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金海市・望徳里古墳群 伽耶時代の鴨形土器と碧玉製石杖が出土

2011年06月15日 | Weblog
 金海市は15日、東西文物研究院の慶南金海市酒村面望徳里古墳群(김해 망덕리 고분군)一帯の発掘調査で、青銅器時代埋葬遺構と三韓・三国時代木棺墓、木槨墓、土壙墓、甕棺墓、石槨墓、石室墓など計560基の遺構と多数の遺物を確認したと発表した。
 特に、宝物級の4~5世紀伽耶時代鴨形土器(오리모양토기)と碧玉製石杖(벽옥제석장)が出土して学界の関心を引いている。
 伽耶時代の鴨形土器は、初めての出土で、鴨の頭上に人とみられる土偶が乗っていて、肩の部分に別の穴を明けて角杯に水を注げるようにしてある。釜山・福泉洞古墳群で発掘されて宝物に指定された「馬頭角杯(宝物598号)」と同じ価値を持つだろうとしている。
 また、韓国内では唯一大成洞古墳群だけに出土した日本の古墳時代の王の遺物である碧玉製石杖が古墳群の小型墓から出土した。 日本と伽耶との密接な交流があったことをしめすものとしている。
[参考:聨合ニュース]

備考) 碧玉製石杖(벽옥제석장)としているが、ニュースに掲載の写真は真横から撮ったもので、孔が開いているかどうかもわからないし、大きさも明らかでない。 大成洞古墳46号墳から出土したもの(碧玉製玉杖、벽옥제 옥장)と似たような形状をしており、すなわち、これだけの出土であれば奈良県広陵町・新山古墳(全長126m前方後円墳、4世紀前半)出土の筒形石製品と同じようなものである。大成洞古墳46号墳、新山古墳と今回の出土品とも共通して、『2000年度春季特別展「権威の象徴」-古墳時代の威儀具―(発行・奈良県立橿原考古学研究所付属博物館』の表現を借りれば、石製品には稜線がなく、上部が円筒形で下部は裾広がりになる形である。


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