リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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目が腐るくらい寝てみたい

2006年08月18日 | Weblog
長野県の出身の同僚が「目が腐るくらい、寝てみたくないっすか?」といっていた。
初めて聞いた目が腐るという表現にちょっとギョッとしてスプラッターでグロテスクな腐った目玉が飛び出るホラー映画のようなシーンを想像してしまった。
そいつ独自の言い方かと思ったら、どうやらここいら(このあたり)では、一般的な言い方らしい。
「寝すぎて目がくさっちむーよ。」などなど。

自分は四国、関西、北海道と転々としてきたので、言葉にはうるさい方である。
各地のご当地言葉を楽しんできた。
外国語を勉強するのも使うのも好きだ。

信州佐久は比較的、方言はきつくない地方ではあるがそれでもかなりある。
こっちに来たときから「これは方言!」と思った言葉をちまちまと集めてきた。
初期研修のころから地元出身のスタッフから教わったり患者さんから教わったりして、集めてまとめたものを他の研修医に配ったりもした。
そして特に高齢者相手の診療の場面など積極的に使うように心がけてきた。
方言を使うと自然に打ち解ける。
教えてもらうことで会話も生まれる。
だんだん上手く使えるようになってきて、どれが方言かわからなくなってきた。
さびしいが、それだけなじんだということだろう。

かつては使いこなしていたはずの讃岐弁や関西弁、北海道弁もスムーズにはでなくなってきた。
今、地元にずっといる昔の友人や弟と話しをすると逆にそれが当地の言葉だったのだといまさらながらに気づかされることもある。

自分のいる病院は地元出身者や研修医あがりでずっといる人、独自採用の医師も多いが科によっては大学医局からの医局人事で動いている。
関東の医科大学から来て1年程度回ってきて技術を学び、あるいは提供して次の場所へ移っていく医師などは、週末は東京に帰ったりするし、ほとんど地域にも出るチャンスもない。言葉や生活背景などの細かいところでのジジババとコミュニケーションはきっと難しいんだろうなと思う。