベースは前年同月比0.2%減と、前月(同11.3%増)から大きく減速し、2008年8月以来3年半ぶりの減少に転じた。 昨年3月は東日本大震災を受けて日銀が大量の資金供給を実施し、マネタリーベースが急増(16.9%増)していた反動があったにせよ、2月の追加緩和効果を疑問視する向きもあるだけに、日銀が市場の期待以上に緩和策を打ち出すことは考えにくいだろう。きょうは決算発表の1次ピークで、大引けのみならずザラ場でも決算発表が相次ぐが、例年通り期初予想は保守的な傾向がみられるため、市場予想を下回る見通しを示して急落する銘柄が相次ぐ可能性がある。特に11時発表予定の海運大手は、業績回復期待を背景に年初からの上昇が顕著だけに、決算発表後のマーケットの反応には要注目だろう。また、ゴールデンウィーク前の週末で、手じまい売りが出やすいことにも留意したい。

26日のNY株式相場は続伸。堅調な住宅指標の結果を受け、住宅建設株に買いが入ったほか、オランダの予算案が合意に向かうとの報道で欧州不安が後退した。ダウ平均は前日比113.90ドル高の13204.62ドルで終了した。寄り付き後、新規失業保険申請件数の結果が予想より弱かったことが重しとなり、ダウ平均は伸び悩む場面がみられた。しかし、予想より強い3月中古住宅販売保留件数の結果を受け住宅市場の回復が意識され、レナーやパルト・グループなどの住宅建設株に買いが入った。また、政局が混乱していたオランダで2013年の予算案合意に目処がたちそうとの報道により、欧州不安が後退。指数は上値を切り上げる動きをみせ、一時137.10ドル高の13227.82ドルまで上昇した。NASDAQは前日比20.98ポイント高の3050.61ポイント、S&P500は同9.29ポイント高の1399.98ポイントで終了した。個別では、取引終了後に決算発表を控えていたアマゾンは0.8%上昇、スターバックスは2%上昇した。一方、1-3月期決算で利益が予想を下回ったエクソンモービルは0.9%下落した。

前日の日経平均は後場下げに転じ、安値圏でのもみ合いを続けていたが、大引けにかけてまとまった買いが入りプラス圏に浮上した。東証1部の値上がり銘柄数は875(全体の52.3%)に達し、規模別株価指数は中型のみ上昇。内需関連が堅調な一方で、資源関連株で軟調な銘柄が多かった。円高進行を受けて、国際優良株の一角が下落。決算発表を受けてファナックが急落した一方、ダイハツとネットワンが急伸した。

日経平均株価は9561.83 +0.82円と小幅続伸。上値が重い印象が強かった一方、5日線(9538円)や転換線(9553円)処をサポートに底堅さもうかがえる展開となった。 RSI(9日)は前日52.3%→44.1%に低下。24日形成の十字足を下に単独で残しながらも、25日線(9747円)処の戻り売りをこなし下値を切り上げることができるか。25日線は直近高値(9680円~9690円)と同じ水準になってくるため、特に重要な節目となる。日足均衡表では抵抗帯上限値が切り上がる局面である。下方で推移する75日線を意識して下値固めができれば、上に突き出ていくイメージなども想定されよう。3/27高値から「26」日が経過する5/2の動きにまずは注視したい。一方、3/27高値を起点とした三波動構成の調整がまだ続く見方も十分考えられ、逆に下に突き出ていくタイミングになる可能性もある。下値メドは、昨年10月高値9152円~100日線(9200円)、200日線(9080円)の水準。200日線は微妙に下げに転じており、今後下げている間に株価が一時的に200日線を下回る展開なども想像できよう。その際は、昨年2月高値を起点に7月高値を通る下値支持線上の8800円~8700円が当面の下値メドとなる。変化日は5月2日、15日、30日、6月6日、21日がある。

トレーダーズウエブより

4月26日

2012-04-26 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。欧米株式相場の上昇、FOMCが無事通過したことを受けて買い戻しが継続しそう。ただ、日銀の金融政策決定会合やGW前ということもあり積極的な買いは期待できず、前日同様に買い一巡後は伸び悩む公算が大きいだろう。日経平均の予想レンジは9480~9610円。

