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堺市・百舌鳥大塚山古墳 60年前に収集した鉄鉾の破片に象嵌、国内最古を半世紀遡る発見

2009年07月11日 | Weblog
 百舌鳥・古市古墳群にかつてあった全長168mの前方後円墳である百舌鳥大塚山古墳(堺市西区、5世紀前半)の副葬品のうち、鉄鉾1点から円形をした金の象眼が見つかり、最古の象眼文様と判明した。
 同古墳は百舌鳥古墳群で2番目に古く5番目の大きさだったが、1949~52年に宅地化され消滅した。
 森浩一・同志社大名誉教授らは宅地化が進んでいた50年に緊急調査。出土した大量の鉄製品などの副葬品はコンテナ約100箱分に上り、市博物館が所蔵、2003年度から奈良大とともに調査と保存処理を進めている。
 鉄鉾は被葬者の傍らに副葬されており、長さ約50cm。錆びて分離した破片4点(長さ6~8cm、幅1~2・5cm)に直径7~8mmの円形の文様が象眼され、内側に直径3・3mmの銀製の鋲(びょう)が残っていた。鉾の両側の膨らんだ部分に鋲があり、破片2点はここから欠け落ちたらしい。象眼の合金比も金60%、銀40%と、通常の象眼より銀の比率が高いという。
 古墳時代の象眼はほとんどが大刀で鉾は異例。象眼文様としては、これまで国内最古とされてきた兵庫県・宮山古墳(5世紀後半)で出土した大刀の銀象眼を半世紀遡る。
 堺市博物館が所蔵する大量の副葬品の調査と保存処理は半世紀を経て今も続いており、今後も新たな発見が期待される。
特徴から中国製と推定でき、中国との交流を深めた倭の五王の時代にふさわしい重要な資料という。
 11、12の両日、名古屋大で開かれる日本文化財科学会の大会で発表される。
[参考:読売新聞]

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