銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

9月28日

2012-09-28 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。欧米株高を背景に買い戻しが入りそうだが、円高警戒感などが根強く上値は限定的だろう。前日急伸した上海総合指数の動向も見極めたい。ドレッシング買い期待などで9000円台を回復する場面も想定されるが、戻り待ちの売り圧力も強いとみられ伸び悩む公算が大きい。日経平均の予想レンジは8850~9050円。

28日の東京市場は週末、月末でもあり、上期末にも相当する。日経平均が3月末終値(10083円)を奪回することは不可能だが、心理的な節目の9000円は射程圏内にある。恒例のドレッシング買いで大台を回復できるか否か注目されよう。また、寄り付き前には8月鉱工業生産が発表される。前月発表の7月鉱工業生産指数(速報値)は前月比-1.2%と市場予想(+1.7%)を下回り、2カ月ぶりのマイナスに転落。海外経済減速により電子部品を中心に急速に需要が悪化し、輸出不振を招いたことが響いた。これを受けて景気減速懸念が強まり、日経平均は大幅安となった経緯がある。今回は市場予想(-0.5%)を上回ってプラスに転じ、景気減速への懸念が後退できるか否か注目されよう。

27日のNY株式相場は反発。スペインが発表した2013年度予算案と工程表が好感された。ダウ平均は前日比72.46ドル高の13485.97ドルで終了した。景気減速の兆候がみられる中国が追加の景気刺激策を実施するとの観測が高まった。これを好感し、ダウ平均は買いが先行したが、勢いは続かず。前日終値付近まで戻される場面がみられた。しかし、スペインの2013年度予算案についてEU推奨を上回る改革パッケージが閣議で承認されたほか、経済改革の工程表を明らかにしたことを受け、スペイン財政に対する懸念が後退した。「四半期末を控えたお化粧買いも入った模様」(市場関係者)との指摘も聞かれ、リスク選好の動きが高まり、指数は一時109.32ドル高の13522.83ドルまで上昇した。NASDAQは前日比42.90ポイント高の3136.60ポイント、S&P500は同13.83ポイント高の1447.15ポイントで終了した。個別では北欧事業の強化を明らかにしたスターバックスは1.9%高。また、アナリスト向け説明会で前向きな見通しを発表したGEは2.9%上昇した。

前日の日経平均は小安い水準でのもみ合いを続けていたが、14時過ぎに先物主導で上昇。上海総合指数の大幅高で買い戻しが入った。東証1部の騰落状況は上昇777/下落756で、値上がり銘柄が若干多く、規模別株価指数はすべて上昇。配当落ちの影響で前日に急落した薬品株など、内需関連株が総じて堅調。あた、中国株高を背景にコマツなどが買われた。その一方で、ドコモのソーシャルゲーム参入報道をDENA、グリーは急落した。

日経平均株価は8949.87 +43.17円と反発。75日線(8859円)をサポートに切り返し、前日陰線の中値以上に大幅に差し込む陽線を形成した。RSI(9日)は前日46.4%→47.0%に上昇。一方、TOPIXは前日50.6%→51.1%に折り返す展開となった。あすは、3/27高値を起点とした右下がりの上値抵抗線上を早期に回復できるかが注目される。9000円前後に集中する節目を突破するには強い反発力が必要だが、足元は6月安値から83日目となる9/28のタイミングに近い。長短はあれど、来週にかけて自立反発局面に入る可能性はあろう。ただ、9月の上昇に対する半値押し(8967円)以上に下げており、一度戻しても下記の10月後半まで調整が続くと想定すべきだろう。この先、基調に変化が生じやすいのは、9/28~10/2、10/19、10/31~11/2。一方、上記の右下がりの上値抵抗線上に一致する25日線(8976円)の下げは続く。75日線もサポート力が強いというわけではなく、9月上旬に同線を割り込んだ経緯があったことも忘れてはいけない。当時は抵抗帯下限付近から急反発に転じたが、足元も同様、100日線(8810円)、抵抗帯下限(8775円)、9/6安値などを維持できるかが下値固めのポイントとなる。6月以降の安値を切り上げる動きを続ける以上は、もみ合いからいずれ上方に加速する想定は続けておきたい。これまで何度か指摘してきた、3/27日を中心とした左右対称は細かな動きにまで出ている。昨年8月中頃~9月下旬まで上値を切り下げながら上下動を繰り返したが、その動きが足元対称的に下値を切り上げる上下動を繰り返す可能性があるということだ。昨年7月高値から急落する動きに応答して、急速に上に抜け出すタイミングとしては、10/31~11/2に近いところではないか。