3月期企業の本決算発表が本格化しているが、25日の大引け後にファナックが決算を発表。前12.3期業績は営業利益が前期比16.9%増の2218億円と2桁増益ながら会社計画(2360億円)に未達で、今13.3期見通しは非開示。9月中間期に関しては、営業利益が前年同期比3.1%減の1130億円で小幅ながら減益予想となっている。中国の金融政策の動きや円高の進行、資材の高騰などを踏まえたとしており、かなり保守的な見通しにも思われるが、市場予想では今13.3期の営業利益2430億円と見込んでいることを勘案すれば、今回のファナックの決算はネガティブ・サプライズとなる可能性があろう。同社株は日経平均への寄与度が非常に高い銘柄だけに、仮に急落する形となれば相場への影響も大きそうだ。

25日のNY株式相場は上昇。アップルやボーイングなどの主要企業の決算やFRB議長の発言が好感された。ダウ平均は前日比89.16ドル高の13090.72ドルで終了した。24日の取引終了後に発表されたアップルの1-3月期決算や、本日寄り付き前に発表されたボーイングの決算内容が好感された。ダウ平均は買いが先行し、一時104.14ドル高の13105.70ドルまで上昇した。FOMC声明が発表され、追加の金融政策は踏み切らなかったものの、前向きな景気見通しを示した。また、FRB議長が記者会見で「われわれは一段の措置に動く用意ある」「必要とあれば追加行動も、手段は机上にある」と発言したこともあり、買い優勢の地合いが続いた。一方、NASDAQはアップル関連銘柄に買いが入るなか、2%超上昇し終日、当日の高値圏で推移した。NASDAQは前日比68.03ポイント高の3029.63ポイント、S&P500は同18.72ポイント高の1390.69ポイントで終了した。個別では、アップルが8.9%上昇したほか、関連銘柄であるブロードコムが6.1%高、コーニングが7.1%高、シーラス・ロジックは11%急騰などとなった。また、堅調な決算を発表したボーイングは5.3%上昇した。

前日の日経平均は高値圏でのもみ合いに終始。円高一服やアジア株高を背景に買い優勢となったが、戻り待ちの売りも多く上値は重かった。東証1部の値上がり銘柄数は1206(全体の72.0%)に達し、規模別株価指数はすべて上昇。日銀の追加金融緩和期待で金融株、不動産株などが堅調な一方、国際優良株の一角が軟調。相場の手詰まり感から仕手系の低位材料株で値を飛ばす銘柄が散見された。

日経平均株価は9561.01 +92.97円と5日ぶりの反発。5日線(9544円)や転換線(9556円)意識した推移となった。前日の十字足を下の残す格好となり、あすも継続して反発が続くかが焦点となる。RSI(9日)は前日50.6%→52.3%へやや上昇。日足均衡表では転換線、基準線とも横ばい基調が続くが、抵抗帯上限値が急速に切り上がるため動きやすい。下方で推移する75日線を意識して下値固めができれば、下落続く25日線と上昇続く75日線の接近するのを待って株価が上に突き出ていくイメージなども想定されよう。3/27高値から「26」日が経過する5/2あたりをまずは注視したい。ただ、3/27高値を起点とした三波動構成の調整がまだ続いているといった見方も十分考えられ、逆に下に突き出ていくタイミングになる公算も。3/27高値からの動きが三波動構成の調整か、高値もみ合いに移行していくかの判断はそれまでお預けか。下値メドは、昨年10月高値9152円~100日線(9191円)、200日線(9083円)の水準。200日線は微妙に下げに転じており、今後下げている間に株価が一時的に200日線を下回る展開なども想像できよう。その際は、昨年2月高値を起点に7月高値を通る下値支持線上の8800円~8700円が下値メドとなる。変化日は5月2日、15日、30日、6月6日、21日がある。

4月25日

2012-04-25 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。欧米株式相場の反発、円高一服などを受けて買い戻しが入りそう。ただ、FOMCを控えて積極的な買いは期待できず、日経平均は9500円近辺でのもみ合いになりそう。日経平均の予想レンジは9450~9550円。

アップルが市場予想を上回る好決算を発表したが、その同社が年初に公開した部品調達や生産委託などを行う世界の取引先企業156社で、日本企業では旭化成、フォスター電機、イビデン、ミツミ電機、セイコーエプソン、住友電気工業、大真空、ローム、日本航空電子、村田製作所、シャープ、太陽誘電、エルピーダメモリ、フジクラ、メイコー、NEC、ソニー、TDK、東芝、スミダコーポレーション、パナソニック、ルネサスエレクトロニクスなどを挙げられいていた。アップル関連として注目されよう。24日は日本列島が高気圧に覆われた影響で5月中旬並みの暑さを記録。今年もクールビズを1カ月前倒しの5月から開始するなど節電への意識が高まっているが、気温の上昇で懸念されるのは夏場の電力不足。政府の国家戦略室が開催した電力の需給検証委員会第1回の中で、電力9社(沖縄電力を除く)は23日、今夏の電力需給見通しを発表。2010年並みの猛暑に節電効果を織り込んだ需要、供給力には原子力を含めない前提で、7月の9社合計の供給予備率は0.8%の供給不足、平年並みの気温を前提とした場合で同2.3%の供給予備力が確保できる見通し。ただ、関西電力管内で19.3%(平年気温で16.7%)の供給力不足で一定の節電影響を織り込んだとしても、原子力発電所の再稼働がない場合、厳しい需給環境になることが示された。原発再稼働を巡る論議に方向性を勘案すると、電力不足問題が産業界および株式相場の重しになる可能性がありそうだ。

