降って来るもの

写真と散文とぽえむ

釦のように

2019-05-21 21:10:20 | 詩17

            釦のように


ノンフィクションの時間を手繰って

僕らは結局

フィクションの空間を移ろう


与えられるものに

手応えはなく

奪われるものに

容赦もない


早送りを望んでは

早戻しを懇願する

一時停止の懺悔をしては

巻き戻しの後悔に涙する


リモコンの釦のように

僕らはいつでも

切り替え可能の

TOKIの流れに翻弄され

その大きな掌の

結局は指先の戯れで

inochiの成否を

inochiの軽重や長短や

inchiの尊卑を

淡々と織り込む

一本の編み棒に過ぎない

それも

自分では完成を見ない

自分では着られないkoromoの・・


それにしても

inochiの有り様は

絶えずフィクションなのだと

知らず存在する

数多の僕らであることよ


刹那の享楽にうつつを抜かす

取り留めない輩たちであることよ

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iroiro

2019-05-21 05:18:59 | 詩17

                                iroiro


赤色が血の色なら

midoriはきっとイノチの色

明日の希望を暗示するiroが黄色なら

花々の繚乱の色色の色合いは

それぞれの細胞を包むkoromo

蒼は祈りと潔癖

siroは無垢の心情、純潔の羽毛

夕茜の平穏の安らぎ

曙光のorangeは初めて始まるを兆すiro

安寧と沈黙、抱擁と愛撫、静謐と慄きの黒色よ

紫の深淵は崇拝と懺悔の台utenaか


僕らは色色のomoiを抱えて

唯、TOKIの間に間を漂泊する民

旅路の途次の

色模様をiroiroに重ね着し

そうして、軈て

色層の終わりの無色へと還帰するinochi持て・・

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