銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

7月31日

2012-07-31 | 経済動向
東京市場は売り買い交錯となりそうだ。直近3営業日続伸していることや、為替相場がやや円高に振れたことから戻り売りに押されそうだが、欧米株式相場が底堅い推移をみせるなど相場に底入れ感も台頭しつつあり、下値は限定的か。欧米主要イベントを控えて様子見ムードが強まりそうだが、きょうは1Q決算発表の1次ピークのため、個別株の選別物色になりそうだ。日経平均の予想レンジは8600~8700円。

国内では主力企業の1Q(4-6月期)決算発表が本格化しているが、世界的な景気減速や歴史的な円高を受けて厳しい業績を余儀なくされる企業が多い。27日大引け後に1Q決算を発表した富士通は赤字拡大が嫌気され急落し、約32年ぶりに300円の大台を割り込んだ。また、1Q業績が10四半期ぶりに減益との観測報道があったコマツは大幅反落し、30日の取引時間中に発表した1Q決算が大幅に悪化した新日鉄、住金は後場一段安。27日に1Q決算を発表した東北電力を筆頭に原発停止で厳しい経営状況に追い込まれている電力株が急落して、相次いで安値更新。先週末ストップ安比例配分となったサイバーエージェントは、4-6月期の業績鈍化に対する失望売りが止まらず連日の大幅安を余儀なくされた。その一方、業績改善報道の海運株、1Q業績が最高益更新観測のいすゞなどが堅調だったほか、1Q決算が大幅増益となったコニカミノルタ、通期予想を上方修正したフォスター電機などが大幅高となるなど、業績面で明暗を分けた。相場全体の戻り歩調はしばらく続くと思われるが、業績面での選別物色の色彩は強まりそうだ。なお、30日大引け後にキヤノンが今年3度目となる自社株買い(500億円・2100万株上限)を発表したが、同社は25日の中間決算および下方修正発表時に自社株買いのアナウンスがなかったことも株価急落の要因のひとつとされていただけに、今回の自社株買いに対する反応が注目されよう。

30日のNY株式相場は小幅反落。収益が懸念されたJPモルガンが重しとなり、金融セクターが軟調に推移した。ダウ平均は前日比2.65ドル安の13073.01ドルで終了した。ECBによる国債購入の再開観測により、欧州債務国の国債利回りが低下していることが好感され、ダウ平均は序盤に一時52.98ドル高の13128.64ドルまで上昇した。しかし、ドイツ証券が規制や業績について慎重な見方を示し、投資判断を引き下げたJPモルガンが重しとなり、金融セクターは全般的に軟調に。指数は売りに転じ、一時32ドル程度下落したが、FRBによる追加刺激策に対する期待が下支えたため、下値は限定的だった。NASDAQは前日比12.25ポイント安の2945.84ポイント、S&P500は同0.67ポイント安の1385.30ポイントで終了した。個別ではアップルが1.7%上昇。9月12に開催されるイベントで新型「iPhone」と小型「iPad」を発表するとの期待が高まった。一方、ドイツ証券が投資判断を引き下げたJPモルガンは2%下落した。

前日の日経平均は後場伸び悩む場面もみられたが、大引けにかけて再び上げ幅を拡大した。東証1部の値上がり銘柄数は1247(全体の74.5%)に達し、規模別株価指数はすべて上昇。欧米株高を背景に国際優良株や内需関連株などに買い戻しが入った。その一方で、足元の業績が低迷した富士通、新日鉄、サイバーエージェントなどが売られたほか、電力株が大幅安となり安値更新が相次いだ。
 日経平均株価は8635.44 +68.80円と3日続伸。買い一巡のあとは下押す場面が続いたが、雲下限(8602円)や転換線(8581円)などが下値で意識され、引けはしっかりの展開となった。RSI(9日)は前日39.6%→42.4%に上昇。目先は50%水準まで自立反発が続きそうだ。8/8前後に向けて微調整をまじえながら、75日線(8885円処)に向けた動きとみられる。75日線の抵抗をこなしながら、終値ベースで7/4高値9104円を上回ることができれば、6/4安値と7/25安値とで二番底が完成することになる。基調に変化が生じやすいのは、8月8日~9日、16日、20日、31日前後が見込まれる。