24日のNY株式相場はまちまち。主要企業の決算や住宅指標の結果が好感された。ダウ平均は前日比74.39ドル高の13001.56ドルで終了した。主要企業の堅調な1-3月期決算の内容を好感し、ダウ平均は買いが先行した。さらに、予想より強い3月新築住宅販売件数の結果を受け、建設需要期待からキャタピラーに買いが入ったほか、IBMが株主還元を拡大させたことも相場を支援した。指数は一時123.13ドル高の13050.30ドルまで上昇した。NASDAQは前日比8.85ポイント安の2961.60ポイント、S&P500は同5.03ポイント高の1371.97ポイントで終了した。個別では、堅調な1-3月期決算を発表したAT&Tは3.6%上昇、3Mは1.6%上昇。株主還元を拡大させたIBMは0.7%高となった。一方、慎重な加入者数の見通しを発表したネットフリックスは13.9%急落した。

前日の日経平均は後場に入り先物主導で下げ幅を拡大。円高進行、アジア株安などを受けて、リスク回避の売りに押された。東証1部の値下がり銘柄数は1081(全体の64.5%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。地合い悪化で主力の国際優良株、資源関連株、金融株などが売られた。また、前場堅調だったソーシャルゲーム関連は後場に値を崩し、大幅安となった。その一方で、イトーキなど仕手系の低位材料株で急騰する銘柄が散見された。

日経平均株価は9468.04 -74.13円と4日続落。5日線(9565円)や転換線(9556円)を下回る推移となったが、4/11安値(9458円)を維持して取引を終えた。RSI(9日)は前日50.2%→50.6%へ横ばい。75日線(9406円)処を下値水準で意識して十字足を形成しており、あすの動向が注目される。5日線は下げに転じる可能性が高く、同線を超える勢いで反発となるかが注目の局面だ。日足均衡表では転換線、基準線とも横ばいだが、抵抗帯上限値が急速に切り上がるため動きやすい。下方で推移する75日線を意識して下値固めができれば、下落続く25日線と上昇続く75日線の接近するのを待って株価が上に突き出ていくイメージなども想定されよう。3/27高値から「26」日が経過する5/2あたりかも。ただし、3/27高値を起点とした三波動構成(下げ、戻り、下げ)の調整がまだ続いているといった見方も十分考えられ、逆に下に突き出ていくタイミングになるかもしれない。3/27高値からの動きが三波動構成の調整か、高値もみ合いに移行していくかの判断はそれまでお預けとなる公算が高い。下値メドは、昨年10月高値9152円~100日線(9179円)、200日線(9085円)の水準。200日線は微妙に下げに転じており、下げている間に株価が一時的に200日線を下回る展開なども想像できよう。その際は、昨年2月高値を起点に7月高値を通る下値支持線上の8800円~8700円が下値メドとなる。変化日は5月2日、15日、30日、6月6日、21日がある。

トレーダーズウエブより


4月24日

2012-04-24 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。欧米株式相場の大幅安に加え、円高進行など外部環境の悪化を受けて、リスク回避の動きが強まりそう。欧州不安が強まるなか、イベントを控えて押し目買いも入りにくいため、じり安の展開が予想される。日経平均の予想レンジは9350~9500円。

