歴歩

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倉吉市・東前遺跡 弥生中期の玉作り工房跡確認

2010年02月10日 | Weblog
 同市教委は8日、同市不入岡(ふにおか)の東前遺跡(ひがしまえいせき)から竪穴式住居3棟を確認し、遺構から多数の碧玉製管玉の未完成品、失敗作、さらにサヌカイト製石針や砥石、石鋸などの工具類が出土し、玉作り工房跡とわかったと発表した。
 錐(きり)のように回して管玉に穴を開けるサヌカイト製石針は直径1.3~1.9mm、長さ7~22.8mmのものが9本出土した。
 出土した土器から弥生時代中期(約2200年前)のものとみられる。サヌカイト製の石針は県内で初出土。玉作り工房跡が確認されたのは市内では初めて。県内でも数例しかないという。
 建物跡は2棟が直径約8m、1棟が直径約7m。それぞれ重なっており、建て替えた際に少しずらしたらしい。いずれの建物跡からも管玉の未完成品などが見つかった。石鋸で溝を切って角柱に割ったもの、未穿孔のもの、穿孔途中の未完成品と、失敗して割れてしまったものなどがあった。完成品だと長さ5mm前後の管玉となる。細いものは直径2.1mmしかなく、高度な技術を有していた。
 碧玉は周辺では産出されず、また管玉の製作技法が北陸地方の技法と同じで、何らかの交流があった可能性があるとみている。
 同様の玉作り工房は鳥取市の青谷上寺地遺跡でも確認されており、繋がりがあった可能性がある。
[参考:日本海新聞、毎日新聞]



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