トレーダーズウエブより

9月27日

2012-09-27 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。欧州不安や日中関係の悪化などを懸念してリスク回避の動きが続きそう。買い手掛かり材料に乏しく、下値模索の展開が予想される。日経平均の予想レンジは8750~8900円。

日経平均は心理的な節目の9000円のみならず、200日移動平均線(9020円)、25日移動平均線(8983円)なども相次いで割り込んだため、調整局面入りした公算が大きいだろう。当面は9月6日につけた直近安値(8646円)近辺まで下落する可能性もありそうだ。26日の東京市場は、3、9月期決算銘柄の配当・優待の権利落ち日に相当したが、大幅安に見舞われた。外部環境の悪化が主因とはいえ、25日の大引けにかけて駆け込み的な買いがあっただけに、その反動も少なからずあったとみられる。今回の配当落ち分は74円程度だったが、それを大きく上回る下落となったことの意義は大きい。配当落ち日は、今後の相場を占う意味で重要な鍵を握る傾向がみられ、SQ算出日の日経平均終値がSQ値を上回る(下回る)と、その後の相場が堅調(軟調)となるように、権利落ち日には配当落ち分を埋め戻して上昇(配当落ち以上に下落)すると、その後の相場が堅調(軟調)となるアノマリーがある。9月の権利落ち日では、2009年、2010年が今回同様に配当落ち分以上の下落となったが、いずれもその後に調整色を強めた経緯があるだけに、今回も同様に厳しい相場展開を余儀なくされる可能性が高いだろう。26日に行われた自民党総裁選で、決選投票で安倍晋三元首相が石破茂前政調会長を破って5年ぶり2度目の就任し、円高・デフレなどの難局打開に意欲を示した。今後実施される衆院総選挙の結果次第で首相に返り咲く可能性はあるが、前回首相就任時に政権を突如投げ出した経緯があるだけに、あまり期待できないだろう。

26日のNY株式相場は続落。ギリシャスペインに対する懸念が高まり、欧州問題が重しとなった。ダウ平均は前日比44.04ドル安の13413.51ドルで終了した。ダウ平均は買いが先行したものの、不安定なギリシャやスペインの状況を背景に、欧州問題が引き続き警戒された。また、予想より弱い8月新築住宅販売件数の結果も重しに。足元の高値圏で推移していた住宅建設株に利益確定売りが入ったほか、軟調な需要見通しによる原油価格の下落を受け、エネルギーセクターの一角も売られ、指数は一時50.64ドル安の13406.91ドルまで下落した。いったん、前日終値を回復する動きもみられたが、勢いは続かず。引けにかけて垂れる動きとなった。NASDAQは前日比24.03ポイント安の3093.70ポイント、S&P500は同8.27ポイント安の1433.32ポイントで終了した。個別では需要低迷を理由に欧州事業の人員削減を発表したフォードは0.8%安。また、新戦略の概要が明らかになったヤフーは0.4%下落した。

前日の日経平均は後場先物主導で下げ幅を拡大し、安値圏で取引を終えた。円高進行などを受けてリスク回避の動きが強まった。東証1部の値下がり銘柄数は1130(全体の67.2%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。外部環境の悪化や権利落ちの影響で、国際優良株や資源関連株などの主力株が大きく売り込まれた。その一方、コンビニなど小売株が消去法的に買われた。売買代金トップのJALは後場に上げ幅を拡大した。

日経平均株価は8906.70 -184.84円と大幅反落。マドをともない25日線(8983円)をあっさり下回り、日足均衡表の抵抗帯上限(8907円)まで下げて取引を終えた。RSI(9日)は前日69.5%→46.4%に低下。25日線の下げる間、75日線(8853円)や100日線(8812円)、抵抗帯下限(8775円)、9/6安値などを維持しながら下値固めにつながるか。9月の上昇に対する半値押し(8967円)や、3/27高値を起点に8/20高値を通る右下がりの下値支持線なども下回ってきており、下記の10月後半まで調整が深まる可能性がある。この先、基調に変化が生じやすいのは、9/28~10/2、10/19、10/31~11/2。一方、6月以降の安値を切り上げる動きを続ける以上は、もみ合いからいずれ上方に加速する想定は続けておきたい。これまで何度か指摘してきた、3/27日を中心とした左右対称は細かな動きにまで出ている。昨年8月中頃~9月下旬まで上値を切り下げながら上下動を繰り返したが、その動きが足元対称的に下値を切り上げる上下動を繰り返す可能性があるということ。昨年7月高値から急落する動きに応答して、急速に上に抜け出すタイミングとしては、10/31~11/2に近いところではないか。