 20日に米ワシントンで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、これで欧州債務危機の拡大を防ぐための焦点とされたIMFの資金増額は、目標の4000億ドルを上回る4300億ドル超の確保にめどが付き、声明では危機の予防と解決のため、IMFの資金基盤の拡大で合意に達したとした。これを好感する向きもあったが、依然として欧州不安がくすぶっている。火種であるスペイン情勢はもちろんだが、フランスにも厳しい視線が向けられている。22日に行われたフランス大統領選挙(第1回投票)で、最大野党・社会党のオランド氏がトップ、現職のサルコジ大統領が2位となり5月6日の決選投票に臨むことになった。得票率はオランド氏28.6%、サルコジ大統領27%と僅差ながら、決選投票ではオランド氏が優勢とみられる。オランド氏は、経済成長と雇用創出のため財政出動の必要性を主張し、財政赤字削減を最重視するドイツと組んでサルコジ政権が主導してきたEUの危機対策に真っ向から反論。現在の財政統合の方向性を破棄して、欧州不安を増長する可能性がある。先週はムーディーズがフランス国債の格付けを引き下げるとの噂が出たが、オランド氏が勝利すれば格下げが現実味を帯びてきそうだ。また、英金融情報会社マークイットが23日発表した4月の仏PMI(購買担当者景気指数)は、製造業とサービス業を合算した総合指数・速報値が46.8(前月比-0.9pt)と低下し、4月の独PMIは50.9(前月比-0.7pt)に低下しており、欧州景気に対する不透明感も強まりそうだ。

23日のNY株式相場は大幅下落。中国や欧州の軟調な経済指標の結果が嫌気された。ダウ平均は前日比102.09ドル安の12927.17ドルで終了した。ダウ平均は売りが先行した。ユーロ圏4月製造業と独4月製造業PMI・速報値の結果が予想より弱かったほか、4月の中国のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.1となり、6カ月連続で好不況の分かれ目となる50を下回った。世界的な景気回復ペースの減速が警戒された。また、予算案をめぐってオランダのルッテ首相が内閣総辞職を表明したことも、欧州経済の不透明感につながった。指数は一時183.68ドル安の12845.58ドルまで下落したが、引けにかけて下げ幅を縮小させた。NASDAQは前日比30.00ポイント安の2970.45ポイント、S&P500は同11.59ポイント安の1366.94ポイントで終了した。個別では、メキシコ当局への贈賄容疑が浮上したウォルマートは4.7%安。非中核事業のベビーフード部門をネスレへ119億ドルで売却合意したファイザーは0.8%下落した。

前日の日経平均は後場プラス圏に浮上する場面もみられたが、アジア株安や円高進行などが重しとなり手じまい売りに押された。東証1部の値下がり銘柄数は984(全体の58.8%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。主力の国際優良株や金融株などが総じて軟調だった一方、内需系が底堅く推移した。ダノンが株買い増しの意向でヤクルトが急騰した一方、工場爆発の三井化学は急落。また、太陽光関連の低位株で急騰する銘柄が散見された。

日経平均株価は9542.17 -19.19円と小幅続落。上昇に転じた5日線(9564円)を若干割り込んだものの、転換線(9539円)を維持して取引を終えた。24日は転換線が上昇に転じることで、株価がそれに反発で上手く順応できるかが注目される。25日線(9818円)や基準線(9821円)などを強く上回ることができれば、現時点では一段高につながる可能性は残っているとみられる。一方、4/11安値~4/13高値までの幅を中心として、小さなもみ合いを形成する(25日線まで株価が自ら向おうとしない)ようなケースでは、その後の下ブレを警戒した方がよい。9500円を一時でも割り込んだことで、3/27高値を起点とした三波動構成(下げ、戻り、下げ)の調整がまだ続いているといった見方となる。RSI(9日)は前日51.0%→50.2%にやや低下。早々に50%以下に抑えられるようだと先行シグナルにある可能性があり、下ブレに注意しなければいけない。逆に、下値は75日線(9392円)が最初のサポート水準となるが、昨年10月高値9152円~100日線(9169円)、200日線(9087円)の水準まで調整が続くことも十分ありえる。ただし、200日線は微妙に下げに転じている。200日線が下げている間に株価が一時的に同線を下回る展開なども想像できよう。その際の下値メドは、昨年2月高値を起点に7月高値を通る下値支持線上の8800円~8700円となる。変化日は5月2日、15日、30日、6月6日、21日がある。

4月20日

2012-04-20 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。スペインの国債入札は無難に通過したものの、依然として欧州不安がくすぶり続けている。フランス大統領選を週末に控え、リスク回避の動きが強まる可能性も否定できない。日銀による追加緩和の思惑が相場の下支え要因になりそうだが、積極的な買いを誘発するまでには至らないだろう。日経平均の予想レンジは9450~9600円。