7月27日

2012-07-27 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。欧米株式相場の大幅高や対ユーロでの円高一服を手掛かりに、買い戻しの流れが続きそう。日経平均は心理的な節目の8500円で戻り待ちの売りに押される可能性もあるが、これをあっさり突破すれば先物主導で騰勢を強めることも考えられよう。日経平均の予想レンジは8450~8650円。

日経平均は直近4営業日で430円も下落するなど、下げ過ぎの感が強かっただけに、地合いが少しでも好転すれば打診買いを誘発しやすい。26日の反発が相場の底入れなのか、単なる1日限りの買い戻しに過ぎないのかを判断するのは難しいが、足元で市場エネルギーが増加していることは注目されよう。東証1部の売買代金は前日比7%増の1兆1018億円に達し、上半期最終売買日で商いが膨らんだ6月29日(1兆2114億円)以来の高水準を記録。3営業日連続の増加で連日の1兆円越えとなった。年初や6月上旬に相場が底入れ反転した際も、売買代金1兆円超えが続いた経緯があるだけに、今回も1兆円越えが続く状況となれば底入れムードが強まる可能性があろう。

26日のNY株式相場は大幅上昇。ECB総裁の発言を好感し、欧州問題に対する懸念が後退した。ダウ平均は前日比211.88ドル高の12887.93ドルで終了した。3Mやユナイテッドテクノロジーズなどの堅調な4-6月期決算や予想より良い内容となった新規失業保険申請件数の結果を好感し、ダウ平均は買いが先行した。ドラギECB総裁が『欧州債務危機解決に向け、必要な手段は何でも取る』と発言したことから、ECBによる国債購入の再開などが期待され、欧州懸念が後退。指数は一時255.17ドル高の12931.22ドルまで上昇した。NASDAQは前日比39.01ポイント高の2893.25ポイント、S&P500は同22.13ポイント高の1360.02ポイントで終了した。個別では25日引け後に慎重な通期見通しを発表したジンガは37.5%急落した。一方、堅調な4-6月期決算を発表した3M、ユナイテッドテクノロジーズ、エクソンモービルなどは上昇した。

前日の日経平均は後場に先物主導で騰勢を強め、ほぼ高値圏で取引を終えた。東証1部の値上がり銘柄数は1355(全体の80.8%)に達し、規模別株価指数はすべて上昇。直近売り込まれていた国際優良株、金融株、資源関連株などに買い戻しが入った。テルモから経営統合の提案を受けたオリンパスが急騰したほか、インサイダー問題でCEO、COOが引責辞任と伝わった野村も大幅高。その一方で、業績下方修正したキヤノンが急落した。

日経平均株価は8443.10 +77.20円と5日ぶりの反発。前日高値(8433円)を上回り、陰線逆上がりのパターンで終えた。RSI(9日)は前日14.9%→28.3%に上昇。25%水準を上回ったことで目先の動きが注目される。7/4高値を起点に短期下落トレンドは続くが、値幅面や日柄面では底打ちしやすいタイミングである。週足均衡表でも今週は雲下限が最も切り下がるタイミングとなることから、押し目買いを試してみたい局面だ。例えば、3/27高値(10255円)を中心に左右対称的な動きが続いている。昨年10/5安値~10/31高値までの上げ幅は809円。それに対して、7/4高値から808円下げた水準が7/25の安値となった。左右対称が続くならば、次は上げ相場となる。また、7/24~7/26は基調に変化が生じやすく下げ止まりやすいポイント。昨年11/25安値~3/27高値までの日柄「83」を、3/27高値からの対等数値として先にあてはめると7/25となる。「83(基本数値)」は一目均衡表では変化が生じやすい重要日柄とされている。もし、下げ止まらなければ、次は8/8前後が重要となる。基調に変化が生じやすいのは、8月8日~9日、16日、20日、31日前後となる。一方、75日線(8910円)が200日線(8955円)を下回るデッドクロスが示現した。25日線(8788円)は下落基調が続きやすいことや、75日線とともに3/27高値を起点とした右下がりの上値抵抗線などが強い節目となり、反発は限られよう。当面は8700円~8800円処を上限にもみ合いの展開が想定され、もみ合い収れんのあとは上振れ期待の反面、安値更新の動きも十分にありえよう。200日線(8955円)は当面は横ばい基調が続くものの、9000円以下の水準でもたつく動きが続くと、200日前の水準が今年1月から急速に上昇した局面に応答することになる。それによって200日線は再び下げ基調に転じ、株価は同線を戻りの限界として下値模索につながる可能性はある。それを回避するためには、秋口にかけて200日線をできるだけ早く上抜ける必要がある。