9月26日

2012-09-26 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。欧州不安を背景とした米国株安、円高進行などを背景にリスク回避の動きが強まりそう。前日は配当権利取りなどで、大引けにかけて買われた経緯があるだけにその反動も大きそうだ。日経平均の予想レンジは8850~9050円。

26日の東京市場は、3、9月期決算銘柄の配当・優待の権利落ち日に相当する。SQ算出日の日経平均終値がSQ値を上回ると、その後の相場が堅調となるように、権利落ち日には配当落ち分を埋め戻して上昇すると、その後の相場が堅調になるアノマリーが存在する。9月の配当落ちを振り返ると、2009年・2010年が権利落ち日に配当落ち分以上の下落となり、その後に調整を余儀なくされた経緯がある。しかし、2011年は配当落ち分を埋め戻して上昇し、10月相場の上昇につながった。今回の配当落ち分は75円程度とみられるが、昨年同様に配当分を埋め戻せるか注目されよう。逆に、配当落ち分以上の下落で9000円の大台を割り込む形となれば、調整局面入りとなる公算が大きく注意したい。

25日のNY株式相場は大幅下落。スペイン財政に対する懸念や、独・オランダ・フィンランドによるESMの銀行の資本注入についての見解が重し。ダウ平均は前日比101.37ドル安の13457.55ドルで終了した。ダウ平均は買いが先行。予想より強い7月S&P/ケースシラー住宅価格指数(前年比)の結果を好感した。また、9月消費者信頼感指数の堅調な結果も相場を支援し、指数は一時61.29ドル高の13620.21ドルまで上昇した。しかし、スペインが今週後半に発表することが見込まれている追加の2013年緊縮財政計画が意識され始めると、同国の財政や資金調達についての懸念が広がった。また、独・オランダ・フィンランドがESMによる銀行の資本注入についての声明を発表し、内容が6月の合意を白紙に戻すものと警戒されたことも重しとなった。ハイテクや金融セクターなどが徐々に崩れ始め、相場全体に軟調な地合いが波及。また、「アルゴリズム系の売りが入った模様」(市場関係者)との指摘が聞かれるなか、前日に慎重な見通しを発表したキャタピラーも重しとなり、指数は引けにかけて下げ幅を広げ、一時101.67ドル安の13457.25ドルまで下落した。NASDAQは前日比43.06ポイント安の3117.73ポイント、S&P500は同15.30ポイント安の1441.59ポイントで終了した。個別では低価格スマートフォンを2機種発表したノキアは1.5%下落。また、納車遅れを理由に通期の売上高見通しを引き下げたテスラは9.8%急落した。

前日の日経平均は後場弱含みの推移を続けていたが、大引けにかけて上昇に転じた。東証1部の値上がり銘柄数は1130(全体の67.2%)に達し、規模別株価指数はすべて上昇。円高進行やアジア株安を受けて、国際優良株や資源関連株は軟調だったが、内需関連が総じて堅調となり相場を下支えした。売買代金トップのJALは大幅安で上場来安値を更新し、野村の格下げを受けたファナックが商いを伴って売られた。その一方で、OLCなどに権利取りの動きがみられた。

日経平均株価は9091.54 +22.25円と反発。200日線(9019円)をサポートに上昇に転じた転換線をクリアし、5日線(9118円)まで戻す場面があった。RSI(9日)は前日63.0%→69.5%に上昇。転換線はあすは9110円まで上昇する見込み。権利落ち埋めに加え、寄り付きで転換線を上回るには米国市場の上昇が必要だろうが、5日線の下落を抑えて上値に突っかける動きとなるかが注目される。続伸のケースでは上ヒゲ足となる展開が予想され、節目が集中する9000円前後からの反発だけに持続性が目先の焦点となる。8/23高値9178円(終値ベース)をクリアしたことで、7月高値や8月高値付近でもみ合いを維持できれば、6月安値以降の下固めから高値(9/19)更新後は上げに弾みが付く可能性は高いとみられる。ただ、9/19高値を起点に二段下げの調整波を形成する可能性もまだ残っており、9/19高値を上回るまでは慎重スタンスを継続したい。一方、75日線(8850円)や100日線(8814円)処までの調整や、3/27高値を起点に8/20高値を通る右下がりの下値支持線までの揺り戻しの水準まで続くシナリオを想定しておきたい。下値支持線までの揺り戻しは時期によって水準が違い、足元は8950円であるが、10月後半まで緩やかな調整が続くと8770円まで深まる可能性がある。基調に変化が生じやすいのは、9/28~10/2、10/19、10/31~11/2。当面の上値メドは、8/23高値~9/5安値までの下げ幅499円を8/23高値から上げたV計算値の9677円。また、6/4安値~7/4高値までの上げ幅809円を7/4高値からさらに上げたE計算値の9913円などが挙げられる。

