降って来るもの

写真と散文とぽえむ

見分ⅩⅢ

2019-05-09 06:04:37 | 詩17

       

                          見分ⅩⅢ「蜘蛛と蟻と」


自分で詳細な規則や手順を作成してしまうと

箇条書きの規律を増やしてしまうと

やがて

その包囲網で身動きが取れなくなる


蜘蛛の巣のように、或いは、蟻地獄のように

もしくは

底なし沼の慄きのように

踠けば踠くほどに奈落へと堕ちてゆくのだ


強靭な意識の骨を持ち合わせないものには

その強かな骨格を創り出せなかったものには

優柔不断の曖昧さこそ

似合いの団欒になるかも知れぬ


その小心者が

地獄の様相などに遭遇すれば

一溜りもなく消滅する

TOKIの餌食の藻屑になる


生きるとは有無の二者択一のようなものだが

中庸の空洞に身を寄せ合って

細々とinochiの灯りを点す有象無象の

抱腹絶倒の悲喜交交こそ

実のところのポエムになる


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ANATAeⅠ

2019-05-09 03:57:26 | 詩17

       

                                     ANATAeⅠ「せぴあni」


会えなかったり話さなかったり

書かなかったり思わなかったり

 でいると

僕の日常の風景から

 やっぱり

anataは少しずつ遠ざかってゆく


頻度や濃度や鮮度や

脳裏の姿と形が

sepiaに変色してゆくと

 否応なく、致し方なく

anataはだんだん離れてゆく


-賢者は、先達は、Buddhaは

-会者定離の理を諭して

-得心の態で淋しさを説くけれど・・


僕のenisiの糸が

 そのように

まるで薄皮を剥ぐように

細く短く脆く薄く儚く切なく

 いつの間にか

滅びてゆくのは、喪ってゆくのは

想いにさえ顕たなくなるのは

-自分のinochiの有り様が

-限りなく希薄になってゆくようで

-自分のkokoroの部品が

-知らぬ間に壊れてゆくようで


耐え難い寂寥の渦巻きが

救いがたい悲嘆の雷鳴が

 其処に発生すると

病巣のように

anataの鮮明を奪ってゆくのだ

腫瘍のように

bokuの鼓動の壁を穿ってゆくのだ

 

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