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『歴史の方程式』 マークブキャナン

2006年05月29日 | 科学



大地震や大災害というのは予知できるのでしょうか。

次々と注目すべき若手研究者を輩出している物理学界ですが、筆者もその一人です。“物理”の問題は“歴史”を抜きに扱えないと、まずはびっくりするようなことを指摘します。

歴史に残るような大地震や大火災、または戦争なども、あとになってみると、歴史研究者も物理学者もたいてい、『起こるべくして起こった』 とか、『歴史は繰り返す』『百年に一度の割合で』などと説明したりします。

地震予知に関しては、地震のしくみは解明されていますし、プレートの位置も分かっていますが、『震度○○以上の地震が○○年以内に○○で起こる』 というような、過去のデータをもとにした地震予知は不可能だと言い切ります。

“30年以内に関東地方で大地震” というのは予知でも何でもなく、単なる平均値を述べただけです。

そう主張する根拠を与えるのが物理の単純なモデル実験から得られた知見です。非常に分かりやすいのですが、砂場で子どもが作るような、単純な砂山を想像して下さい。その山に一粒ずつ砂を落としていきます。砂山にはどう影響するかという実験が大きなヒントになります。おもしろいです。

そして、歴史の方程式はあるのかという大きな問いかけに対して、その鍵が『べき乗』にあることを明かします。xが2倍になればyは4倍(3倍なら9倍)のような法則です。

地震では逆に震度が大きくなれば、回数は極端に減少していくという法則です。人が感じないような小さな地震は無数に起こっていて、規模が大きくなるほど回数が大幅に減少します。“典型的な地震や火事の大きさ”は存在せず、単に大きければ大きいほど回数が少ない。

驚くべきことは、自然界のこの単純な法則がつい最近分かったということ。さらに、人為的な戦争や他のものにも多く当てはまるということです。物理学の仕事はもうなくなったと思われた時代があったそうですが、まさか、歴史学者も物理学の中に、歴史の答えがあるかもしれないとは思ってもみなかったでしょう。

以前ご紹介した、『つながりの科学(小田垣孝著)』 はその一部でもあります。カオス理論や複雑系の話とかいうものに関連しており、最近では、株価の動きや、ネットワーク(道路網やインターネット)にまで、こういった研究が成果を挙げており、非常にエキサイティングな分野になっています。ぜひお読み下さい。

p.s. 地震を元に記事を書いてしまいました。被災者の方々にお見舞い申し上げます。



http://tokkun.net/jump.htm




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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
地震予知 (Mizo)
2006-05-28 18:28:07
地震予知に関してはこの本がよくまとまっています。

「地震予知と社会」(古今書院)



長期的な予測より、前触れを多数のセンサーでとらえて、直前に警報を出す方向にシフトしていると理解しています。
経済物理学 (Mizo)
2006-05-28 18:40:45
複雑系の科学(カオスやフラクタル)を経済に適用した「経済物理学」、下記の本が興味深いです。



高安秀樹著「経済物理学の発見」(光文社新書)
Mizoさん!またHitです。 (VIVA)
2006-05-29 21:31:39
高安秀樹著「経済物理学の発見」(光文社新書)、私も読みました。ビンゴ!っていう感じでうれしかったです。



本当におもしろい分野ができたと感心しました。もう一度大学に行くとしたら、ぜひこういう分野を研究してみたいなぁ~と。



Mizoさんの感想もお聞かせ下さいね。

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