リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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ワークライフバランス

2007年07月10日 | Weblog
ワークライフバランスの問題、生涯教育の問題。
医師をはじめとした医療従事者のワークシェアリングのこと、多様な働き方の可能性の追求が医療従事者の確保のひとつの鍵となっているようだ。QODL(Quality of Dr’s Life)の追求。Employee’s Satisfactionが満たされずCustomer’s(Patient’s)Satisfacitonが得られるわけがない。

しかし多様な働き方をみとめる前提として年俸制、契約制という形が必要なのだろうが厚生連病院の場合これがネックになっているようだ。習得に才能も時間も必要な高度な技術をもちつつも忙しさも責任も大きい科と、その逆の科でもどちらも医師であるというだけで同じ給料というのはやはりおかしい。それではしんどい科や危険な科をさけるのは当たり前だ。

また、夏休みを20年間とったこともなく、まったくの休みは月に1日、36時間労働を当たり前という世代のマゾヒストスーパーマン医師がのさばっているから、普通の人が医師を続けるのが大変になっている。

このあたりも訴えてゆきたい点だ。

患者に縛られ24時間365日の勤務。グループ制できっちりOn/Offが割り切れればいいのでしょうが・・・・。いくらインフォームドコンセントの時代でも医師には家父長制的な役割というのもやはりある(宗教的ですらあります。)ので難しい面もある。

また、医師の業務量自体が増えているようだ。一人の患者さんが入院すると20枚くらいは書類がついてまわる。その多くは形式的、アリバイ的なもので疲れを倍増させられる。保険会社の調査員の相手をしていると、こころがすさむ。

あとは、住民と医療者のギャップをうめる。
これが医療の民主化の第一歩だ。
くりかえし延べているように医療はサービス業というよりは社会共通資本なので、コンビニ、ファミレス感覚で利用されては限られた資源は枯渇してしまう。
クレーマー患者、モンスター患者に食いつぶされる病院という構図だ。

ギャップをうめるために情報公開をすすめることももちろん大事だが、いくら患者が勉強してきても情報(の活かし方、見方)の非対称性はどうしようもない。(そのための医師なのだから。)このあたりに関しては、COMLの辻本さんがいうように世代ごとに対応を変えているのが現実だ。

生病老死を地域へ返すべく、われわれが日々おこなっている在宅での看取り、地域で
のノーマライゼーションの推進などもギャップをうめるための大事な活動だとおもう。