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橿原市・観音寺本馬遺跡 縄文人がクリ林を植林

2010年02月27日 | Weblog
 市教育委員会が26日、観音寺本馬遺跡で、縄文時代晩期中ごろ(約2800年前)のクリの木の根株が25株まとまって確認されたと発表した。約80m四方の範囲に集中しており、狩猟採集で生活していたとされる縄文人が、食料確保のために植林していたことを示す重要な発見になるという。切り株は大半が直径50cm前後で、樹高は20~30mだったとみられる。クリは腐りにくく丈夫なため、食用のほか建築部材としても多く利用された。
 市教委が、この遺跡から出土した根株68株を顕微鏡で分析した結果、20種の樹木が確認され、約半数が食用可能な種だった。クリは最多の25株を占め、水路に囲まれた80m四方のエリアに集中していた。クリ林の周辺には、オニグルミやムクノキの切り株も確認された。
 クリ林は集落の住居跡から約300mと近く、クリだけの林が自然に存在するとは考えにくいことから、クリを中心に利用価値の高い植物を局地的に栽培していたのではないかと推測している。
 縄文時代の人工林の存在は、三内丸山遺跡(青森県)の花粉のDNA分析などで指摘されているが、実物の根株の分布によって明らかにされるのは極めて異例という。
 現場は既に埋め戻されており、発掘成果は27日からから5月9日まで、橿原市千塚資料館で紹介される。
[参考:共同通信、産経新聞]

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