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東松山市・高坂古墳群 三角縁神獣鏡が埼玉で初出土 中国で製造か

2011年11月02日 | Weblog
 埼玉・東松山市埋蔵文化財センターは1日、市内の高坂駅東口第一土地区画整理事業地内にある高坂古墳群の八号墳近くで卑弥呼が魏から贈られたとする説もある銅鏡「三角縁神獣鏡」1枚が十二片に割れていたが、ほぼ完全な形で出土したと発表した。
 直径22cmで、裏面には35文字からなる「陳氏作竟甚大好、上有戯守及龍虎、身有文章口銜巨、有聖人東王父王母、渇飲玉泉食棗」と書かれた銘文(注1)があり、四神、二獣(西王母や東王父、仙人、竜虎)の図柄がはっきり確認できることから、西暦250~260年頃に中国で作られたとみている。 「三角縁陳氏作四神二獣鏡」と名付けられ、これまで全国各地で出土した三角縁神獣鏡には見られない形としている。 今回の発見は、初期ヤマト政権の影響が埼玉県に及んでいたということを示している。
 ほかに捩文鏡(ねじもんきょう、直径7.4cm、4C)、鉄製槍鉋(ヤリガンナ、長さ9.5cm)1本、凝灰岩製管玉15点、水晶製勾玉1個なども出土した。
 東松山市埋蔵文化財センターで、12日から18日まで公開される予定。
[参考:共同通信、朝日新聞、東京新聞、毎日新聞、読売新聞、埼玉新聞、日本テレビニュース、NHKニュース]

備考
 三角縁神獣鏡新鑑(樋口隆康、2000学生社発行)によると、「陳氏作竟甚大好」で始まる銘を持つ「三角縁四神二獣鏡」は2種類ある。 一つは(仮称A)、真土大塚山古墳(平塚市)、椿井大塚山古墳(京都府)、湯迫車塚古墳(岡山市)2点、権現山51号墳(兵庫県)から出土したもの、もう一つは(仮称B)、古冨波古墳(滋賀県)、椿井大塚山古墳(京都府)から出土したものである。
 仮称Aの銘文は「陳氏作竟甚大好、上有戯守及龍虎、身有文章口銜巨、古有聖人王父母、渇飲玉泉飢食棗」(35文字)
 仮称Bの銘文は「陳氏作竟甚大好、上有王父母、左有倉龍右白虎、宜遠道相保。」(24文字)
 今回出土した銘文は、「陳氏作竟甚大好、上有戯守及龍虎、身有文章口銜巨、有聖人東王父王母、渇飲玉泉食棗」(35文字)


キーワード: 槍鉋、やりがんな、ヤリガンナ

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