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生物濃縮

2023年08月15日 | インポート

 フクイチ事故を起こした日本政府と東電は福島第一原発事故汚染水を8月中旬から海洋放出すると決めている。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66117454

 ちょうど今日が、その8月中旬なので、すでに放出が始まっている可能性がある。
 この問題については、数十編のブログを書いているが、問題点は、

 ①トリチウム主体の処理水といいながら、実は、ALPSで除去できないストロンチウム90など数十の有害核種が、環境基準値の2万倍を超えて含まれていること。
 
 汚染水、浄化後も基準2万倍の放射性物質 福島第一原発 2018年9月28日
 https://www.asahi.com/articles/ASL9X6HQ3L9XULBJ014.html

 ① 政府と東電側は、「ALPS多核種除去システムに何度もかけて、基準値内に収まるようにして放出する」と主張してきたが、これまで、ただの一度も、放出汚染水のすべての核種の分析結果を隠し立てなく公表したことがなく、ALPS除去システムの具体的な評価ができないため、本当に有害核種を除去できているのか極めて疑問であり、信用できないこと。

 ② 政府と東電は、「処理水」は軽微な放射線しか出ないトリチウムが未処理のまま放出されると言っていて、処理水の問題はトリチウムの問題であるかのように主張しているが、実は、それはトリチウムに目を向けさせておいて、他のストロンチウム90などの深刻な有害核種の存在を隠したい狙いがあるように思えること。
 処理水=汚染水の本当の問題は、実はトリチウムではなく、ストロンチウム90などであること。
 https://www.chosyu-journal.jp/shakai/20833

 ③ もしも、政府と東電の言うように、汚染水がトリチウムの問題だったなら、100年も保管すれば、ほぼ放射能が消えてしまうので、廃棄タンカーを係留して東電港に保管すれば、問題は比較的容易に解決すること。(現在のタンカーは手入れすれば100年係留に耐える)
 トリチウムには、生物濃縮問題と遺伝子毒性があり、弱いベータ線ながら有機化(OBT)されると生物毒性が1万倍(無機トリチウムガス比)も増えて、生物界全体に深刻な影響を与えること。
 https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2269.html

 グリーンピースは、トリチウムを大量に放出するCANDI炉ピカリング原発周辺のダウン症発症率が85%上昇したことを明らかにした。
http://www.jca.apc.org/mihama/News/news125/news125tritium.pdf

 ④ 汚染水放出の言い訳として、環境基準値以下に薄めて放出するから問題ないという政府の主張がある。
 ところが、これは国連海洋法条約195条の明確な違反である。
 https://www.greenpeace.org/japan/campaigns/story/2019/08/07/9848/

 なぜ、薄めて放出することも禁止されるのか? その理由は、放射能の生物濃縮にある。薄めたはずの放射能が生物連鎖を経て、元の濃度よりもはるかに濃くなって上位捕食者に吸収されるのだ。

 日本では、有毒金属の有機化による生物濃縮で、世界的にも希なほど悲惨で残酷な大規模公害が発生させた経験を持っている。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E4%BF%A3%E7%97%85

水俣病において、熊本チッソが放出したのは無機水銀であり、これは生物に無害だと信じられてきたため、チッソ排水と水俣病の因果関係は長い間闇に包まれ、現皇后の祖父ある江藤豊チッソ社長は、自社の責任を頑なに拒否したため、水俣病の被害が大きく拡大してしまった。
 http://nimd.env.go.jp/archives/minamata_disease_in_depth/esearch_on_mercury/

 だが、無機水銀は、いったん生物体内に吸収されると有機水銀に変化して、食物連鎖によって濃縮され、猛烈な生物毒性を発揮するようになることが、後の研究で明らかにされた。

 2022.11.13 生物濃縮とは? その仕組みや人への影響・対策などを詳しく解説します
  https://hugkum.sho.jp/409247

 http://nimd.env.go.jp/archives/minamata_disease_in_depth/

 同じことが、トリチウムの有機化=OBTでも起きることが証明された。OBTの場合は、トリチウムガスの10000倍の生物毒性が明らかにされている。
https://saiban.hiroshima-net.org/tritium.html

 有機化のメカニズムは、植物体がトリチウムを水素として取り入れ、光合成すると、有機結合体トリチウムに変化する。これは細胞内に深く浸透する性質があり、毒性が飛躍的に高まる。
 このことが明らかにされたのは、今世紀に入ってからで、かつては、トリチウムは極めて微量のベータ線しか出さないので、生物には無害と信じられていた。
 今でも、放射線生物学の専門家以外の、原子力技術者の大半が、トリチウムは無害と信じているようだ。

 同じようなメカニズムで、アイソトープ原子は、生物体内を経由する有機化というプロセスによって、毒性が飛躍的に高まることが指摘されている。
 フクイチ排水=汚染水で、一番深刻な問題である元素は、ストロンチウム90であり、これもカルシウムと同じ二価系列であるため、生物がカルシウムの代替として容易に骨や膵臓などに取り込むことが知られている。
 これもまた生物体内を経由するほどに、濃縮が加速する。

 ストロンチウム90は、生物毒性が物理半減期30年を超える50年と評価されている。理由は、カルシウムと同化して骨部に沈着して、ほとんど死ぬまで排出されないからで、生物半減期がないに等しいのだ。
 しかも生態系のなかで捕食を繰り返すことで、どんどん濃縮が進んでゆき、薄めたはずの放射能濃度が、放流時よりも高まってしまう事態になる。
 その濃縮スケールは、実に100万倍の単位である。
 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6051665.html

 こうなると、「薄めるから安全」と称して福島沖に放出したフクイチ放射能汚染水は、数年~数十年の単位で生物濃縮を受け、やがてマグロや鯨などの上位捕食者に100万倍単位の濃縮が起きて、それを食べた人間に、とてつもない被曝障害を起こしかねない。
 ストロンチウムの半減期は30年だが、2023年現在、まだ76%現存している。

 生物濃縮されたストロンチウムを、ラーメンの魚骨スープなどで摂取すると、何が起きるのか?
 それは、骨に蓄積されて骨癌や白血病を引き起こし、同時に膵臓にも吸収されて糖尿病や膵臓癌を劇的に増やすのだ。
 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5827385.html

 ラーメン屋の経営者に糖尿病や膵臓癌が多い理由に、魚骨スープのストロンチウム問題がある。
 だから、現在すでに、太平洋魚類の骨成分を摂取する魚骨系だし類は避けた方がよい。残念ながらラーメン屋経営者で、健全で長命な人は、あまり聞かない。50歳代での若死にが多いのだ。

 もしも、このまま日本政府と東電が、福島での汚染水放流を続けるならどうなるのか?
 私は太平洋魚類全般が食用不適と認定されることになると思う。
 そして、日本政府は、太平洋沿岸漁業国に超巨額の賠償金を支払わねばならなくなるだろう。
 もちろん、それは日本国民の税金からである。

 汚染水放出は、日本国民の未来を奪うものだ。自分たちを殺すだけではすまない。少なくとも、今後数百年間、太平洋漁業を放棄する事態を招きかねない。
 日本人は、原発を推進してきた核兵器マニア=愛国、国防ファンタジストの夢のために、民族を滅亡させる可能性さえあるのだ。