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精神科医師のブログ。
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TPP反対で当選した自民党議員からの圧力?

2013年04月04日 | Weblog
ヨラシムベシシラシムベカラズ
からの続きです。

市場原理によって医療や環境、制度といった社会共通資本を破壊し、多国籍企業が利益をえるための枠組みが秘密裏につくられてしまうというTPPの本質を知るにつけ、これは医療をはじめ国民の生活を揺るがし、民主主義の根幹に関わる危機だと思い、私は自分の出来る範囲でTPP反対の活動をしてきました。

そして一市民として長野2区からTPP反対を掲げて当選した自民党の務台俊介衆議院議員と情報交換をしてきました。

務台俊介議員はTPP反対を掲げ当選しましたが、地元を含め世論の多くがTPPに賛成している(!?)とのことで、安倍総理の参加表明は阻止できず、政権党の一員でもあることから大きな枠組みの中での聖域保持に全力を傾注するしかないとのことでした。

安倍総理がTPP交渉参加表明をしたことに対して抗議するも、なかなか実のあるディスカッションできませんでしたので、危機感をもち「TPPを阻止するために市民としてできる事はなにか?」と議員に聞いてきました。

すると

「TPPに関しては、樋端さんのような反対論が大きな声になっていない懸念を感じます。もっと大きな声をあげてください。私たちが活動しやすいように。

「世論の動向は、安曇野も含め、TPP擁護論が過半であることを肌で感じます。事務所にも「なぜあなたは反対論者なんだ。農協の権益擁護に何故加担するんだ」との意見を寄せる人が結構います。それに対して、TPP反対論者は、「おとなしい」対応であるように感じられてしかたがありません。

と叱咤激励されました。

さらに「ネットで訴えていれば役割を果たせるという意識では今のTPP推進派の勢いは阻みがたいものがあるように思えます。」とのことでした。

しかし、私たちには政治意外の日常の仕事や責任もあり、務台俊介議員のすすめるような医療機関のストライキをしたり、反TPPのデモへの参加したりといったこともなかなかできず、なんとか自分にできることをということで「議員からの反TPP派に対する叱咤激励の声」を含めTPP反対のメッセージを自分のブログに転載し市民に伝えてきました。

そうしたところ「TPP反対で当選した国会議員のTPPに対する認識。」のエントリーがネット上で広く拡散され多くの方の目に留まる事になりました。

すると、突然、務台俊介衆議院議員からメールきました。




「toibanaさま
このメールのやり取りを公にするのであれば、事前に了解を取ってもらわないと。
医師の守秘義務を疑います。JAの関係者に注意喚起します。

保険医協会の人から、議員辞職をしろと、迫られましたよ。

これでは、味方にすべき立場の人を葬るようなことをする時点で、勝負ありですね。
お付き合いの仕方を考えざるを得ません。これではそちらの病院で人間ドックもできませんね。

(※私がJA関係の長野厚生連の病院に勤務しているからでしょうか?JAでは組織として務台俊介議員を応援していましたが、そもそもTPP反対の公約実現に真剣でない務台氏がJAに顔向けできるのでしょうか?人間ドックは好きな病院で受けていただければいいですが・・。)

さらに、

「トイバナさん

blog記事を見た人達から、怒りの問い合わせが殺到しています。
後ろから鉄砲を撃たれている感じです。
皮肉に満ちたblogですから当然の反応でしょうか。
まだこれからの話なのに、これでは、前を向いて戦えません。愚かな対応でしたね。



!??
公人である政治家に市民が質問したことに対する回答を、他の市民と共有したのがまずかったでしょうか?
そもそもオフレコという話でもなかったですし、政治家が自分の考えが広まるということは望ましいことではないのでしょうか?

