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八尾市・東弓削遺跡 由義寺の塔基壇跡を発見

2017年02月09日 | Weblog
八尾市・東弓削遺跡 由義寺の塔基壇跡を発見
 大阪府八尾市教委は9日、同市の東弓削(ひがしゆげ)遺跡の発掘調査で塔の基壇(1辺約20mの正方形)が見つかったと発表した。
平城京の東大寺や興福寺と同型の瓦が多く出土しているため国家寺院と考えられ、塔は七重塔である可能性が高いという。
基壇は、高さ約100mともいわれる東大寺七重東塔の基壇(1辺24m)より小さいが、大安寺七重塔の基壇(同20.4m)に匹敵する大きさ。大安寺七重塔は塔高さ約70mと推定されている。
基壇の造成には、版築工法が用いられ、高さ約70cmの層が確認された。実際には1.2~1.5mあったとみられる。柱を支えていた礎石とみられる巨石も見つかった。
基壇の周りから凝灰岩の切石の破片が多数出土した。凝灰岩で基壇を装飾する作業は塔建築の最終工程とされ、塔が完成していたと判断できるという。
付近からは塔頂部の相輪の破片とみられる銅製品も見つかった。
 発掘された礎石とみられる巨石の破片には焼け焦げているものもあり、塔は火災で焼失した可能性があるという。
これまで幻とされていた、続日本紀に記載がある由義(ゆげ)寺の塔の遺構とほぼ断定した。
 由義寺は孝謙上皇(後の称徳天皇)のそばで権力を握った僧・道鏡(不詳~772)の出身地であり、道鏡が建設に関わったとされる寺院。
 現地説明会は11日午前11時~午後3時に開かれる。
市立歴史民俗資料館(八尾市千塚3丁目)では18~26日(21日は休館)に出土品を展示する。
[参考:共同通信、毎日新聞、産経新聞、NNNニュース]

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幻の「由義寺」裏付け、道鏡の権力見せつける 称徳天皇の寵愛背景に

追記 2017.2.12
 現地説明会が11日に行われた。開始1時間前から考古学ファンら約2000人が詰めかけたとの報道。
 [参考:毎日新聞]


キーワード:東弓削遺跡、弓削寺、由義寺、
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