トレーダーズウエブより

9月25日

2012-09-25 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。欧州不安や円高進行などを背景にじり安の展開が予想される。日経平均は心理的な節目の9000円を割り込むと、先物主導で下げが加速する可能性もあり警戒したい。日経平均の予想レンジは8900~9100円。

25日は3・9月期決算銘柄の権利付き最終日に相当する。外部環境にやや不透明感が台頭し、主力株を手掛けにくい状況となりつつあるだけに、権利取りを巡る動きがクローズアップされそうだ。例年は電力株が高配当利回りとして意識されていたが、原発問題の影響で減配・無配に転じる銘柄が多いだけに、他の銘柄に物色の矛先が向かっている。現在の高配当利回り銘柄の代表格である薬品株は年初来高値圏にあるため、権利落ち後に利益確定売りも相まって急落する可能性も否定できず、注意すべきだろう。その一方で、年初来安値圏にあるドコモ、商社などは比較的低リスクで配当利回り銘柄として注目されよう。24日は中国関連銘柄が軒並み安となるなかで、商社株が底堅く推移したのは高配当利回りを意識した買いが少なからずあったとみられる。また、OLC、電鉄株、空運株など優待に特徴のある銘柄も、駆け込み的に買いが入る可能性がありそう。ただ、OLCに関しては足元の業績好調とはいえ、株価は約12年ぶりの高値圏にあるだけに、権利落ち後の利益確定売り圧力は強そうなことを勘案すると、安易な駆け込み買いはリスクが大きいかもしれない。

24日のNY株式相場は下落。独経済やギリシャ財政など欧州問題が重しとなった。ダウ平均は前日比20.55ドル安の13558.92ドルで終了した。ダウ平均は売りが先行。独9月Ifo景況感指数の結果が予想より弱く、ドイツ経済が第3四半期に勢いが鈍化したことが警戒された。また、ギリシャの財政問題も懸念され、欧州問題が重しとなり、一時57.79ドル安の13521.68ドルまで下落した。しかし、材料難のなか、売りの勢いは一服。下値では買いが入り、下げ幅を縮小させた。NASDAQは前日比19.18ポイント安の3160.78ポイント、S&P500は同3.26ポイント安の1456.89ポイントで終了した。個別では発売3日間で500万台超の「iPhone 5」を販売したものの、一部の予想に届かなかったことから、アップルは1.3%安。一方、ディスプレイ広告のシェアが拡大しているほか、シティが目標株価を引き上げたグーグルは2.1%上昇した。

前日の日経平均は安値圏でのもみ合いに終始。地合い悪化を受けて、国際優良株を中心に売りに押された。東証1部の騰落状況は上昇773/下落725で、値上がり銘柄が若干多く、規模別株価指数は小型のみ上昇。自動車株が商いを伴って売られたほか、対ユーロでの円高進行を受けてキヤノンなどの下げも目立った。その一方、内需関連は底堅く推移し、iPhone5の販売が好調で大和が格上げしたソフトバンク、KDDIが買われた。また、官民で買収と報じられたルネサスは買い注文殺到でS高比例配分となった。

日経平均株価は9069.29 -40.71円と反落。転換線(9029円)が下値で意識され、大引けにかけて盛り返す展開となった。RSI(9日)は前日66.3%→63.3%に低下。十字足からあすの転換線上昇で反発できるかが注目される。一方、目先的には、3/27高値を起点に8/20高値を通る右下がりの下値支持線までの揺り戻しの水準が基準線(8967円)処となり、そのあたりで下げ止まるかが焦点。8/23高値9178円(終値ベース)をクリアしたことで、押し目を形成したあとは一段高に期待できる局面である。7月高値や8月高値付近でもみ合いを維持できれば、6月安値以降の下固めから、次の上昇で高値(9/19)更新後は上げに弾みが付く可能性はあるとみられる。ただし、75日線(8841円)や100日線(8817円)処まで押しが深まるようだと、下記に示した10月後半の変化日まで、もみ合いが続くシナリオもあろうか。当面の上値メドは、8/23高値~9/5安値までの下げ幅499円を8/23高値から上げたV計算値の9677円。また、6/4安値~7/4高値までの上げ幅809円を7/4高値からさらに上げたE計算値の9913円などが挙げられる。基調に変化が生じやすいのは、9/28~10/2、10/19、10/31~11/2。週足では、26週線(8958円)や52週線(8952円)などが収れんしうる8950円処までは、押し戻されるシナリオを想定しておきたい。週足均衡表では、今週下げに転じた基準線も来週までに8965円まで切り下がることになり、同じ水準に重要な節目が次第に収れんしてくる。

