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奈良市・唐招提寺 7~8世紀の大型多尊せん仏の破片が出土

2013年03月22日 | Weblog
 唐招提寺と橿原考古学研究所は21日、鑑真和上坐像が安置されていた唐招提寺旧開山堂(奈良市五条町)の解体修理に伴う地下調査で7~8世紀とみられる大型多尊塼仏の破片1点が出土したと発表した。 創建時の同寺には塼仏多数が飾られていたらしい。
 出土した塼仏片は縦約12cm、幅8cm、厚さ4.5cm。眷属(けんぞく=仏の従者)などが刻んであった。 表面には漆が残り、一部金箔も確認された。 製作当時は焼き固めた粘土に漆を塗り、さらに金箔を張っていたとみられる。
 同寺に伝わる阿弥陀如来と従者を表現した同じ図柄の塼仏片(昭和4年に国重要文化財、縦約28㎝、幅約16㎝、厚さ約6.6㎝)と焼け具合が異なり、同じ型で制作した別個体とみられる。
 唐招提寺は天武天皇の子、新田部親王(?-735)の邸宅跡に759年に創建された。 同研究所は、塼仏は、もとは新田部親王の念持仏ではと推察している。
 出土した塼仏は、3月23日(土)~4月7日(日)の期間中、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館無料ゾーン(橿原市畝傍町50-2、で展示される。
[参考:共同通信、日経新聞、産経新聞、「史跡唐招提寺旧境内(旧開山堂)発掘調査の概要(資料1)」(平成25年3月21日唐招提寺・奈良県立橿原考古学研究所)]

唐招提寺で「せん仏」片見つかる 天武天皇の子・新田部親王所有か(産経新聞) - goo ニュース

コメント
 今回出土した大型多尊塼仏片は、(資料1)では参考とする下図に二光寺廃寺(御所市西北窪、7世紀後半)で出土した大型多尊塼仏を使用している。
 二光寺廃寺出土の大型多尊塼仏は、2006年6月に江戸東京博物館で開催された「発掘された日本列島 2006年」で出展されていた。今回の出土品とは顔の部分がダブル。二光寺廃寺出土品には年号銘があり、694年製作の可能性が指摘された。 また、遣唐使らが中国から持ち帰った仏像がもとになっているのではとみられている。

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