ひだまり家族

夫と二人の息子の4人家族。
ドラマ『ぽっかぽか』のような家族に憧れながらも、
現実は子どもたちに振り回される毎日…

悲しい知らせ。

2011-11-05 21:53:58 | 仕事
前の病院で一緒に働いていた友達に
久しぶりにメールをしました。

近況を軽く報告しあった後、
『Nさんが先日永眠されたよ』
と聞きました。

いつかは耳にするであろうと
覚悟していた知らせ。

でもその日ができるだけ
遠い日であってほしいと
願っていた知らせでした。

Nさんはパートで働いていた
前の病院の患者さんでした。

私が勤める数年前に
悪性疾患で手術をされていて
その後体調を崩したり、
化学療法を受けるために
定期的に入院をされていた方です。

母親世代のその女性。
主治医からはそう長くは生きられないと
宣告されていましたが、
治療に対してもとても前向きで
周囲への気遣いや優しさ、
人として、女性として、
尊敬できる方でした。

化学療法のために1週間入院し、
1週間自宅、また1週間化学療法…と
月の半分を病院で過ごされていました。

私が退職する前の1年間では
もしかすると年の半分以上は
病院で過ごしていたのかもしれません。

化学療法のつらい副作用にも耐え、
入院1週間で4キロくらい体重が減るのに
次の入院までにはまた体重を戻してこられる。

そして、その自宅での療養期間に
大好きなSMAPや嵐のコンサートにも
足を運んでおられました。

治療による体力や免疫力の低下、
想像以上につらいはずなのに
どこにそんなパワーがあるのかと
私たちが驚かされたし、
いつも笑顔で温かかったNさん。

向井理さんのファンでもあり
向井くんの話もたくさんしました。

3月に夫の転勤が決まり退職する際に
Nさんにお手紙をお渡ししたのですが、
Nさんからもお手紙をいただきました。

そこには
『私が頑張れるのは
 支えてくれるスタッフがいるから』
ということ。

そして、私に対しては
『何事にも真面目で真摯で
 でも、良い意味で天然で
 癒し系で大好きでした』
と書いてくださいました。

7月に近くまで行ったときに
入院しておられたので
お顔を見に行きたくて連絡したのですが
Nさんの体調が悪かったので
電話だけにさせてもらったんです。

その時の声があまりに弱っておられて
何となく嫌な予感はしたのですが
それから3ヶ月…。
永眠されたという事実を知りました。

『看護師はあなたの天職よ。
 絶対に続けてね』

そう応援してくださったNさん。

つらい治療にも愚痴をこぼさずに
前向きに闘ってこられたNさん。

同室の方々ともすぐに打ち解け、
友達になった同じ疾患の方との数々の別れ。

そのことで、
きっとご自分の死に対する恐怖も
大きかったはず。

それなのに、
周りを心配させないように
いつも明るく振る舞って
隠していたのではないかと
思えてなりません。

Nさんから教えてもらったことや
いただいたありがたいお言葉。

私も胸に大切にしまって頑張ります。

Nさん、ありがとうございました。
そして、お疲れさまでした。

どうか安らかにお眠りください。

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6 コメント

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Nさん (まむしっ子)
2011-11-06 05:29:18
以前にも、blogに書いてくれていた方だよね。

そっか。
永眠されたんだね…

人はいつか亡くなるものだとわかっているし
誰にでも明日が当然の様に
おとずれるものではないことは
頭ではわかっているんだけど…。

特養に居た頃、
昨日まで、先週まで元気だった方が
ひょんなきっかけで、どんどん状態が落ちてしまい
前日「また明日ね」って返って
翌日出勤したら、お線香の香りがしていて…

とか、受け入れられないような経験は
度々ありました。

特養を離れた今でも、何名かの入居者さんの
ことは、今でも心に残っていて、
ちょうど、昨日、母とそんな話をしていたところです。

死に対する覚悟。
まだまだ、私には、実感ができないけれど、
若ければ若い程、志半ばであればあるほど
相当に大きくなるものなのかな…。
Nさんの姿勢、周囲への気配り、
なかなかできるものではい
立派な方だったのだろうと
tokotokoちゃんの日記を見て思っていました。

出逢う場所が、病院で
患者さんと看護師という立場ではあるけれど
tokotokoちゃんにとっても
Nさんにとっても、
それは、素敵なものだったと思います。

きっと、何かの折に、想い出すんだと思う。
心の中に、これまで贈ってもらった言葉や
表情がたくさん詰まっているよね。

本当に、悲しいことだけど
出逢えてよかった。
そう想える,Nさんとの出逢いだったんだろうと思います。

向井くんの1月からの主演ドラマ。
Nさんも観られたら…
って、私も思いました。
tokotokoちゃんを
応援し、励ましてくれていたNさん。
私も、そんなNさんを思いながら
観ようと思います。