相場の動向をみるうえでは、外国人投資家の動向も重要だろう。東証が19日発表した4月第2週(9~13日)の投資部門別株式売買動向によると、現物・先物合算で外国人投資家は2週連続の買い越し。2週間とも相場が下落していたにもかかわらず、外国人投資家は下値を拾っていたことになる。BofAMLのファンドマネージャー調査によれば、世界の投資家の日本株投資比重(オーバーウエイト-アンダーウエイト)は、3月-4%→4月-10%とアンダーウエイトが拡大したものの、今後1年間に最もオーバーウエイトしたい市場として、日本株は-7%→-2%と改善したという。また、日本株の割安感(割高-割安)が-11%→-9%と若干低下したが、日本企業の業績予想(最も良い-悪い)は-2%→6%と改善。世界の投資家の資産配分は、株式比重が33%→26%、コモディティ比重が10%→8%と減る一方、現金比重が6%→24%と急増したという。欧州不安の再燃などで、外国人投資家がリスク回避の動きから全般的な株式比重、現金比重の低下させるなか、日本株に対して相対的に強気な姿勢を示していることはポジティブ要因といえよう。

19日のNY株式相場は続落。欧州問題への懸念が残るなか、FRBによるボールカー・ルールに対する発言が嫌気された。ダウ平均は前日比68.65ドル安の12964.10ドルで終了した。ダウ平均は買いが先行する場面がみられた。しかし、スペインで19日に実施された2年と10年国債は目標調達額である25億ユーロを上回ったが、「入札を無難にこなしただけ」(市場関係者)との指摘も聞かれ、スペインに対する警戒が残るなか、4月フィラデルフィア連銀製造業指数や3月中古住宅販売件数の結果が予想より弱かったことから中盤以降は売り優勢に。さらに、FRBが銀行はボルカー・ルールを2014年7月までに実施する必要と明らかにすると、金融セクターの下げが加速し、指数は一時135.93ドル安の12896.82ドルまで下落した。しかし、ダウ平均の構成銘柄であるトラベラーズ、ベライゾンなどの堅調な1-3月期決算の結果が下支えし、下げ幅が縮小した。NASDAQは前日比23.89ポイント安の3007.56ポイント、S&P500は同8.22ポイント安の1376.92ポイントで終了した。個別では、昨日取引終了後に決算を発表したイーベイは13.2%急騰した。一方、クアルコムは6.6%下落した。また、寄り付き前に1-3月期決算を発表したモルガンスタンレーは2.3%上昇した。

前日の日経平均は後場下げ幅を拡大し、一時100円超下落する場面もみられた。東証1部の値下がり銘柄数は1232(全体の73.5%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。欧州不安などから、主力の国際優良株や資源関連株が軒並み安となったほか、前日上昇が目立った金融株、不動産株なども売られた。個別では、前日に業績下方修正を発表した鹿島と社長辞任を発表した日本板硝子が急落した一方、上方修正を発表した住友軽金属が大幅高。また、イトーキなど仕手性材料株で急騰する銘柄も散見された。

日経平均株価は9588.38 -78.88と反落。安寄りから5日線(9565円)サポートに底堅い展開となった。5日線はあすは下げに転じる可能性はあるが、下げ止まる見込みの転換線(9539円)を意識できるかが注目される。両線がほぼ重なる水準で、きょうのような小さな値動きが予想される。よほどの下げではない限り、4/11安値と4/17安値をつないで延長した下値支持線上(9500円処)では下げ止まる公算が高い。一方、終値ベースで4/13高値(9637円)をいったんクリアしたことで、25日線(9864円)や基準線(9821円)、9870円水準まで上値余地が広がったとみられる。25日線や基準線などを強く上回ることができれば、一段高につながる可能性は高まろう。このまま3月高値を超えるような上昇力があれば、11000円も意外と早めの達成となるかもしれない。緩やかな戻りにとどまると、下落基調にある25日線に上値を抑えられるケースが考えられる。また、4/11安値~4/13高値までの幅を中心として、小さなもみ合いを形成する(25日線まで株価が自ら向おうとしない)ようなケースでは、その後の下ブレを警戒した方がよいかもしれない。9500円を一時でも割り込んだことで、3/27高値を起点とした三波動構成(下げ、戻り、下げ)の調整がまだ続いているといった考え方となる。RSI(9日)は前日44.1%→44.2%と横ばい。50%水準以下に抑えられるようだと、同じように下ブレを警戒しなければいけない。逆に、下値は75日線(9364円)が最初のサポート水準となるが、昨年10月高値9152円~100日線(9143円)、200日線(9090円)の水準まで調整が続くことも十分ありえる。200日線は目先的には下げ基調に転じる可能性が高い。例えば、1万円程度まで急反発などがあればその下げは回避できるが、200日線が下げている間に株価が一時的に同線を下回る展開なども想像できよう。その際の下値メドは、昨年2月高値を起点に7月高値を通る下値支持線上の8800円~8700円となる。変化日は4月20日、5月2日、15日、30日、6月6日、21日がある。

トレーダーズウエブより