トレーダーズウエブより

7月26日

2012-07-26 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。欧米株式相場の反発や円高一服を受けて、買い戻しが入りそう。ただ、依然として外部環境に不透明感が強いうえ、企業業績に対する懸念も台頭しており戻りは限定的となる可能性がある。日経平均の予想レンジは8350~8450円。

足元で企業業績に対する懸念が強まっている。米国では、アップルが発表した3Q(4-6月期)決算で売上高は前年同期比23%増の350億ドル、純利益は21%増の88億2000万ドルと大幅増収増益ながら、市場予想を下回る着地。同社の業績が市場予想に届かなかったのは2003年以降で2回目とされるだけに、そのインパクトは大きかったとみられる。国内では主力企業の決算発表が本格化しているが、25日大引け後にはキヤノン、日立建機などが通期予想を下方修正したほか、KDDI、ファナック、任天堂などの1Q決算も低調な着地。キヤノンは連日で年初来安値を更新するなど、足元の業績悪化はある程度織り込まれている可能性もあるが、市場予想を大きく下回る下方修正だけにネガティブインパクトは強そうだ。

25日のNY株式相場はまちまち。キャタピラーやボーイングなどの堅調な企業決算を好感した。ダウ平均は前日比58.73ドル高の12676.05ドルで終了した。キャタピラーやボーイングなどの堅調な4-6月期決算の結果を好感し、ダウ平均は買いが先行した。ボーイングなどに支えられ、一時115.45ドル高の12732.77ドルまで上昇した。しかし、序盤に発表された6月新築住宅販売件数の結果が予想に届かなかったほか、昨日の取引終了後に発表されたアップルの軟調な決算が重しとなり、上昇幅を縮小させた。NASDAQは前日比8.75ポイント安の2854.24ポイント、S&P500は同0.42ポイント安の1337.89ポイントで終了した。個別では堅調な決算を発表したキャタピラーは1.4%高、ボーイングは2.8%高で終了した。また、慎重な第4四半期見通しを発表したネットフリックスは25%急落した。

前日の日経平均は先物主導で下げ幅を160円超に拡大する場面もみられたが、大引けにかけて若干下げ渋った。東証1部の値下がり銘柄数は1230(全体の73.5%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。外部環境の不透明感から国際優良株や資源関連株、金融株などが売られ、主力株で安値更新する銘柄が相次いだ。また、米アップルの決算を受けてアップル関連の下げも目立った。その一方で、BofAMLなどの買い推奨を手掛かりにソフトバンクが逆行高となった。

日経平均株価は8365.90 -122.19円と4日続落。下値模索が続いており、7/4高値を起点とした三波動の下げが続いている認識に変わりない。RSI(9日)は前日17.9%→14.9%に低下。直近下値(7/18、7.8%)を維持しつつも、25%水準を上回りボトムアウトできるかが注目される。終値ベースで8400円台を維持できなかったが、3/27高値(10255円)を中心に対称的な動きは続いている。昨年10/5安値~10/31高値までの上げ幅は809円。それに対して、7/4高値から808円下げた水準が本日安値となり、やや戻す格好となった。短期下落トレンドの見方が優勢だが、基調に変化が生じやすい7月24日~26日は下げ止まりのポイントであり目先の反転は近そうだ。昨年11/25安値~3/27高値までの日柄「83」を、3/27高値から対等数値で先にあてはめると7/25となる。「83」は均衡表では基本数値でもある。週足均衡表では今週は雲下限が最も切り下がるタイミングとなることから、押し目買いの週となるかが焦点となる。一方、25日線(8800円)は下げ基調が続きやすいことや、75日線(8927円)とともに3/27高値を起点とした右下がりの上値抵抗線などが強い節目となろう。当面は8700円処を上限にもみ合いの展開が想定される。もみ合い収れんのあとは、上振れ期待の反面、安値更新の動きも十分にありえよう。