ちょっと、涙がにじんでしまいました。
返信する
悲しい (missan)
2011-11-06 12:17:05
前の職場の患者さんやったんやね。
そんな手紙をやり取りする位の関係って、
よくあることじゃないやろうに、素敵な
関係を築けた方との別れって辛い。

辛い治療をされても弱音を吐かず、前向き
になれるものかな。
体重管理もきっちりされて、楽しいことは
できる範囲でどんどんされて、そんな風に
なかなかできることじゃないよね。
よっぽど強い方だったんだな。
そこまで強くなる以前にたくさんの葛藤は
あったろうね。

それから、tokotokoちゃんのこともよく
見てくれていたんやね。
ありがたいね。

本当に辛いことやけど、tokotokoちゃんが
前向いて頑張っていたら、喜んでくれそう
かな。

生きているって当たり前じゃないね。
返信する
Nさん (tokotoko)
2011-11-06 12:42:16
まむしっ子ちゃん☆

うん。
以前にもblogに書いたことのある患者さんです。

化学療法をしているときは
吐き気と嘔吐との闘いで
こんなに辛くても逃げないなんて
すごいと思っていたんだけど
『こんなに先生や看護師さんが
 治療やケアをしてくれるのに
 治療を受ける私が弱音を吐いてられない』
と闘っておられました。

SMAPや嵐のコンサートも
生きる原動力のように見えて
次々とチケットを取り
『この日を楽しみに…』
と頑張っておられました。

病院では治療の影響もあって
ほとんど食べられなくて点滴だから
体重も減って帰るけど
家に帰ると家族のために調理をし
自分でも少しづつでも食べるようにして
体重を増やしてまた治療に負けないように
コントロールされている方でした。

痛み止めなどもほとんど使わず、
日々の楽しみも大切にしながら
スタッフに対してもニコニコしてくれたNさん。

退職してからも
『TVで向井くんを見ると
 いつもtokotokoさんを思い出すのよ』
とメールをくれたり。

本当に素敵な方でした。

そうやね。
患者さんと看護師という出逢い方だったけど
いろいろ学ばせてもらって感謝しています。

私も仕事頑張らなきゃな。
返信する
生きる (tokotoko)
2011-11-06 13:39:07
missan☆

ほんと、生きるって、
生きているって、
それだけで尊いことなんだよね。

GWに会ったとき、
missanに頼んで
はりま焼きを調達してもらったやん?
あれを送った相手がNさんなん。
食べる量は少ないけど
“食べたい”って思うものを言ってくれたから
何とかして送ってあげたくて。

すごく喜んでくれてたわ。
だから密かにmissanもNさんと
関わりがあったのかも。

ありがとう。

私が看護師として働くことを
応援してくれていたから
私も苦手なスタッフに負けてないで
頑張らなあかんなって
改めて思ったよ。
返信する
悲しい知らせ (まなみん)
2011-11-06 15:01:30
看護師をしてたら必ずこういうことが
あるんだろうけど、
やはり辛いね。
苦しい治療にも耐えて、
本当辛いはずなのに、
前向きで、
強くて素敵な人。
ホントこちらの方が励まされる。

そういった状況の中でも
一生懸命生きてこられたのを聞くと、
私も毎日無駄にしちゃいけないなって
思いました。

「看護師は天職。続けてね。」との言葉。
お亡くなりになられたのは悲しいけど、
tokotokoちゃんの心にずっと残って、
これからも励ましてくれるんだろうね。
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仕事 (tokotoko)
2011-11-06 16:39:44
まなみん☆

確かにこの仕事をしていると
“死”というものは
避けては通れないものだと思います。

特に前の職場は
悪性疾患で入院してくる人が多い病棟で
勤めていた2年半の間に
たくさんの別れがありました。

“死”を意識しつつも、
僅かな希望を捨てずに治療されている人、
『子どものために何とか生きたい』と
辛い治療も受けていた人。

もちろん、元気に退院されて
外来受診のときに
元気な姿を見せてくれる人もいました。

忘れられない別れもたくさんあるし
患者さんやそのご家族との
忘れられないエピソードもたくさんあります。

外来通院中で体調が気になる人もいます。

仕事を通していろんな人と出逢い、
いろんなことを考えさせられ、
学ばせてもらっているんだなぁと思います。

うん。
Nさんの言葉はこれからも
私を励ましてくれるものだと思う。

形じゃなくて、
心に遺してくれたものがたくさんあるから
私も頑張るよ。
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