そして皮肉などではなく私は本気です。
議員も本気で向かい合ってもらいたいと思います。

私は市民の政治やTPP問題に関する関心を高め、最終的にTPP参加阻止を実現させるためにどのような手段が取りうるのかということを常に考え周囲とも話し合ってきました。
そしてTPP反対を掲げて選挙に臨んだ務台議員に一票を投じました。

務台俊介議員のいう勝負とは一体何の勝負なのでしょうか?
そして何が敵味方なのかがさっぱりわかりません。
TPP反対を掲げて当選した自民党議員とはTPP反対運動で共闘できないのでしょうか。

まさか自由民主党とJAの間に「JAとしては自民党がTPPは参加する方向で妥協し、TPP参加にともなうJA農家への補償を最大化することを目的に自民党と共闘する。そのために自民党を応援し、ポーズとして反対運動をおこなう。」などという密約があるわけでもあるまいし、TPP参加阻止のために共闘するのであればこれからが本番のはずです。

選挙での公約が当たり前のようにないがしろにされるのであれば議会制民主主義はなりたちません。
議員は公約の実現に関して、誠実に、全力で向き合ってもらわなければ困ります。
議員が不誠実な態度であれば責められてもしかたありません。
TPP反対を掲げて当選した議員の方には、これから眼の色を変えて国会で働いてもらわなければなりません。

主権者も選挙だけではなく普段から政治から目を離さず、関心を持ち、情報をあつめ、主体的に行動し、議員を応援し動きやすい環境をつくり、一方、議員の不誠実な行動を監視し公約を守るようにプレッシャーをかけというような運動こそがおまかせ民主主義からの脱却なのではないでしょうか?

そして全国でこのような動きが広がることこそがまさに務台議員の主張する「政治が機能する」ということではないのでしょうか?

務台俊介さんは、私達が主催する障害者就労の勉強会にお越しいただいたことがあります。(残念ながら、後半は帰ってしまわれましたが。)
私は、務台氏のご著書をよませて頂いたり、ユーストリームの放送を聞いて、多少なりとも期待して大切な一票を投じたのです。
主権者である国民の期待を裏切らないで真剣に取り組んでいただきたいものです。


何かあっても怖いので一応、法律家にも相談しましたが、公人である議員の発言の公開であり、「業務上・職務上知りえた秘密に関して」のことではないので守秘義務にはあたらず、ブログの内容も基本的には応援なので名誉毀損とまではいえず(あるいは公共の利害に関する場合の特例にあたる)、問題はないだろうということでした。
こういう圧力があったということはここで報告しておきます。
もし務台俊介議員からの意見や反論等があればそのまま掲載しますとメールいたしましたが「信義の問題である」といわれ、掲載の依頼はありません。



◆◆◆務台俊介議員にはこちらから意見できます。◆◆◆

またTPP反対を掲げて当選した議員に応援のメッセージを送りましょう。
衆議院議員TPP態度一覧


■■■■参考リンク■■■■

「政治家の主張の一貫性を考える」~むたい俊介メールマガジン~
有権者受けを狙い主張を変える政治家についての一考察。著名議員と地元選出議員の事例をみる。それをチェックする仕組みの必要性を主張。

曰く、”政治家の矜持とは何か。それは政策の一貫性ではないか。現在は、その時々の選挙に有利か不利かという理由だけで政策をころころ変える政治家が、政党の幹部から一般議員まで余りにも多すぎるのではないか。そのことで有権者の政治不信が増幅されていく。”

安倍晋三先生 講演会 むたい俊介アワー 2012/03/18 12

安倍晋三氏(16分頃~)
「選挙における約束は政党の命といってもいい。その約束がいい加減なものでいいのであれば選挙戦、論戦を戦わせることも虚しくなってしまうわけです。」

しっかりしてくださいよ 務台さん。



政府は必ず嘘をつく――アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること (角川SSC新書)
堤 未果
角川マガジンズ

99%の人の必読の書。

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2 コメント

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守秘義務? (布山徹)
2013-04-04 22:45:05
守秘義務とは「業務上・職務上知りえた秘密を他に漏らしてはならない」という義務ですよね。務台議員が守秘義務で樋端先生を非難するということは彼は患者だったのですか?このメールは彼の治療やカウンセリングでやり取りしたメールなのでしょうか?
政治家の支持者や支援者としてのやり取りなら守秘義務は問えませんね。彼も東大法学部卒なのですから私たち以上に法律には詳しいはずですが、、、。
返信する
Unknown (といぴ)
2013-04-06 17:09:41
こちらの質問にメールできちんと対応してくれるだけ務台俊介氏は誠実で正直なのだとは思います。
返信する

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