リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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思うところがあってFC2ブログに引っ越しました。 引越し先はこちらで新規の投稿はすべて引越し先のブログのみとなります。

医・職・食・住・友・遊

2008年10月30日 | Weblog
佐久病院関係の精神科領域の福祉事業を見学。

駅舎の診療所跡地利用で小海町の運営のハート工房ぽっぽ。
知的障害が中心の授産施設ですが、地元のパン屋さんの指導を受けた米粉のパンは商品としても十分な出来した。
地域とともに歩もうと頑張っています。

精神科療養の分院の美里分院のスタッフから出発したNPOワークサポート佐久の洗濯ハウスそよかぜ。
現在時給500円!、最低賃金をめざし毎年賃金UP中。

汚れものの多い病院や施設の個人の選択物を請け負っていました。

どちらも、ニーズをみつけて継続できる事業として成り立っていることがおどろきでした。
それから精神保健福祉の定例の集まりから出発したNPOウィズハート佐久のグループ・ホーム。
ささえる側の人々の層の厚さが強みです。

 医・職・食・住・友・遊をどう地域に整えていくか。

地域の福祉は重層的多層的であるほどいいのです。

障害をアセスメントして、各々の能力を引き出す専門職の力と、地域での様々なレベルの就労の場(できれば、事業としてなりたつ)とが、うまくがかみ合ってこそ、障害者の就労、そしてQOLが担保できるのだと改めて感じました。

それらにかかわることは、本当に楽しくまたやりがいのある仕事だと思います

地域を変える3つの物は「若者、バカ者、よそ者」だそうです。
自分も永遠のきたりっぽ(パーマネントトラベラー)ですが、だからこそできることもあるかと思いました。

こんにゃくゼリー法律で禁止?余計なお世話だ!

2008年10月13日 | Weblog
形は国が決める? こんにゃくゼリー 自民、議員立法へ 消費者行政迷走(産経新聞) - goo ニュース

こんにゃくゼリーはゼリーではなくコンニャクです。
高度な嚥下(えんげ)障害の時に用いる、ゼリー形態の食事に一見似ているというのがダメなのかもしれませんね。
乳幼児のおやつにも一見よさそうですし・・・。
高齢者医療の現場では、嚥下障害の患者さんに対して嚥下食の指導の時にはこんにゃくゼリーはダメ。という話は必ずするようにしていますが・・・。

もっとも自分の場合は高齢になってからなら、「おじいちゃんたら、最期まで食い意地が張って・・。」などといわれながら、正月にモチを詰まらせてなくなるのが理想の死に方の一つなので・・・。
意思表示ができなくなってから、家族の言い訳のため、あるいは年金などの定期収入を、合いにも来てくれない家族にもたらすために強制栄養をされて生きながらえるよりは・・。

閑話休題。
しかし、固くてやわらかくて崩れない、あの独特の食感がこんにゃくゼリーの魅力なのです。
僕も好きな食べ物の一つです。

法律で国が規制してしまうなどというのはやりすぎでしょう。
余計なお世話です。

コンニャクはどうなるんですか?モチは危険なので食べるな!とはさすがにいえないでしょう?
振り込め詐欺が横行しているからATMは廃止にしましょうなどという話はでてきませんよね。
危険だというのなら、よっぽど危険な、タバコやお酒や自動車も、海や川泳ぐのも、夜道を歩くのも、盛り場に行くのも全て禁止にしたらどうですか?

知らずに食べて窒息してしまった方は気の毒ですが、すでにパッケージにも大きく書いてあります。

こんなことが法律になるくらいなら、どんどん窮屈な世の中になります。
リスク(責任)と自由はトレードオフです。

もっとも自分で気をつけるということができない人(子供や高齢者)には周りが気を使う必要がありますね。
こんなことは親が気をつけるべき問題でしょう。

そのために、パッケージやCMでしつこいくらいにアピールし、医療や母子保健、福祉現場からも発信して、みんなでもっと気をつけるようにすればいいだけのことです。カラフルな色をやめてコンニャクの色にすればアピールになりますかね?

そのうちモチと同じように「窒息しやすい食べ物だ。」ということが、認識されるでしょう。
でも、モチだって危険だとわかっていて窒息する人は毎年大勢いるわけですから・・・。
子供にとってもボタン電池やピーナッツなんかのほうが、よっぽど危険です。(これは常識になっているのでしょうか?)

そもそも、すべてのリスクをゼロにしたり悲劇をなくしたりするなんてことはそもそもムリなのです。
半ばあきらめながらも、そこそこのところで妥協しつつ、なんとかしていくというものでしょう。

縄文時代に最初に河豚に当たってなくなったときにも同じような議論がまきおこったのでしょうかね?

