リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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シッコ~Sickoみた。

2008年09月30日 | Weblog
Sicko-やっとみることができました。

アメリカの医療保険の問題を軸にアメリカの民主主義の現実、現状を痛烈に皮肉ったドキュメンタリー映画。

アメリカのひどい状況と対比してカナダ、イギリス、フランス、キューバの医療制度が紹介されていましたが、
ちゃんとストーリーがあるところもすごい。

うーん。
それにしてもアメリカもひどい状態だな。

フランスいいなぁ。往診サービスも・・。
キューバ、いい国だなぁ。
ちゃんと民主主義が育っています。

医療は教育と同じく、最低限のインフラ、社会共通資本だから国家の責任として全ての国民に提供すべきだということがよくわかります。

しかしアメリカの保険会社やビックファーマの手先となった国家権力は国民の健康と教育を恐れています。
元気で知恵のある国民なら、そんな政府は転覆させられるからね。

自己責任、自己責任って弱者をまもれなくてナニが文化、ナニが社会保障?

歯止めの利かなくなった弱肉強食の新自由主義は手段が目的化し、人々を不幸にします。
生物学のトレンドも、ダーウィンの適者生存から共存共生、棲み分けの理論に変わってきているのにね。

お金の奴隷となり、モンスター化した産業界や官僚組織の手先になるなら政治の役割ってナニ?

国民の代表としてリーダーシップをとってモンスターを押さこむのが仕事でしょ。

アメリカの民主主義も地に落ち、資本主義の悪魔の成れの果ての状態ですな・・・。

そして小泉さんたちのおかげで日本の医療もだんだんそんなアメリカ型に近づきつつある。

社会保障がどんどん貧弱になる不安に付け込んで、民間の保険(外資系)ものさばりつつあるし、医者も、うっかりすると製薬会社など医療産業の手先になってしまう。

医者も薬飲ませるより前にすること、たくさんあるでしょ。

日本人も、この映画は是非見ておくべきと思いました。

医療保険制度もいい医療も与えられるものじゃないの。
沢内村や佐久などの歴史を振り返ってみればわかるように、勝ち取ってつくり育て守ってきたものなのですよ。

モンスターを太らせないために、ちゃんと声をあげて、票を投じてたたかわなきゃダメだね。
憲法でちゃんと為政者を縛らなきゃだめだね。

『一身独立して国家独立する。』
お札の諭吉さんをみるたびに思い返す必要がありますな。