リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

本当に怖い?認知症

2013年10月27日 | Weblog
認知症の寸劇は需要が大きいようです。
3人ですぐに演じられるバージョンを作りました。
認知症のイベントの最初などに。
注意点としてはとにかくニンチ、ミンチ、ウンチは大きな声で。

孫)(大きな声で元気よく)お母さん、お母さん?ニンチって何?

嫁)えっ?ミンチ?あなたの大好きなミートソーススパゲッティに入っているひき肉のことよ?

孫)ちがうよ、最近はパスタボロネーゼっていうんだよ。
・・・(大きな声)そうじゃなくって、看護師やってるケイコおばちゃんに、「おばあちゃん、最近ニンチ入ってきているんじゃない?」っていわれたんだよ。

嫁)??? 認知症のこと?
そういえばこの前の町の講演会でもやっていたね。
もの忘れがすすんで生活していくのが大変になるって。
高齢化がすすんで増えているけど、すすむのをおくらせるお薬もでてきて、介護保険っていう助け合う制度もできて使えるサービスも増えて安心できるようになったっていってたわよ。
おばあちゃん、たしかに最近もの忘れ増えてきたけど・・・。
ディサービスもいくようになったし元気そうにおもうけどな。

孫)ちがうわい!ちがうわい!そんなんじゃないよ!!
突然、暴れたり、奇声を発したり、家から出ていこうとするんだって。
あることないこと言い出したり、夜とか大混乱して大変なんだって。
幻覚がでて、うんちを壁にぬりたくったりするんだって。
お薬のまされて精神病院に入れられちゃうんだって。
身体の病気になっても治療できなくて縛られちゃうんだって。
最期には食べられなくなって喋れなくなって胃に穴をあけられるんだって・・。
おばちゃんの病院でもニンチ入っている人が増えているんだって。
(涙声で振り返りながら)・・・おばあちゃんもそうなっちゃうの?
  

嫁)え~!そんな怖い病気なの?

孫)だからケイコおばさんは、早く病院に行って、新しくでたお薬ももらって飲んで今から進まないようにしっかり予防したほうがいいって言ってた。(グスン、グスン)

ウメさん(ディサービスから戻る。)ただいま~。楽しかったよ。

嫁)あ、おばあちゃんディサービスからかえってきたわね。
孫)(祖母の方を向いて泣きながら)
   おばあちゃん・・・・ニンチ入っちゃったの?(涙目)

ウメさん)(ゆっくり)なんだい?ウンチ?ウンチは入るんじゃなくて、出すだよ。おかしな子だねぇ。
ディサービスでお風呂には入ってきたけどね。気持よかったよ。

孫)違うよニンチショウだよ。ニンチショウって病気だよ。

ウメさん)(ゆっくり)ニンチショウ?最近はそんな病気があるのかい?
はてさて、きいたことないわね。

孫)(パニックになって)もの忘れで、・・うんちで。穴を開けられて、大変なんだって・・。

ウメさん)
(ゆっくり)もの忘れ・・。もの忘れといえば昔は痴呆症ってのがあって、大おばあちゃんもボケて出て行っちゃって、最期は寝たきりになったけど何年も家族で介護してみんなたいへんだったわ。
今の年寄りはディサービスで遊ばせてもらって幸せだね。

嫁)(小声で)あんなに行くのをしぶっていたのに・・・。

ウメさん)私みたいな人が大勢いてね。
若い男の子がお風呂入れてくれてるのよ・・。
恥ずかしいからみんなボケたふりしているのよ・・。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