注意すれば問題のないこんにゃくゼリー会社をいじめて、個人の注意努力ではどうしようもない汚染米や産地や賞味期限の偽造を放置しているなんて本末転倒です。(医療の現場でも同じ構図は、しょっちゅうみられます。)

ま、こんなことは、しょせんおつむの悪い政治家のウケをねらったパフォーマンスでしょうな。
自らの頭の悪さをアピールしているだけと、気づくことはあるんでしょうか?

世の中、こんなことばっかでつくづくいやになります。

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1179983.html
↑2chでも、わりと面白い議論になっています。


精神療法って・・・。

2008年10月10日 | Weblog
精神療法といわれるものにもいろいろありますが・・。
けっきょく「あきらめ」を勧めなのだとある精神科医は言いいました。

頭でっかちになり、特に都市部での生活では、すべてが思い通りになるという勘違いをしてしまいます。

選択肢が増えたような気がしてしまいます。
そして人は待つこと、あきらめることができなくなりました。

しかし自然界では、
雨に打たれたり、寒かったり、暑かったり、人が死んだり。
世のさまざまな不条理があることを思い出します。

思い通りにならないのが人生。

いったんはすべてを受け止め、
ゆっくり考える力がたまるまで休息をすすめ、
とらわれから開放し、
再出発の背中をかるくおすのみ。

そんな自分でもいいと思えた先に未来はある。

固くなった心のマッサージし。
古今東西の賢人の受け売りで、小さな入れ知恵。

時間軸、空間軸の全体の構造を見据えて、
人生シナリオをともにプランニングして書き換える。

抱えている問題を浮き上がらせ、細かく分割し
あ、それならできそうかも。という次の一歩の提案をする。

でも、それを受け入れるかどうかは結局本人次第なのですが・・。

自然は一方で、受け止めてくれる存在です。
大きな恵みをもたらしてくれます。

夜が来ても朝が来る安心感。
冬が来てもやがて春が来る安心感。

これは基本的な信頼感の源です。

人間らしさの失われつつある時代。
心を病むひとが増えてきています。

そんな時代だからこそ
「あなたは大切な人で生きている価値がある」
そんな、メッセージのあふれた世界にしていきたいものです。

食べるものや、身にまとうもの、身の周りにおくもの、気持ちのやり取り。
「ていねいに。ていねいに。ていねいに。」

よほど気をつけなければいけません。

24時間営業中止。

2008年10月07日 | Weblog
24時間営業をしていた隣町のスーパーが環境の観点から24時間営業をやめ9時から23時までの営業にもどった。

いいことだとおもう。
原則、夜は寝てゆっくり休むべき時間だ。

あまりに効率を優先し、忙しすぎる社会はだれも幸せにしない。

過剰な経済活動やエネルギー使用を制限するには、個々の人の行動や認識に訴えかけ消費を制限するよりは、石油の使用を制限したほうがてっとりばやい。

まさにそういう状況になっているということか。

かつてトルストイという文豪は「A地点からB地点にできるだけ早く行こうとすることは、何の意味もないことである。やがて、あまりにもバカらしいということで忘れられるだろう」といったそうだ。

消費文明とバーチャルな経済活動に踊らされず、自分の健康と時間と生活くらい自分で守れ、ばかものよ。

よのなかの仕組み

2008年10月05日 | Weblog
東京などの都会に行ったときには、おのぼりさんなのできょろきょろしてしまいます。

貴重なチャンスなので、刻々と変わる街や人々のファッションや行動を観察します。

特に電車の中のつり広告などのコピーやデザイン、言わんとすることに注目するのが習い性になっています

それにしても都会で暮らすということは普通に生活しているだけでさまざまな人工的なメッセージにさらされるとうことです。

消費文明の、もっと消費しろ、もっと買えというメッセージが中心。

田舎にいてカエルの声や虫の声が中心、限られた人との付き合いで、情報は主に新聞や本、ネットからくらいの身には刺激的です。
数時間で頭がオーバーヒートしてきます。

とても今の自分には都会のペースに耐えられそうにはありませんが・・。

その中で気になったつり広告を二つ。

再チャレンジ政策を食い物にしたリクルートのキャリア支援サービス。就職ショップ。「若いうち、未経験から、正社員。」とのキャッチだが、引き換えるべき若さを失った人や、障がい者は要らないと言う事なのでしょうか。

そして、消費者金融(ノーローンというなのローン。なんという矛盾)ライトな感じで無利息、低金利で貸し付け、借金への抵抗感をなくしていくものなのでしょう。

しっかり批判的にからくりを見極めていないと、あっという間に搾取される空恐ろしい時代に生きているのだという認識をあらたにしました。