7月25日

2012-07-25 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。欧米株式相場の下落や円高進行を受けてリスク回避の動きが続きそう。また、アップルが決算発表後に時間外取引で大幅安となっていることも投資家心理をさらに悪化させるとみられる。ただ、相場急落局面では日銀によるETF買いの思惑も台頭するため、売り一巡後は若干下げ渋る可能性があろう。日経平均の予想レンジは8350~8500円。

日経平均は心理的な節目の8500円を割り込んだが、世界的な株安の要因のひとつとされる中国の景気減速懸念が若干後退したことはポジティブといえよう。中国が7月13日に発表した4-6月期実質GDP(速報値)は前年同期比7.6%増で着地し、前期(1-3月期)の8.1%増から落ち込み6四半期連続の鈍化。2009年1-3月期(6.6%増)以来、13四半期(3年3カ月)ぶりの低水準を記録した。相次ぐマクロ指標の悪化を受けて、中国政府は2カ月連続の利下げに踏み切っていたが、景気減速への警戒感が日増しに強まっていた。そのような状況下、英HSBCが24日発表した中国の7月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.5(前月確報値比+1.3pt)と上昇し、5カ月ぶりの高水準を記録。サブ指数の生産指数が51.2と2011年10月以来の高水準に上昇したことが寄与したという。PMIは景況感の改善と悪化の分岐点となる50は9カ月連続で下回り、予断を許さない状況ながら、悲観論に傾いていた株式相場に一定の安心感を与える可能性はあろう。

24日のNY株式相場は大幅続落。スペインとギリシャの財政についての懸念が高まったものの、WSJの報道を受けFRBによる追加刺激策の可能性が期待された。ダウ平均は前日比104.14ドル安の12617.32ドルで終了した。ダウ平均は売りが先行した。スペインの経済と財政が懸念されていることに加え、格付け会社のムーディーズがドイツやオランダの見通しをネガティブに引き下げたことが重しとなったほか、ギリシャがIMF・EUが課した債務削減目標を達成できないため、追加で債務再編が必要の可能性との見方が広まると、一時199.62ドル安の12521.84ドルまで下落した。しかし、FRBが早ければ来週(7月31日、もしくは8月1日)にも預金準備率の引き下げや国債・モーゲージ債購入などを含めた複数の追加刺激策を実施する可能性も、とWSJが報じると、指数は下げ幅を縮小させた。NASDAQは前日比27.16ポイント安の2862.99ポイント、S&P500は同12.21ポイント安の1338.31ポイントで終了した。個別では決算を発表したAT&Tは2.1%安、UPSは4.6%安で終了した。また、23日の取引終了後に堅調な決算を発表したバイドゥは7.3%上昇した。

前日の日経平均は後場下げ渋り、上昇へ転じる場面もみられた。中国PMIの改善を受けて買いが入ったものの、戻りは限定的だった。東証1部の値下がり銘柄数は874(全体の52.1%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。外部環境の不透明感から国際優良株が軟調だった一方、内需関連株が底堅く推移し相場を下支え。業績不振の電機株では、1Qの最終損益が1000億円の赤字と報じられたシャープが売られた一方、NEC、パナソニックなどは反発と明暗を分けた。

日経平均株価は8488.09 -20.23円と3日続落。6月前半にもみ合いとなった水準の下限(8420円処)を意識して下げ渋り、上下にヒゲのあるコマ足を形成した。RSI(9日)は前日17.4%→17.9%と横ばい。25%水準を上回るなどのボトムアウトの兆候を見極めたい局面である。7/4高値を起点とした三波動構成(下げ、アヤ戻り、下げ)の二番目の下げが続いているといった認識となる。3/27高値(10255円)を中心に対称的な動き(昨年10月~12月までのもみ合い)が続くとみれば、足元の調整は終値ベースで8420円~8400円あたりまでは許容できよう。 日足均衡表では遅行線は逆転したが、目先的には抵抗帯(雲)下限の下げ止まりを意識して、8500円処で踏みとどまることができるか。あすは転換線(8654円)まで反発できるかが注目される。基調に変化が生じやすい7月24日~26日あたりが下げ止まりのポイント。週足均衡表では今週は雲下限が最も切り下がるタイミングとなることから、押し目買いの週となるかが焦点であろう。一方、25日線(8812円)が下げに転じた。反発局面に転じても、75日線とともに25日線が短期的な上値の抵抗となりやすい。

