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『宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった』 佐藤勝彦

2007年03月26日 | 科学
 

宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった.jpg


能登半島沖の地震、死亡者まで出てしまいましたね。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

東京都知事選のある候補は、私なら一週間前に予知できると語ったそうですが…。事実なら、ふざけてます。

大規模な地震が起きるたびに思い出すのが、以前ご紹介した『歴史の方程式』です。副題が“科学は大事件を予知できるか”です。最新の物理学の知見を利用して、地震や戦争なども含めた予知などを扱うのですが、阪神大震災の話から始まっている興味深い一冊ですので、よろしければレビューをご覧下さい。


 ⇒  『歴史の方程式』 マークブキャナン(著) 水谷淳(訳)




さて、同じ物理でも、宇宙に関する本です。

ここのところ、宗教・宇宙・神 などを扱った小説などを取り上げました。小説に出てくる宇宙、神が創造した宇宙はどこまでも文字通り “神秘的” ですが、逆に科学的に宇宙を扱った一冊です。帯にもストレートに “神秘のベールにつつまれた宇宙の謎を解明する!” とあります。大変読みやすい良い本です。


科学の進歩は人々の生活を便利にしただけでなく、その考えにも大きな影響を与えました。以前ご紹介した 『人はなぜ夜空を見上げるのか』 に詳しいのですが、コペルニクスガリレオの例に見られるように、科学は教会(宗教)と対立しましたね。

聖書の教えに反しているということですが、当時、科学は神の存在を否定する方向に働いたのでしょう。その時代からさらに現代の物理学では宇宙や地球をどう捉えているのか、それを解説した一冊です。


著者の佐藤勝彦氏自身が世界的な物理学者ですが、素人にも分かるように、平易な言葉で宇宙について述べています。高校生でも一般社会人でも、勉強として、あるいは教養として楽しく読めると思います。


数式はほとんど出てきません。アインシュタインの何がいったいすごいのか、ホーキングはなぜ注目を集めているのかということを教えてくれます。


以前、別の物理学者が、宇宙の創世についてはほぼ解明しつつあると書いているのを読みました。その時は本当だろうか、と疑っていましたが、本書を読むと、なるほどアインシュタインにも解けなかった、最初の “神の一撃” つまり宇宙誕生問題もいよいよ説明されつつあるのだなという気がしてきました。


ダーウィンが進化論を広めた結果、人間は神様が作ったわけではなくなってしまい、宇宙の誕生も科学的に説明されてしまうと、神様の居場所がますますせまくなっちゃっう気がします(笑)。


これから高校に入る人、中学生にはちょっと難しいかもしれませんが、地球がどうやってできたのかを解明しようという人がいる。そんなことを聞いたら読んでみたくなりませんかね。


目次です。

第1章 宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった

第2章
 アインシュタインは宇宙をいちばん知りたかった

第3章
 マザー・ユニバースからチャイルド・ユニバースへ

第4章
 ホーキングとビレンケン―「無」からの宇宙創生論

第5章
 宇宙論は観測の時代に突入した





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