トレーダーズウエブより

9月21日

2012-09-21 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。前日急落した反動で主力株を中心にショートカバーが入るとみられるが、安値更新した中国株の動向を見極めたいとのムードが強く、買い一巡後は伸び悩みそう。週末ということもあり、利益確定売り圧力が強く上値の重い展開となりそうだ。日経平均の予想レンジは8990~9200円。

ここ数日は、日米欧の中央銀行が追加緩和に動いたことを好感する動きが続いていたが、この日は為替市場で一気に円高が進行し、商品市況では原油価格が急落するなどリスク回避の動きが鮮明となった。単なる一時的な調整か、リスクオンの流れが終焉したのかを判断するのは難しいが、投資家心理が急速に悪化したことは事実。東証1部の売買代金が4日連続で1兆円超を記録するなど、市場エネルギーが増加傾向にあることはポジティブに評価できるものの、日経平均が今後9月限SQ値(9076.79円)、心理的な節目かつ25日移動平均の水準でもある9000円などを割り込むと調整局面入りする可能性があり、正念場を迎えたといえよう。

20日のNY株式相場はまちまち。中国の経済指標結果や金融セクターが重しとなる場面がみられたものの、9月フィラデルフィア連銀製造業指数の結果を好感した。ダウ平均は前日比18.97ドル高の13596.93ドルで終了した。ダウ平均は売りが先行した。9月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が11カ月連続で節目の50割れとなり、同統計の算出を開始した2004年以降で最長を記録したことから、世界景気の減速が嫌気された。また、UBSが一部大手金融機関の投資判断を引き下げたことも重しとなり、指数は一時74.96ドル安の13503.00ドルまで下落した。しかし、9月フィラデルフィア連銀製造業指数の結果が予想より強かったことから、一転して買い優勢に。引けにかけて一時21ドル高程度まで買い進まれた。NASDAQは前日比6.66ポイント安の3175.96ポイント、S&P500は同0.78ポイント安の1460.27ポイントで終了した。個別ではシングルカップ市場に本格参入することを発表したスターバックスは2.2%上昇する一方、競合のグリーンマウンテンは9.6%急落した。また、2012年のオンライン・ディスプレイ広告市場のシェアでFBを抜く可能性が明らかになったグーグルは小幅高となった。

前日の日経平均は後場下げ幅を拡大し、9100円を割り込んで取引を終えた。急速な円高進行やアジア株安を受けて、利益確定売りが膨らんだ。東証1部の値下がり銘柄数は1295(全体の77.0%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。地合い悪化で国際優良株、資源関連株などが売り込まれた。その一方で、内需関連株が底堅く推移し、自社株買い発表のNTTは商いを伴って急騰した。

日経平均株価は9086.98 -145.23円と大幅反落。前日陽線の中値9214円まで戻す場面もあったが、一転下げ幅を広げ「たすき陰線」を形成する展開となった。RSI(9日)は前日86.7%→72.6%に低下。あすも下げが続く場合は、3/27高値を起点に8/20高値を通る右下がりの下値支持線までの揺り戻し(時期により異なるが、足元だと9000円前後)にとどまるかが焦点になってくる。19日は基調に変化が生じやすく、反転ひと押しは不思議ではない。一方、8/23高値9178円(終値ベース)をクリアしたことで、一段高に期待できる局面である。目先、7月高値や8月高値付近でもみ合いを維持できれば、6月安値以降の下固めから、加速度的に水準を切り上げる展開につながる可能性はある。当面の上値メドは、8/23高値~9/5安値までの下げ幅499円を8/23高値から上げたV計算値の9677円。また、6/4安値~7/4高値までの上げ幅809円を7/4高値からさらに上げたE計算値の9913円などが挙げられる。基調に変化が生じやすいのは、9/28~10/2、10/19、10/31~11/2。週足では、26週線(8996円)や52週線(8944円)などが収れんしうる9000円をやや下回るまでは、週間終値で押し戻されるシナリオを想定しておきたい。週足均衡表では来週下げに転じる基準線も10月第一週までに8965円まで切り下がることになり、9000円前後に重要な節目が次第に収れんしてくる。

トレーダーズウエブより