トレーダーズウエブより

7月24日

2012-07-24 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。欧米株式相場の大幅下落や円高警戒感からリスク回避の動きが続きそう。ただ、前日後場に世界同時株安を先取りする形で急落していることから下げは限定的となる可能性もあろう。日経平均の予想レンジは8400~8550円。

日経平均は前日に今年8番目の下げ幅を記録し、6月8日以来の安値に沈んだ。先週は25日移動平均手前での足踏み状態を続けていたが、外部環境の悪化で一気に下放れたといえよう。心理的な節目の8500円もあっさり割り込むようだと、6月4日につけた年初来安値(8238円)も視野に入り警戒したい。為替市場ではユーロ安が進行し、ユーロは対ドルで約2年ぶり、対円では2000年11月以来の安値をつけた。東京市場では、キヤノン、リコー、コニカミノルタなどユーロ感応度が高い銘柄の下げが目立った。主力企業の想定レートは概ね1ドル=80円、1ユーロ=105円で、6月日銀短観で示された大企業製造業の2012年度想定為替レートである1ドル=78円95銭。足元の為替相場はこれらの想定レートよりも円高水準で、さらに円高が進行すれば業績悪化懸念が強まり、売り圧力を強めかねず為替相場の動向には細心の注意を払いたい。

23日のNY株式相場は大幅続落。スペイン財政・経済とギリシャのデフォルトについての懸念が高まった。ダウ平均は前日比101.11ドル安の12721.46ドルで終了した。ダウ平均は売りが先行となり、一時239.16ドル安の12583.41ドルまで下落した。スペインで少なくとも6つの州が救済支援を検討しているとの報道や、同国の4-6月期GDP(推計値)が0.4%減(前期比)と、3四半期連続でマイナス成長となりリセッションがいっそう深まったことが嫌気された。また、IMFがギリシャへの融資を停止する可能性があるとの報道も重しとなった。しかし、今回の報道を受けたIMFがギリシャ支援を継続する可能性を示唆していたほか、GSが投資判断を引き上げた住宅建設セクターに買いが入り、下げ幅を徐々に縮小させた。NASDAQは前日比35.15ポイント安の2890.15ポイント、S&P500は同12.14ポイント安の1350.52ポイントで終了した。個別では決算を発表したマクドナルドは2.9%安も、ハリバートンは2.4%高で終了した。また、住宅建設株ではKBホームが3.5%高、DRホートンが0.9%高となった。

前日の日経平均は大引けにかけて先物主導で下げ幅を拡大し、ほぼ安値圏で取引を終えた。欧米株式相場の下落や、円高警戒感などを背景にリスク回避の動きが強まった。東証1部の値下がり銘柄数は1503(全体の89.6%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。外部環境の悪化を受けて、主力の国際優良株や資源関連株、金融株などを中心に売りが膨らんだ。主力株で安値更新が相次ぎ、シャープは300円台、東レは500円台を割り込み、ANAは公募増資の発行価格を割り込んだ。

日経平均株価は8508.32 -161.55円と大幅続落。前日の中陰線から大きなマドを開け、ほぼ安値引けの陰線が続いた。RSI(9日)は前日18.5%→17.4%に低下。25%水準を上回るなどのボトムアウトの兆候を見極めたい局面だ。6/26安値(8663円)を終値であっさりと下回った。日足均衡表の遅行線は逆転。逆転は時間の問題ではあった一方、目先的には抵抗帯(雲)下限の下げ止まりを意識して、8500円処で踏みとどまることができるか。 7/4高値を起点とした三波動構成(下げ、アヤ戻り、下げ)の二番目の下げに入ったとの見方ができる。3/27高値(10255円)を中心に対称的な動き(昨年10月~12月までのもみ合い)が続くとみれば、足元の調整は8420円処まで続く展開もあり得る。基調に変化が生じやすい7月24日~26日あたりが下げ止まりのポイント。週足均衡表では今週は雲下限が最も切り下がるタイミングとなることから、押し目買いの週となるかが注目される。一方、25日線下でもたつく動きが長引くと同線はやがて下げに転じる。反発局面に転じても、75日線とともに25日線が当面の上値の抵抗に変化する点には注意したい。

トレーダーズウエブより