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高島市・朽木陣屋跡 御殿に付属する馬屋・台所・土蔵を発見

2008年11月07日 | Weblog
 高島市教委は6日、高島市朽木野尻の県史跡「朽木(くつき)陣屋跡」(江戸時代)から馬屋跡や土蔵跡などが出土したことを発表した。
 まだ見つかっていない陣屋の中心施設・御殿の一部とみられ、今後、中枢部の遺構が見つかる可能性が高まったとしている。
 朽木陣屋跡は東西約290m、南北約180m。このうち約571㎡を発掘した結果、板間が馬体で沈まぬように礫を敷き詰めた馬屋跡や、熱によって割れた石が確認できる台所跡、基礎と見られる石列が現れた土蔵跡、深さ約1.7m、直径80cmの石組みの井戸が見つかった。そのほか、陶器や染付などの土器のほか、銅製キセル、鉄砲玉、被熱した壁材などが出土した。一緒に出土した信楽焼のすり鉢などから、18世紀後半~19世紀前半の遺構とみられる。
 朽木氏は近江国守護の佐々木信綱の子孫とされ、鎌倉時代から明治維新まで一帯を治めていた。室町時代には幕府の奉公衆を務めた。関ヶ原の戦い以降、禄高1万石以下でありながら、全国に三十三家しかない「交代寄合」という特別な旗本として、大名に準じて参勤交代をしていたほどの名家。
 県が1922年に地元住民に聞き取りしたところ、陣屋は明治初年まで残っていたらしい。
発掘調査現場において、現地説明会を実施し、調査現場と出土遺物が公開される。
日  時: 平成20年11月9日(日)13時30分より (雨天決行)
場  所: 朽木陣屋跡 発掘調査現場 (高島市森林組合 朽木事業所内)
集合場所: 朽木資料館 駐車場
問合わせ: 市教委文化財課(0740・32・4467)。
[参考:読売新聞、中日新聞、高島市]

朽木氏
 宇多源氏佐々木氏流として佐々木信綱(1181?-1242)の子・高島高信の次男・頼綱を祖とする。朽木氏が佐々木氏の有力庶子家であったばかりではなく、朽木氏経の時、頼朝の助命を夫清盛に願った池禅尼(1104?1164)の子・平頼盛(1131-1186)の子・池保業の3代後・顕盛の猶子となり所領の一部を継承したらしい。[参考:朽木文書]
前出の万木氏は信綱の弟広綱からの家系である。

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